時間に追われているのか、時間のパズルなのか

自粛解除の動きが進んで、外出しなければならない用事がだんだん戻ってきている。

外出先から帰宅する時に、電車に小一時間乗る予定があった時のこと。移動中にメールやnoteをチェックするつもりでいた。

私は普段から移動中などのすき間時間にも予定を入れたい方だ。

電車に乗って、いざスマホを出してみると充電が切れかかっている。そこで、充電しようとバッテリーとケーブルを出したのだが、ないのだ！ケーブルの先につける小さな変換アダプターが！とても小さい物なのでなくさないように気を付けてファスナー付きのポーチに入れていたのに、どこかで落としてしまったようだ。

充電できない！帰宅前に、電車の中でメールチェックを済ませるという予定がここで崩れてしまう。うー、残念。

途中で電車を降りてコンビニでケーブルを買うことも考えたが、それだとかなり帰宅が遅れてしまう。ケーブルを買えば帰宅前にメールチェックを済ませられるが帰宅は遅くなる。買わずにこのまま帰ると、早く家に着くが、帰宅してからメールチェックをしなければならない。

結局、途中下車するのはやめることにした。メールチェックは帰宅してからやろう。

空白になった電車内の時間。

その時間に何か出来ることはないかと必死に考えている自分に気がついて、なんだか急に可笑しくなった。

少し空いた電車内の時間くらい、何もしないでボーッとしてもいいじゃないか。

目をつぶって、リラックスを試みる。こういう、やることがないときに限って眠くならないのが不思議だ。

ちょっとした時間にいちいち「ボーっとしよう、リラックスしよう、はい、深呼吸」なんて考えていること自体、余裕がない感じでイヤだなあと思ってしまった。

もっと、自然に肩の力を抜いて過ごしたい。

細切れの時間をパズルのように組み合わせて時間を有効活用する、それは役に立つことも事実だ。実際忙しいときはそうやって乗り切ってきた。

でも、そのパズルに追われて、ピースを組み合わせることにだけとらわれて、自分の時間の全体像を見失いたくはない。

そんなことを、電車の中で考えた。

空白の時間にそうやって考え事をするのも、悪くない。