『ブラック・ロータス』(凋叶棕)の考察(ネタバレ)
「屠」5曲目の曲で示しているのは、「自分の老いを感じて、外法の道を歩んだ聖白蓮」、そして現実の描像としては「プロジェクトに何らかの問題が発生し、誰も止めることなく、外法の手段をとっていった」ということではないかと思います。
なお、ロータスは蓮の英語です。そして、蓮には
蓮は泥より出でて泥に染まらず
というように周囲の悪い環境に汚されること無い気高さの象徴ではあります。しかし、それが黒くなった=汚れていったという曲です。
背景概説
東方Projectは自らの作品の設定や音楽をもとに一定のガイドラインのもと自由に二次創作することを推奨しています。
この曲の登場人物である聖白蓮はざっくりと平安時代の女性で、特殊な術で不老長寿をえたという設定でお読みいただきたいです。
歌詞分析
ここでいう今際の時というのは問題が発生してプロジェクトが失敗=死に接するときです。プロジェクトが失敗しそうなときに誰かが道を説くことがあれば、或いは外法の道を歩まなかったのかもしれない。
曲では誰か他人の名を呼んでいるよう歌っていますが、何かしら想定通りに行かなかった。結果がこちらを向いてくれなかった。
少しでも想定通りに行くことがあればよかったのだが、その様子もない。想定に比べてあまりに遠い。ただただ悲しいのと先がどうなるのかが不安となる。
想定から遠くて孤立感をつのらせていった。
とにかく恐怖とざわめく衝動に駆り立てられる。
老いていったということを示す内容ですが、プロジェクトとしてみれば、自らの始めたプロジェクトは想定違いの醜いものだったということを示しています。
あなたというのは先にプロジェクトを成功していった人たちでしょう。後から述べる伝記には失敗から学んでいった話もあるでしょうが「影」を追い払うことができなかったと。影というのは外法を選ぼうという自らの悪意でしょう。
考察
現実に照らし合わせてということですが、気になる人物がいます。鋼の錬金術師のショウ・タッカーと、STAP細胞事件の小保方晴子氏です。
鋼の錬金術師のショウ・タッカーというのは、作中で人語を話す動物を作ったという研究者です。ですが、人語を話す動物というのは、禁忌である、動物と人間のキメラだった。まさにこの場面ですね。
小保方晴子のSTAP細胞事件というのは2014年に起きた研究捏造事件のことです。
なお、「屠」頒布は2014年8月のC86です。つまり、STAP細胞事件の直後に「屠」配布がされているということです。後述しますが、他にも強い敵に立ち向かう英雄としての様子『心強きもの』、散々ちやほやされるが、その後の転落 『げんきになったときのうた』、誰か愛しかったはずの人を巻き込んでの死『しあわせのことば』といい、「屠」は小保方氏の様子を下敷きにしているようにも見えます。
Next: from the corpse to the journey
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?