『イニシエイション』(凋叶棕)の考察 ~何のために動くのか?そして、、、、~
この曲は「屠」収録ではありません。「秘封祭オリジナルサウンドトラック」収録です。「屠」は夢を追ったが、様々な周りの障害で潰えさせ、『墓標』でやめることを決め、再び周りがヘラヘラ笑いながら承認欲求を刺激して帰って行く『葬迎』で終焉します。
だけども、もうこれは私自身の情念として、「屠」の流れに一曲付け加えるならこの曲だろうと。2021年1月1日新年早々の千人計画のニュースと反応を見ての怒りでもあります。
客観性?根拠?知ったことか。創作、妄想上等!
『イニシエイション』は次のような曲だと思います。おそらくはなにか目指すことがあった。障害があり、同調圧力で捻じ曲げようという動きもあった。だけども、ふみしめて、目指す道を歩む。あるいは、結ばれたい人と結ばれる。
世の中魑魅魍魎共が多い。なにか目指すものがあるなら、ときにはこのような鬼になって回り全部を敵に回してでも歩むのも一つかもしれません。
『げんきになったときのうた』で主人公を散々な扱いをしてけなした。『しあわせのことば』で助けを求めた。主人公は『墓標』で楽園という名の墓場を去った。楽園を去ったことに対して『葬迎』のようにヘラヘラ笑いながら近づけば許すだろうと舐めてかかる。承認欲求を刺激すればよい。同調圧力ではめ込めばいいみたいなやつが寄ってきた。そんなクズを、この曲、『イニシエイション』のように踏みにじって、夢に向かって歩むのもある意味爽快じゃないですかね。
背景概説
東方Projectは自らの作品の設定や音楽をもとに一定のガイドラインのもと自由に二次創作することを推奨しています。
この曲の登場人物はマエリベリー・ハーンです。宇佐見蓮子という親友がいますが、時々悲惨な喧嘩をしていることがあります。この曲の場合は悲惨な喧嘩をしているという設定です。
歌詞分析
この曲はなにか踏みしめる音から始まります。
背に受ける無数の視線たち
なぜ わたしが と恨みさえこもらせて
なにか利害が衝突したのでしょうね。それで主人公が誰かを踏みにじることがあった。それを非難する視線。
怨むなら どうぞ私を
それでも 私は止まることはないから
ですが、歩みを止めない。
目を逸らしはせず 忘れもしない
あれらも私であるのだから
ただそのあり方の どれでもない明日を探して
周りも何らかの利益、それこそ承認欲求や仲間意識をもとに主人公に何かを強いたのでしょう。でも、主人公も何らかの利益や承認欲求、報いを求めた。それこそ男を取り合い、男からの愛を求めた。醜くこちらを捻じ曲げてくる人間がいる。一方の自分の歩みも自分の欲望の醜さゆえでもある。利害が衝突した。
だから 踏み潰すの 息根を絶つの
二度と生まれてこないように
力を篭めて また一歩踏み出す
そして 踏み砕くの 望みを絶つの
二度と夢など見せないように
主人公と相手の双方の醜さをわかった上で、相手が主人公への報いや環境なぞ考えない。それでも邪魔をしてくるのなら息の根を止めるしかないでしょう。現実的には別の環境に移って二度と関わらないということ。相手が望むことなぞ実現しないと踏み砕く。望みを絶つ。
死体に足を。
強く 強く! 強く!! 踏みしめて そして。
あなたに逢いたい。
相手のみの都合で絶対こちらの邪魔をしてこないように強く踏みしめ、そして、「あなたに逢いにいく」。もちろんこれは真っ直ぐに解釈すれば誰か男なのでしょう。だけど、なにかの夢を持って始めた物事を実現したいともいえる。
埋めるべき最後の空白を
あなたという 影の形に区切って
そうしてもし これ以上ない
最悪の可能性を辿るとしても
目を逸らしはせず 逃げさえしない
それだって私であるのだから
ただそのあり方を 胸に刻んで歩いていく
