『二色蝶』(凋叶棕)の考察 ~危機からの生還~(ネタバレ)

スターゲイザー』でなかなか思いどおりにいかないところから復活して歩みだしました。次は『交響詩「魔帝」より Ⅲ.戴冠式』です。実際に組織のリーダーとして歩みだしたのでしょう。

ですが、なかなかうまく行きません。餌食として狙うものもいる。もう終わりかと思ったところで『二色蝶』が現れます。そうして救ってくれた『二色蝶』はあまりに美しい。『二色蝶』のおかげで救われて、永遠をつかめるようになった。

多分、『二色蝶』って初期顧客じゃないかと思います。実際最初売れるまでは潰れそうになるが、初期顧客がついてくれたがために、軌道に乗せられるようになった話。

主人公は餌食になるほど儚い存在だということ、それを美しさと対比させたメロディーにしてるのかなと思います。

背景概説

東方Projectは自らの作品の設定や音楽をもとに一定のガイドラインのもと自由に二次創作することを推奨しています。

登場人物は博麗霊夢というキャラクターです。赤色と、白色からなる衣装をまとい、ふわふわ蝶のように飛び回る巫女さんという設定でお聞きください。

歌詞分析

生きているならば、一度はきっと。
その命、危機に曝されもするだろう。
そう、生きるということは、気紛れなもので、
時に、全ては、意外なほど呆気無い。

新しい組織を作って生かそうとしても、実際危機にさらされることは多い。ましてや動き始めた直後なんて。生きるということ自体が気まぐれであっけない。

生きているならば、その身をきっと。
餌食として狙うものも居るだろう。
そして、哀れながら、狙われたものは、
その力では、抗う術を持たない。

まさに餌食として狙うやつも現れる。そう、『げんきになったときのうた』で自分たちを襲うような周りや、『墓標』であげられたような連中。

金と余裕がなければ抗えない。そして動き出した直後では金も余裕も力もない。

思えば、意味のない生涯。
永らえても、望みなどなくば。
これが、この身の定めと、唯々受け容れよう。

続けても意味ないなと思い、受け入れて、やってきたことをやめることを考える。、、、その時。

―これまで、と、覚悟の刹那。
視界に広がった光景は、

紅く、白く、妖しく、烈しく、そして、強靭く。
舞う、二色の蝶。

宛ら、
―忘我。
それが、幻の果てなる、徒花。

―萌芽。
匂い立つように、ひらりひらりと。

―散華。
留まる全ての花を散らすように。

―蓮花。
重なる姿に何を見たか。

空の昏さを閉じ込めた瞳で、
永遠を揮う姿は何より美しく。
咎色の花を、はたと、祓らす、

その名さえ知らぬ、二色蝶。

実際客となってくれた人がいたのでしょう。彼女こそが『二色蝶』。そして、それは相当美化されて見えている。それぞれの美しさを示す単語に意味があるかもしれませんが、ちょっとわかりません。あえて言うなら、1つ目のくくりは萌芽が見えているのに対して、3つ目のくくりは開花があるのが気になるかなというところです。

生きているならば、一度はきっと。
その命、捧げたくもなるだろう。
だが、生きるということは、冷たいもので、
時に、全ては、意外なほど素っ気無い。

危機にさらされるわ、餌食にしようとしようとするわで、命を捧げたくもなる。それに対して周りにはそっけない。

あゝせめて一目、一目と。
求めた姿の在る所以は、
我々ひとなるものにはけして揮わぬ力の所作。

人の身で叶わぬのなら、
この身を堕とせばいいのだ、と。

再び、「あれ」と出逢うことが出来るのなら、

何をも厭わぬ。

ただただ、
―高雅。
其方おまえは、幻に咲く、婀娜花あだばな。

―端雅。
この心のうちに、はらりはらりと。

―因果。
棄てた命に意味を与えたように。

―蓮花。
重なる姿に幻想を見たか。


美しければそれでいいのだと、
あの姿のままで、永久に在れよと焦がれつつ。
咎色の花を、はらと、舞わす、

その名さえ知らぬ、二色蝶。

花を散らすのは、
其方おまえが、望むことなのか?

其方おまえも、そして咲かせるのか。
散らすだけでは、飽き足らず。

ならば、もとより捨てた命、せめて、花を咲かせよう。

「捨てた命に意味を与えたのか?」「そして咲かせるのか。散らすだけでは飽き足らず。」からふまえて、

「ならば、もとより捨てた命、せめて、花を咲かせよう。」

と、再び花を咲かせることを決意するようになる。

そうして、
―開花。
この身は、幻の果ての、徒花。

―散我。
オマエが、忌むべきこの姿なら。

―奉我。
想いを吼える物怪ものを祓うように。

―蓮花。
この身を焼くことを今、願う。

さぁ、今再び、永遠を手に!
その全てを以って、この身をただの幻想と帰せ。
咎色の花を、ざあと祓らせ、

ここでは「開花」が含まれていますね。つまりは、やる気を取り戻して、花咲いたと。そして、再び永遠を手にしたと。

その名さえ知らぬ、二色蝶。

終ぞ、その名さえ知らぬ、二色蝶。

けども、そうやってやる気をもたらすことになった『二色蝶』については名前すらもよくわからない。商売の客なんてのはそんなものかもしれません。

このように一度やる気を失ったところで、やっと美しい最初の客をえて再びやる気を取り戻していく過程の曲じゃないかと思います。

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