見出し画像

第2回 何にもしない合宿を開催しました。

2024.8.20~21に、廿日市市立宮内小学校で第2回の何にもしない合宿を開催しました。
今回も50人近いこどもたちが集まり、思い思いに遊んで過ごしました。

広い場所があると走りたくなる

「顔見知り」が広がっていく

今回の参加者の半数は、前回も参加した子でした。
見たことのある顔同士の「久しぶり!」という感覚が、あちこちに流れていることを感じました。
そうした雰囲気があるからなのか、はじめて参加する子も緊張感が少なかったような気もします。

今回はテーブルを多めにしてみました。テーブルの上にはボードゲームをそれとなく置いておきます。
すると、興味を持った子が自分で説明書を読んでボードゲームを始めます。
大人も交えながら、ゲームを通した交流も生まれていました。

ボードゲームを通して会話に花が咲く

「寝る」が楽しい

何人かのこどもたちに「この合宿楽しい?」と聞いてみました。
すると全員「うん、楽しい」と答えてくれます。
さらに「何が楽しい?」と聞くと「遊ぶこと」とのこと。

少し深掘りしてさらに聞いてみると、次のようなことが見えてきました。

  • 友だちと一緒に走り回って遊ぶのが楽しい。

    • 家ではゲームで遊んでいるが、そうじゃないあそびができることが楽しい。

  • 好きにしていいのが楽しい。

    • 普段の学校では先生から「あれはダメ」「それはダメ」とダメばかり言われる。

    • 自分で使いたいものや遊ぶ内容を決めて好きに遊べるのが楽しい。

  • 寝るのが楽しい。

    • 寝る時間のおしゃべりや夜更かしが楽しい。

    • 夜の学校は怖いけどドキドキもワクワクもする。

多くの声の共通点は、人と人との関係性が前提にあるようでした。
きっと一人で遊んだり一人で夜更かししているときの「楽しさ」は、ここで話してくれたような楽しさとは異なるのでしょう。
友だちや、合宿の中で会う人との関係性や関わりがあるからこそ、一緒に遊んだり夜更かししたりするのが楽しいのだと思います。
合宿を通して、人との関わりを持つことが楽しいという価値観を育てられる子が増える効果もありそうだと感じた出来事でした。

そういえば、自分がこどものときも、この学校の校庭にテントを張って寝たことがあります。当時の担任の先生が企画してくれたものでした。
特別何かをしたというわけでもないのですが、仲間たちと夜の校庭にテントで寝るということがとても楽しかったものです。
今のこどもたちにも、そうした楽しさを手渡せているなら嬉しいことだと感じています。

夏は暑いので体育館ではなくクーラーの使える教室で就寝

ただ「楽しい」を積み重ねる

青少年夢プラン実行委員会のみやうち冒険あそび場の会では、「みやうち冒険あそび場」という活動をしています。あそび場では、自然遊びを通して「楽しい」を積み重ねることだけを目的にしています。そこで得られる様々な「学び」はあくまで結果であって、目的には設定していません。

大人が持つ「学ばせたい欲」をこどもたちは察知します。
「支援したい欲(支援臭)」も察知します。
そして、そうしたものから距離を取ります。

学びを目的にせず、あくまで結果であると捉えることで、ただ「楽しい」を積み重ねる取り組みを作ることができます。そうした取り組みの中でこどもたちは楽しく過ごしながら、ひとりひとりにとって必要な学びを自ら得ていきます。
あそびの先に結果的に得られる学びこそ、生きた学びであり、個々の最近接性課題に即した学びであると考えています。そして、そのような学びは、構成的な学習プログラムでは得ることができない学びなのだと思っています。

何にもしない合宿は、人と人が出会う合宿を通して「楽しい」を積み重ねることだけを目的にした取り組みだと考えています。
みやうち冒険あそび場とは環境要因と物的要因が異なるだけで、本質的には同じ取り組みだと考えています。
みやうち冒険あそび場では、人が育ち、場が育ち、取り組みが成熟してきました。何にもしない合宿も、積み重ねの先にある未来がとても楽しみです。

もうすぐ朝です


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?