ウワサ話のターゲットになった話
人が集まると、色々な噂話が出てきがちだ。アラフィフにもなると、噂話に全然関わらずにきた人の方が少ないかもしれない。
息子たちが幼稚園の時の保護者の間でも色々な噂話が浮かんでは消えていた。
当時、その幼稚園は子供を預かってくれる時間は短く、幼稚園まで保護者が徒歩で送迎するのが決まりだった。だから、送迎の間の時間には自宅に帰らないでどこかで集まってお昼ご飯を食べながら時間をつぶしている人が結構いた。毎日のように顔を合わせる上に話す時間がたっぷりあるから、噂話には絶好の環境だったのだ。
私は自宅が幼稚園から近かったので、その輪にはほとんど加わらずに風のように家に帰っていた。だから、噂のターゲットには最適だったかもしれない。
あるとき、子供を迎えに行った時にひとりのママがそっと近づいてきた。
「Yumetamaさん、Kさんがあなたのことを噂していたわよ。Tバックはいていたよって。」
「え?」
「そう。ああ見えて意外よね、って言ってたわよ。」
どうして私がどんなパンツをはいているかが噂になるんだ?しかもTバック1枚も持っていないし。もし、はいていたとしても、はく人の自由だし。っていうか、私がどんなパンツをはいているかそんなに知りたいのか???いくら考えてもよくわからなかった。(その噂を流した人にパンツを見せたことなど一度もない。)
それに、そのことをわざわざ私に知らせるのもどうなんだろう。どうやら親切心で教えてくれたみたいだったのだけど、正直、知りたくなかった。知ったところで、どうしようもない。いちいち
「私は、Tバックはいていません!」
って訂正して回るのも可笑しいから放っておいた。きっと、ほかの噂話と同じようにすぐに忘れられていったのだろう(と、思いたい)。たぶん、話している本人たちにとっては時間つぶしの他愛もない話題の中のひとつだったのだろう。
噂話おそるべし。まさか、よりによってパンツのことを噂されるなんて。今となっては笑い話だけど。
一瞬楽しいだけの噂話、本人に伝わっていることも案外あるのかもしれない。