もし、「わたしが汚れているのは他人や環境や遺伝のせいだ」と考えるとしたら、自分の間違いを克服することはできません。過ちは自分によって生まれ、それを克服したいと強く願った時に向上心が生まれます。
向上心を持った時に得られる喜びは、知恵を獲得するための準備、平和への前奏曲だとアレンは言います。心が汚れのないことを考えられるようになる前に、そのような境地まで持ち上げられなければならない。向上心はをそれを達成するための道具だというのです。
向上心を抱いた人は天国へとのぼる道を見ます。
後方にはこれまで手探りで進んできた情念の道があります。
情念で成し遂げたことはあっという間に消え失せ、記憶にも残りません。
向上心を持って成し遂げたことは、美徳や生きるための知識、安らぎを得るための知恵に結びついているので、決して消えることなく記憶に残ります。
向上心はあらゆることを可能にします。上昇する道を開き、想像を現実化し、可能にします。想像しうることは達成できるのだと、アレンは考えています。
向上心は天国的なものー正義、思いやり、清らかさ、愛ーを求める切実な願望であり、地上的なものー自己所有、個人の優位性、低俗な快楽、感覚的な満足ーを求める欲求とは異なります。
自分自身の無知をはっきり認識すると、悟りたいという欲求が生まれます。これが気高い向上心です。
最下層の情念という動物的な欲求状態は、後に何も残らない刹那的なもの。もう少し、持続可能で、後に記憶の残る人生を歩みたいと考えた時、向上心が湧いてきて、ステップアップします。しかし、その次のステップでは向上心というステップを情念というレベルへと引き戻す、誘惑というステージがまっています。
これまでのnoteはこちらから
次の記事
いいなと思ったら応援しよう!
サポートして頂くと夢山さん家のお花がちょっと豪華になります。