はじめての出版物語4/6「初校ゲラが来た」
ー人間の脳みそは100歳になっても成長するらしい。
その成長のために必要なのは「新しいこと」
私は常に挑戦し続け、100歳になっても成長できる人間になりたいー
この物語は声優ブロガーである私、幸田夢波が初めて出版をするまでの過程を綴ったものです。
はじめての出版、『無職本』(水窓出版)は7/3頃発売予定。
前回のお話はこちら。
ゲラを見て私作家じゃん!って思った
文字を書くことには慣れているはずなのにブログと本では全然書き方が違って四苦八苦しながらも2月末日の締め切り数日前に原稿を提出し、そこからゲラと呼ばれる印刷物用のデザインに原稿を落とし込んだものを待つことに。
流れとしては以下の様にアナウンスしていただいていた。
第一稿が届き次第順次、弊社の方でゲラデータ作成、校正作業と進めて、各執筆者様に校正済みのゲラデータをお戻し(初校戻し)する予定です。
ゲラデータ作成→校正作業→校正済みゲラデータがくる
という流れもまた初めて経験する流れなので新鮮。
と、そんなこんなでゲラデータがくるのを待っていたところ、なんとまさかの新型コロナウイルスの蔓延で世界がずいぶん様変わりしてしまった。
ご依頼いただいた時点ではこんなことになるとは全く思っていなかったので、「もしこの騒動で本も出せなくなっちゃったりしたら悲しいな…」なんて震えながら過ごしていた。
この期間は本当に仕事のスケジュールもめちゃくちゃになっていて辛かった人も多いと思う。
しかしそんな心配も杞憂に終わり、4月の後半に無事校正済みゲラデータが送られてきた。
(データをぼかしてます)
すごい…!本だ…!!!!(当たり前)
もうこの時点で本のようになっているのにすごく感動してしまった。(原稿データ自体はGoogleドキュメントで書いてWordファイルにして送っているので大学生のレポートみたいな感じだった笑)
ゲラというものをちゃんとしっかり見たのも初めてだった。
「私作家じゃん!」って思った。
調子こいた。すんません。
画像がぼかしてあって少し見づらいかもしれないけれど、赤で修正が入っている。
指摘していただいていた内容も「こういう内容で校正ってくるんだ〜」と発見があったので、以下で紹介していきたいと思う。
校正指摘箇所①数字の表記
原稿では英数字と漢数字が混じって使われていて、漢数字部分を全て英数字表記にするように修正が入っていた。
確かに英数字の方が見やすい。
普段ブログを書くときは英数字表記をすることが多く、数字の表記は統一した方がいいだろう、という脳みそもあったはずなのに、
なぜか書籍を執筆するということに浮かれたのか、いつもつかわない漢数字をバシバシ使っていた自分が恥ずかしい。
校正指摘箇所②難しい漢字の表記
これもブログではあまりやらないようにしていたんだけど、『エッセイ』という意識からか、なんか気取った漢字をたくさん使っていた。
媒体が変わるとどうも執筆者のノリも変わるようだ。
具体的に言うと
・「碌(ろく)に」
・「飄々(ひょうひょう)と」
とか。
中学生のときに読書にはまり始めて、突然覚えたての難しい言葉を頻繁に使うようになった私に母が「新しく覚えたから使ってみたくてしょうがないんでしょ」と言ってきたときに感じた恥ずかしさを思い出した。
校正指摘箇所③「戦う」と「闘う」
「たたかう」という表現を使うとき、「戦う」と「闘う」を使い分けている人はどれだけいるんだろう。
私はほぼ脳死で「戦う」を使っていたのだけど、校正さんに「闘う?」と指摘されていた箇所が複数あった。
改めてググってみると大辞林 第三版に以下の記述があるらしい。
[表記] たたかう(戦・闘)
「戦う」は“戦争する。勝ち負けを争う”の意。「敵国と戦う」「選挙で戦う」「優勝をかけて戦う」 「闘う」は“困難などを克服しようとする”の意。「労使が闘う」「難病と闘う」「暑さと闘う」〔ともに「格闘する・争う」意で用法も似ているが、「戦う」の方をより広義に用い、「闘う」は「格闘する」意に限定して、比較的小さな争いに用いられることが多い。また、比喩的に、見えないものとの精神的な争いにも「闘う」を用いる〕
ざっくり言うと、見える敵と物理的にたたかう場合は戦うで、
見えないものとたたかう場合は闘う、って感じかな。
原稿を見てみると意味的には「闘う」になりそうだったけど、自分がなんとなく「闘う」だとしっくりこなくて、これは夢波サロンのサロンメンバーに助けを求めた。
みんなに意見を聞いたところ「戦う」の方がなんかニュアンスがしっくりくる、という意見が大多数だったので「戦う」の漢字を採用させてもらうことにした。
こういうときに客観的に意見をくれるメンバーがいるのは本当にありがたい。
校正指摘箇所④なるべくなるべく
たまにやってしまうことなんだけど、「なるべく〜」という文章の次の文章でまた「なるべく〜」と使ってしまうことがある。
なるべく以外にも「とても〜」とか「とにかく〜」とかこの現象にはバリエーションがある。
でもこの現象、実は自分で読み返しても読み飛ばしてしまうことが多く、初めてその文章に触れる人が客観的に、新鮮な気持ちで読んでくれないと気づかないことが多い。
そういうところを校正さんに指摘していただいていて大変ありがたかった。
リズムが悪くなるんだよねこういうの。
校正に対して意見を入れていく
校正済みゲラデータとともに、水窓出版の方には以下のようなメールをいただいていた。
・誤字脱字の修正などはこちらで行っています。こちらで行った修正に問題なければ次のゲラ(再校ゲラ)にはそのまま赤字の修正を反映します。(基本的に単なる赤字部分は確認していただくのみで結構です。)
・こちらから著者様に判断を仰ぎたい箇所は赤字の最後に?マークを付けています。こちらの箇所をどうするかのご返答をゲラの該当箇所に記述お願いします。
・事前にメールでお知らせしていましたが、こちらからの提案事項は赤字の最後に(提案)と記しています。あくまでもこちらからの提案ですので、加筆修正等の最終的な判断は著者様にお任せします。
・こちらから判断を仰ぎたい箇所への指示や提案部分の加筆修正等は、今回添付した校正済みの初校ゲラに直接記入して戻していただくようお願いします。
添付のPDFデータが編集可能であればそのままデータに修正を加えていただきご返却ください。
ということで校正済みゲラデータに自分の意見を反映していく。
私の意見の方は青色で入れさせていただいた。
なんかこういうやりとりってかっこいいなぁ。(小並感)
と、こんな感じで初校ゲラのやりとりを終えた。
続きは第五回へ。
予約始まってます。
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