思い出の曲「君の知らない物語」

オチのない話をします。

僕のツイッターをフォローしている方はご存知かもしれませんが、最近「化物語」を始めとする西尾維新の物語シリーズアニメ版にめちゃくちゃハマっています。
物語シリーズにハマったのにはいろんな理由があるのですが、その理由のひとつがアニメのEDであるsupercellの「君の知らない物語」という曲のことがあります。

どういうことかというと、この「君の知らない物語」は僕にとってすごく思い入れが強い曲で、この曲を聴くだけで僕はちょっと泣きそうになるくらいエモみを感じてしまうのです。

今日はそんな「君の知らない物語」についての思い出の話をします。

僕がこの曲に出会ったのは、僕がまだ大学生だった頃のことです。人見知りが激しくて、どちらかといえば暗い性格だった僕は高校を卒業するまで女の子と話すことが本当に苦手でした。
通っていた高校が工業高校だったということもあり、そもそもクラスに女の子はひとりもいない高校生活で、女の子との接点すらありませんでした。

そんな高校生活を送っていた反動で、大学に入ってからは女の子とばかり遊ぶようになって(いわゆる大学デビューってやつですね)最初の頃に仲良くなったのがアニメオタクの女の子たちでした。
遊ぶと言っても、もともとが陰キャだったこともあり、女の子たちがアニメイトに行ったり、服を買いに行ったりするのについていくだけ。そして陰キャの割に特にアニオタでもなかった僕は、ただただ話をあわせてるだけで作品名も声優さんの名前もさっぱりちんぷんかんぷんでした。

そんな中、アニメがよくわかっていない僕でもちゃんと一緒に盛り上がることができたのが彼女たちといくカラオケ。当時の僕はヴィジュアル系しか聴いていなかったけど、アニメとヴィジュアルって親和性が高いというか、アニオタ兼バンギャな女の子たちも多かったんですね。
そんなアニソン+ヴィジュアル系カラオケの中で必ず女の子たちの誰かが歌っていたのが、当時流行っていたマクロス・フロンティアの「ライオン」という曲と、アクエリオンの主題歌「創聖のアクエリオン」、そして化物語のED「君の知らない物語」でした。

ほかにも女の子たちはいろんな曲を歌ってはいましたけど、その3曲だけは本当に必ず誰かが歌っていた。だから僕の中でその3曲は僕の周りに女の子がいた頃の象徴みたいな曲になっているんですね。
後ににも先にもあれほど女の子と遊んだことはなく、今にして思えば僕の遅れてやってきた青春みたいな期間でした。

だからだと思いますが、この曲達を聴くと懐かしさと共に「もうあの時代は過ぎ去ってしまった」という想いが強烈に胸に去来して、胸がいっぱいになるんですね。

そして僕はその3曲の中で唯一「君の知らない物語」だけが、何のアニメの曲か知らなかったんです。で、回想がここまでで、今の話に戻りますが、今年に入って友達から「化物語」の話をたくさん聞いたので「じゃあ見てみるか」という感じでアニメシリーズを見始めました。

ここで「化物語」のストーリーを簡単に説明すると、「化物語」の主人公・阿良々木暦(あららぎ こよみ)は高校三年生の春休みに吸血鬼・キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと出会い、彼女を助けたことで身体に吸血鬼の力を宿します。
その後、阿良々木くんは高校を卒業するまでの一年間に様々な人と出会い、吸血鬼と同じような怪異(化物のたぐい)絡みの事件を解決していきます。

阿良々木くんはある理由から高校三年生の春休みまでは友達を作らなかったので、実質、彼の青春は高校三年生の一年間に集約される形になっています。そして「化物語」から始まる物語シリーズ自体も「終物語」で阿良々木くんが高校を卒業することで物語に終止符が打たれます(その後もオフシーズンとして話は続きますが)。

そんなアニメ「化物語」のEDが「君の知らない物語」だったんですね。物語シリーズ自体が「阿良々木暦の青春の始まりから終わり」を扱っていたこともあいまって、僕の胸のど真ん中にEDに流れる「君の知らない物語」がスコーンと入ってきました。「化物語」自体も青春の話なので、僕の「終わってしまった青春」の体験と阿良々木くんの青春の物語が完全に重なってしまって、それで今では物語シリーズを何周も見るくらいにハマっているわけです。

また登場するヒロインたちは基本的に全員メンヘラで、大学当時の僕の周りにいた女の子たちと実に似ているんです。そのへんの人物描写も実に上手い。どうしようもなく中二病的で、でもそんな愚かしくも輝いている時代の話。そしてそれが終わってしまうということ。輝きが大きいが故に、余計にさみしく、でも愛おしくもあるあの時代の、あの空気が結実したような物語。それが物語シリーズの根幹にあるものなんです。

なんだか最終的には物語シリーズの話になってしまいました。まぁ最初に宣言した通り、特にオチのある話ではありません。今回はこのへんにしておきましょう。それではみなさん、さようなら。




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