海賊版サイトを閲覧禁止にするだけで本当にコンテンツは儲かるのだろうか?
コンテンツを違法でアップロードする海賊版サイトとして有名な「漫画村」が アクセス禁止になる方向で騒がれていました。
今日はAnitubeやMiomioといった違法でアップロードされた アニメ動画のまとめサイトもアクセス禁止にしていく意向であるという政府の方針も発表されて話題になっていましたね。
正直声優として私はコンテンツを作る側にいるので、 コンテンツを守ろうとする方向に世間が動いているのは喜ばしいことなのですが
この流れが本当に正しいのかどうか疑問に思うところもあります。
もちろん大前提としてコンテンツを作る作者には きちんとお金が 入るような流れであってほしい。
著作権を無視して勝手に無料で見られるようになっているようなサイトが蔓延することによって漫画が売れなくなったりアニメの DVD やブルーレイが売れなくなったりする今があるというのはもちろん頷ける話です。
そもそも漫画やアニメがどうやって儲けられているのかと言うと、漫画はもちろんコミックスの売り上げ。
アニメはテレビで無料で放送されているけど、作るのには莫大な制作費がかかっています。
無料で見られているアニメがどうやって儲けているかといえば、そこにスポンサーがついていたり、
DVD やブルーレイ関連グッズなどの売り上げから儲けが出ています。
きちんと儲けが出ないと次の作品を作ることはできません。
テレビで無料で見られるんだからネット配信してもいいじゃん、という声も見られますが
そもそも全てが無料で見られる状態にしてしまうともちろん DVD やブルーレイは売れなくなってしまいますから
それじゃあ作者や、アニメを作っている人達にはお金を入らなくなってしまうという話。
だからこそネットに溢れている著作権を侵害するような違法アップロードはすべて制限するべきだという流れは一見正しいかのように見えます。
でもそう言ったアクセスを禁止したら、今まで無料でそういったものを楽しんでいた人は代わりになるサイトを見つけようとすると思う。
そして代わりになるサイトは必ず出てきてしまうでしょう。
もうネットの海を規制することは難しくなってきているのではないかなと思います。
実際サーバーが海外のサーバーだったりするといくら法的措置を訴えても、「これ以降は海外のサーバーにあるものだから手出しできない」という風になってしまうケースもよくあるみたいです。
どれだけ漫画村やAnitubeやMiomioに アクセス制限かけても、無料に慣れている消費者はまた無料を探す旅に出るだけなのだと思うんですね。
じゃあどうしたらいいのか。
ここで少しブログの話をしたいと思います。
私が運営しているブログはネットで検索をすれば誰でも無料で見ることができるブログです。
無料で見ることができるから私にコンテンツを製作しているお金が入っていないのかと言うと、そうではなくて
ブログを読まれれば読まれるほどブログに貼ってある広告から広告収入が入るような仕組みになっています。
私のブログを無料で楽しんでくれる人がたくさんいればそれだけ私も儲かるし、嬉しいということ。
読んでくれている人だってお金を払っていないから無料でコンテンツを楽しむことができてお互いに嬉しいと思うんですね。
私のコンテンツを気に入ってくれた人は私が出す有料のコンテンツも興味を持ってくれるでしょう。
noteコンテンツもそうだしオンラインサロンとかもそうだと思います。
そうやって有料での出口はある。
ちゃんとコンテンツを制作しただけお金になってます。
これを漫画やアニメで応用することはできないか?と思うわけです。
確かに今プロの漫画家やアニメを作る仕事の現場で働いている人に、「無料で公開したらいいんじゃない?」とはなかなか言うことができません。
プロの人が作る制作物にはそれなりのお金が動いているからです。
でもこれから漫画家になりたいアニメを制作していきたいという人は、どんどん無料で公開していって
そこに広告をつけて広告収入を得るだとか、ファンが付いて来たら有料で コンテンツを制作してみるとか。
そういう流れにしていかないと違法アップロードサイトが次々にできていってそれを制限するための追いかけっこから逃れられないんじゃないかなと思うんですね。
ここでnoteを 読んでくださってる方は、すでにnoteという 自分のコンテンツを有料で販売するツールを知っているわけです。
ここのところ第二次noteブームが来てる気がします。
まずは自分の作品をノートで販売してみるというところから始めてみるともしかしたら海賊版サイトとの追いかけっこから離脱し別の世界で、 応援してもらいながら稼ぐということができるかもしれない。
海賊版サイトをアクセス制限にすることで本当にクールジャパンが守られるのか?
私はちょっと心配です。
自分がブログを運営していてそこからお金が入ってくる仕組みがとても好きです。
何かを押し売りするわけじゃなく自分が経験してきた知識を共有して気に入ったものがあったら買ってもらう。
そうやってちゃんとお金が回っていけば誰も不快になりませんしとてもいい気持ちでお金を稼ぐことができます。
今のコンテンツ産業の中で、こういう流れを応用して行くことはできないのかなーと今日のTwitterを見ていて思いました。
もしかしたら今、エンタメ業界は過渡期なのかもしれません。