漫画 一番の趣味について振返る_その2
情報系大学に進学した事により、今まで周りにいなかった漫画・アニメ・ゲームといった(当時は)少数派な趣味を持つ同好の士が、石を投げれば多段で当たる様な環境になった。それまで周りにそういった人々がいなかった為、とにかく好きの裾野が広がった時期だった。一人暮らしも相まってかなり自由に「好き」を謳歌していた。
■大学時代
・ドージンワーク
あらかじめ断っておくと作品やヒロユキ先生の大ファンというワケではないのだが、この作品から得られたものが大きすぎて遍歴の大枠として書かざるを得ない。
1点は「漫画ってこんなことしていいのか!?」という驚きだ。
当時の自分には訳が分からなかった。訳が分からなかったが面白かった。今でも衝撃を受けた瞬間っきりと覚えていて、ジャスティスという登場人物が自己紹介をするようなくだりで、3コマ目で「僕もジャスティス」4コマ目で「あなたもジャスティス」とコピペのような絵で続く。面白すぎた。
「意味わかんねー!」という面白ではなく「???」という面白の圧を感じた。「有りなんだコレ」と思った。
そしてもう1点、どちらかというとこちらの気づきが大きい。
タイトルから想像できるだろうがこの作品は「同人活動」を題材としたギャグ漫画だ。子供の頃から漫画好きと言っておきながら体たらくもいい所なのだが、ここで初めて「同人活動」を理解することになる。
WEB漫画を漁っていたので、無論「同人誌」はなんとなく知っていた。プロじゃない人が本を出しているのか~、くらいの認識だったが。ここでの気づきとはつまり漫画って自分で描けるのか!という事である。
漫画は描ける人が描けて、描けない人は描けないと思っていた。
描けない人も描けるのだ。
何を言ってるんだと思うかもしれないが、これは大きな気づきだった。近年『これ描いて死ね』(とよ田みのる先生)の2話を読んだとき、そうそうコレコレ!と思ったものである。
ちなみに『ドージンワーク』も『あずまんが大王』よろしく友人の家で出会った。人との出会いに恵まれている。
•PIXIV
自分でも漫画を描けるんだ!と威勢よく前述したものの、しばらくは漫画を描く踏ん切りがつかなかった。
漫画を描くという事は、漫画を読んでもらうという事だ。漫画は読んでもらって初めて完成する。だが、これが自分にとってかなり高いハードルだった。率直に言って、友人知人に漫画を読まれることが恥ずかしかった。
漫画を描きたい、誰かに読んでもらいたい、でも友人知人には見せたくない。描いた漫画を不特定多数の知らない人たちに発表できる場所があればなぁ~
PIXIVの登場である
普段使っていたハンドルネームをPIXIVでは変更し、誰にもわからない様に絵や漫画をアップした。発表の場があるというだけでモチベーションは鰻登りで、結構夢中になった記憶がある。ホームページを作る必要があるという高いハードルを取り払ったpixivの登場は、自分のような「発表の場が無い」層にとって晴天の霹靂だったと思う。
■社会人~今に至る
・COMITIA(同人誌を創る)
好きなバンドを探したり、皆でゲームを作ったり、イラストを描いたりしてたら、いつの間にか卒業して社会人になっていた。
あれこれ楽しむ自由な時間はごそっと減って、漫画を読むくらいしかできなくなった時期。
ある程度社会人生活に余裕が出てきた頃、特別キッカケがあったわけでもないが、ふと、同人誌創ってみるか、という気持ちになった。
そこからの数年は、一次創作も二次創作もただひたすらに楽しくて精一杯本を創った。
初めて配布側で参加したCOMITIAは楽しすぎたし、50部刷って17部配布だったという結果を正の字描いて記録したな~と、今でも淀みなく思い返せる。作品がどんな内容だったかは思い出したくない。
初めて自分の本が「とらのあな」に並んだときは店舗まで様子を見に行ったし、即売会の会場にメロンブックスの人が現れて「この本ウチで取り扱いたいです」と名刺をもらった時は自己肯定感が爆上がりしたものだ。
とにかく、全部が楽しかった。
そしてこちらも特別キッカケなんてないのだが、なんとなく筆を休めて長いこと経ち今に至る。
■まとめ
特別漫画を描くのが嫌になったとかではない。
日々が過ぎる中で、服が楽しくなったり、珈琲が楽しくなったり、カクテルが楽しくなったり、ゲームが楽しくなったり、ミステリ小説が好きになったりしただけだ。それでもやはり趣味の根っこは漫画にあって、読むのは相変わらず日常・日課である。ここ何十年、読まない日は1日たりとも無かったと思う。
ここまで過去を思い出しながら、とりとめもなく書いてきたが、かなり気持ちが整理できたような気がする。
色々振り返っていく中で、そういえばあの頃アレもコレも読んだなーとひたすらに思い出したので試みとしては成功だと思う。
その上noteの記事見出し用に絵が必要だなと、しばらくぶりにお絵描きしたのでこれも楽しくてよかった。
あわよくばこのまま描く方のモチベーションが湧いてくると嬉しい。
が、まぁ所詮は趣味なので、いつ辞めてもいつ再開してもいいよねという心持で気楽に気持ちが整うのを待とうと思います。
自分に言い聞かせるような締めとなってしまったが、とにかく何が言いたいのかというと
漫画が好きだ
ということです。