なにもない

手のひらから這い上がる文字列が
ざわざわ ざわざわ
百足のように 蟻のように

つたっていく

手を洗いたくても
空気の滝は此処にはなくて

清浄な鏡面が 青を反射して
ただ水の滴と空の境界を

深く深く 綴じ合わせていく


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