大阪IR「基本合意」別紙1から5の公開を求める陳情書
山田 明(原告・名古屋市立大学名誉教授)
大阪市会2月議会に陳情書を提出
大阪市会議長 様
大阪IR「基本合意」別紙1から5の公開を求める陳情書
[陳情趣旨]
私は大阪市民の一人として、夢洲へのIRカジノ誘致に関して大阪市に再三にわたり情報公開請求を行い、大阪市会にも陳情を繰り返してきた。昨年2月15日に大阪府・大阪市・大阪IR株式会社(SPC)で締結された「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備等基本協定」別紙2事業日程によると、4月頃「基本協定の締結」と明記されている。基本協定書第14条に、基本合意の締結等として、次のように書かれている。
「SPCは、第6条第8項に基づき、国土交通大臣に対して認定用区域整備計画について認定の申請をするに先立ち、府及び市との間で、認定用区域整備計画及び当該申請に添付する実施協定書(案)、設置運営事業の遂行に当たって府、市及びSPCで確認すべき事項を定めるための立地協定(案)、並びに、SPCが設置運営事業を実施する目的で本件土地を使用することができるようにするための事業用定期借地権設定契約書(案)について、基本合意を締結するものとする。(以下、略)」
基本協定書に記載されている事項が、どのように「基本合意」として締結されたのか。昨年3月の大阪市会では、夢洲のIR用地の課題対策のため、港営事業会計の債務負担行為により788億円の公費負担を決定した。地盤沈下対策を含めて、この788億円が「上限」なのかを知るために、大阪市に対し「基本合意」関係文書を情報公開請求した。
1ヶ月遅れの通知によると、表紙しか開示されず、次の文書は全部非開示だった。
別紙1:大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備等実施協定書(案)
別紙2:大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業 事業用定期借地権設定契約書(案)
別紙3:大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の立地及び整備に関する協定(案)
別紙4:大阪夢洲地区特定複合観光施設区域の立地及び整備に係る土地使用等に関する協定(案)
別紙5:継続協議事項
非開示とされた上記別紙は、夢洲へのIR誘致の是非を判断するうえで欠かせない。大阪市にやましいことがなければ、ただちに開示すべきで、市会においても公費負担を決定した以上、基本合意に関わる資料に基づいて真摯な審議をしなくてはならない。
IR誘致に関わる重要な公文書の公開を求めて、改めて市会に陳情するものである。
[陳情項目]
1.「基本合意」に関わる別紙1から5の公文書を直ちに公開すること。
2. 市会において上記別紙をもとに、夢洲IR誘致について改めて審議を行うこと。
陳情者 山田 明
2023年1月19日
維新・公明の反対により継続審議
2月議会は2月9日に本会議が開催され、15日の都市経済委員会で陳情が審議されました。この陳情書について自民と共産の委員が30分近く質疑しました。
IR関連の陳情は私だけでしたが、維新・公明の反対により、「引き続き審査」になりましたが、すこしだけ成果もありました。
自民が非公開決定に、不服審査請求をしたが、市側の「弁明書」は4ヶ月以内に出されるとのこと。共産の委員の質問に対して、ジャッキ対応など長期の地盤沈下対策は,事業者と検討するなどとの答弁。今後、地盤沈下対策が焦点になるのでは?