なにか主人公が満ち足りたものがないから「あなた」を区切って埋めようとする。無論、周りを全部切って進むわけだから、周りの助けも得られない。邪魔ばかりしてくる周りなら切ったほうが正解ではあるが。更に悪い状況になる可能性はある。だけども、生殺与奪の権は奪い返せる。目指すものをまっすぐに見据えてある意味自分の欲望のために進む。欲望を求めるのだから醜い立場だが、でも目指すものがある。そういう醜い存在だと胸に刻んで歩いていく。
だから 踏み躙るの 命を絶つの
二度と生み出されないように
私はここに 唯一の私
だから 踏み殺すの 希望を絶つの
二度と動き出さないように
邪魔をしてくるやつを踏みにじり、命を断つ。向こうが主人公を対象にした欲望を満たせるという希望を断つ。現実には拒絶する。もう二度と主人公を邪魔してこないように。主人公を邪魔しようという感情が生み出されないように。二度と邪魔しようと動かないように。
青空へと手を。
高く 高く! 高く!! 差し出して そして。
あなたに逢いたい。
目指すものをつかもうと高く手を伸ばす。そうして、あなたと逢う。目指していたものを実現する。
そう、あなたと。 この「道」の先で出会うまで
そう、あなたと。 ともに未来へ歩き出すまで
そう、あなたと。 明日の形を決めるまで
そう、あなたと。 夢を現に変えるまで
めざす「あなた」と出会い、ともに歩み、形を作り、まさに夢を現実にする。まっすぐ見れば、「あなた」は恋愛感情の異性です。「あなた」と結ばれること自体が夢で、それを現実にするとみえる。でもやはりこの「あなた」はなにか目指す夢じゃないかなとも思えてきてます。まさに夢を現実にすると。
あなたでいい あなたがいい
あなたといたい それだけでいい
はじまってもいない この秘封倶楽部は
すべてを捨てていくわけだから、あなた、以外の何物も残らないでしょう。今はなにもないからはじまってもいない。でも、あなたといる、それだけでよい。夢が現実になった以外の全ては失われてしまうのかもしれません。
でも、案外それだけでもいいんじゃないかもしれないじゃないですか。自分の手元で、自分の夢が現実になれば。
だから 踏みしめるの 全てを置いて
この道をただ 歩いていく
だから、邪魔な連中を踏みしめる。加担する連中も踏みしめる。すべておいていく。そして、自分の夢に向かって歩んでいく。
死体に足を。
強く 強く! 強く!! 踏みしめ そして。
強く 強く! 強く!! 放つ言葉。
あなたに、逢いたい。
強く邪魔な連中を踏みしめる。そして、あなたに会いたい。夢を実現したい。
考察
『心強きもの』として歩みだした。しかし、歩み入ったのは『怪奇!人形の館 迷い込んだ男の運命は…』だった。いろいろ『too late for』だった。『げんきになったときのうた』のように踊らされ、反動があった。『しあわせのことば』のようにただ助けてほしいと願った。そして『墓標』で夢を追う界隈の欺瞞に気づき去ることを決めた。そしたら 『葬迎』でヘラヘラ笑いながら、だが向こうの一方的な欲望しか考えずに戻ってこいと近づいてきた。、、、、、そこを 『イニシエイション』で踏み殺してどこへでもと、夢にあゆんでいく、、、、、。私の妄想のanotherですが、そういう展開もありじゃないでしょうか?
『それいけ針妙丸』/『心強きもの』少女一輪/『げんきになったときのうた』魔理沙は、時代親父雲山/謎のピエロを蹴倒し、踏み殺し、新しい道を歩んでいった、、、、。かつてのようにまっすぐ夢を追うような彼女たちではなく、半分ダークサイドに落ち、かつてのように歓迎されるような人間ではなく、指弾されるような人間になった。それでも目的に向かう強さを得られた。どっちのほうが心強いんでしょうね。
葬られたところからふたたび始まる(initiation)、、、、、『イニシエイション』が「屠」に収録され、『葬迎』に次ぐ曲だったら全く別の世界だったかもしれません。
そして、光の「徒」闇の「屠」を踏まえたまとめは次に示します。
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