【小説】運命の出会い
都会の喧騒。うごめく人々。
颯太はめまいのするような居心地の悪さを抱えながら、
山の方へ向かうバスに乗った。
「流石に奥地まで来すぎたかなぁ」
バスを降りて当てもなく歩いていると、ようやくお店のような建物を見つけた。
どうやら小さなカフェのようだ。
彼は仕事のストレスから逃れるためにこの場所を選んだ。
中に入ってみると、お客は謎めいた老人が一人いるだけ。
老人は、颯太に声をかけてきた。
「きみの未来がわたしにはわかるよ」
「僕が、どうなるというんです?」
「今日、運命の出会いが訪れる。その出会いは、君の人生を変えるだろう」
颯太は少々おかしな老人に出会ってしまったものだと思い、その場では信じなかった。
コーヒーを飲んで、一息つき、カフェを後にする。ちょうど閉店時間らしく、店員がclosedの看板を出していた。颯太は、山道を歩いていった。
遠くにバス停と、来たばかりのバスが見えたので急いだが、女性を一人下ろしてバスは行ってしまった。次のバスが来るのはまだ1時間も後だった。
バスから降りたのは美しい女性だった。カフェの方に行こうとする。
この辺りは他に何もない。
「ここの近くにカフェありますよね。初めて来たんですけど。もしかしてそこに行きますか?」
「えぇ、私は昨日初めて行ったところです。今日も行こうと思ったんですけど……」
「そのカフェは今日はもう閉店しましたよ。暗くなる前に帰った方がいいです」
「そうだったんですか。私、そこで気になることを言われて…」
「え?それは僕もです」
この女性の名前は美咲。颯太は、今日運命の出会いがあると言われたことを話した。
「私は明日って言われました。つまり、今日なんです。ねぇ、これって……」
「僕たち運命、ですかね?」
二人はすぐに意気投合し、連絡先を交換した。
*
おはよう。美咲からのLINEだ。美咲とはあれから都内で食事に行ったり、毎日電話をしたりと関係を深めていったが、まだ告白らしい告白ができていないのを颯太は悩んでいた。
次の日曜日で会って1ヶ月になる。
この日に、真剣にお付き合いを申し込む予定でいた。
ところが、昨日からみさきがそっけないのだ。
挨拶のLINEはくれるが、電話をしようとすると忙しいと断られる。
颯太は少し心配していた。
美咲は美咲で事情があった。友人に会った時に、良い人ができた話をしたら、
「そのおじいさんも怪しいし、そもそもその男の人もおじいさんとグルじゃない?今、結婚詐欺とかあるし、気をつけなよ」と言われてしまったのだった。
ふらりと立ち寄ったカフェで出会った謎の老人の言うことを信じて始まった関係。
二人は絆を試されていた。
「今度の日曜、駅前のレストランで合わない?」
颯太からのLINEに、悩みながらも美咲は応じることにした。
フランス料理が振る舞われる、感じの良いレストランで、
美咲と颯太は向かい合って座っていた。
「あのおじいさん、何者だったんだろうね」
「預言者…っていうのかな、占い師とか?未来予知ができる人なんだろうか」
「信じていいと思う?」
「どういう意味?」
「私たち、本当に運命なのかなって」
「!! 僕は、今日はっきり言おうと思っていて!」
「?」
「きっかけをくれたのはおじいさんだったけど、話しかけたのは君が閉店しているカフェに行こうとしたからだ。もし、おじいさんになにか言われていなくても僕は君に話しかけていた。そして、君は…君は綺麗で…僕は一目惚れだった。もし、きっかけがなくても僕は君に告白していたと思うよ」
美咲は思わず嬉しくなった。
「私もそう…人付き合いでうまくいかないことがあって、次にどこかで優しい人に出会ったら、仲良くなりたいと前から思っていたの。あなたは私が閉店の店に行ってガッカリしないように、声をかけてくれた優しい人よ。おじいさんのことは関係ないわ」
「僕と真剣に付き合って欲しいんだ。あなたのことが、好きです」
「私もよ」
運命は最初から運命であり、それを前もって知っているかどうかなど関係ないのだと、二人の絆を確信した颯太と美咲であった。
それでも二人は数日後、おじいさんにお礼を言いに、あのカフェを訪ねた。
「すみません、僕たち、ここのカフェのお客さんに言われたことがご縁でカップルになったんです。お礼を言いたいんですけど、髭の生えた小柄なおじいさんって、常連さんですかね?」
「そんなお客さんは、一度もみた覚えがないけれど…」
店員の言葉に、驚く二人だった。
今回の小説は、下のchat GPTのアイディアをもとに執筆してみました。
今回は詳しい内容までは出してくれなかったので、かなり自由に執筆しました。