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はじめての出版物語3/6「追筆作業」


ー三人寄れば文殊の知恵、という言葉を作った人はすごいー


この物語は声優ブロガーである私、幸田夢波が初めて出版をするまでの過程を綴ったものです。

はじめての出版、『無職本』(水窓出版)は7/3頃発売予定。

前回のお話はこちら


第一稿提出までにきた進捗共有メール

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夢波サロンのサロンメンバーにたくさん協力してもらって第一稿の執筆を進めていた時、水窓出版の方より以下の内容のメールをいただいた。(部分的に抜粋)

大変遅くなりましたが、今回弊社で企画している『無職本(仮)』の各執筆者様とブックデザイナー様、校正者様がすべて決定しました。

執筆のご依頼をいただいた時点で執筆者は私を含めて8人。まだ私以外の人で依頼だけしていてお返事いただいていない方もいる、とのことだったので、それが確定したようでよかった。

それ以外にもブックデザイナーさんや校正者さんも決めなきゃいけないんだな…と思った。当たり前のことではあるんだろうけど、出版業界に携わったのが初めての私にとっては、出版にあたってどんな作業が必要なのか、ということも初めて考えることで、とても新鮮だし勉強になる。

そして、直近の各原稿執筆者様へ私からお願いしたい事としては、まずは皆様から第一稿を送付していただく事になります。

締切日に関しても一点ご連絡差し上げますと、もし可能であれば私の方で決めた締切日前に第一稿を送付していただいても結構です。

今後は私の元へ第一稿が届き次第順次、弊社の方でゲラデータ作成、校正作業と進めて、各執筆者様に校正済みのゲラデータをお戻し(初校戻し)する予定です。

ゲラ…!!!

聞いたことある言葉だけど、この言葉も馴染みがあることばじゃない…ッ!

原稿は著者が書いたものだけど、ゲラというのは編集者がチェックして、実際に本にする時のレイアウトとして組んだもののことを指すらしい。かっこいい。

こうやって本が出来上がっていくんですなぁ。

逆に締切日に不安があると仰っていた方々も、先だってお伝えしていたと思いますが、ある程度の融通は利きますので決して無理はなさらないでください。

皆様へは普段の生活で大変お忙しい中、こちらからの突然の依頼を引き受けていただき大変有難く思います。

ただ、なによりも私自身が皆様の原稿を今一番読んでみたいと思っていますし、同じテーマながらどのような内容が返ってくるのか楽しみにしておりますので、今後ともよろしくお願いします。

ご依頼をいただいたのが1月下旬で、お話いただいた締め切りが2月末日。

こちらのメールがきたのが2月初旬だった。


書き始めてみたら普段のブログと違って自分語りが多いのでとても難しいと感じたけど、メールをいただいて頑張って書くぞ、という気持ちが増した。

余談だけれど、水窓出版の方からいただくメールがとても温かくて、私はいつもメールが来たとわかると開くのが楽しみだった。

読んでみたいって出版社の方がまず言ってくれる。そのために書こうって思える。素敵だな、と思った。


磨き上げる作業

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2月中旬くらいに「こんな感じでどうだろう」という第一稿が出来上がる。文字数は1万字くらいで…とご依頼いただいていたのだけど、サロンメンバーから意見をもらいながら書き進めたらすぐに12,000〜3,000字くらいになってしまい、推敲していろいろ削ったものの第一稿の文字数は10,400字くらいだった。


ブログだと印刷物ではないから文字数はあまり気にしないけど、本の場合はそうもいかないだろうし、今回は私以外にも執筆者の方が7人もいるので迷惑をかけてはいけない…と思い「文字数がごめんなさい…」という形でお送りした笑

そしていつもながら丁寧で温かみのあるご返信をいただく。(部分的に抜粋)


早速第一稿を拝読させていただいたのですが、ブロガーで活動されていることもあり、一万字を超す長文でも滞ることなくスラスラと読みやすく、また、内容についても当時の幸田さんの素直な気持ちが表れているいい文章だと思いました。大変面白かったです。

トゥンク…

文字数が既定の文字数よりオーバーしているとのことですが、文字数も絶対厳守というわけでもないので、オーバーしても問題ありません。

優しみ…

また、原稿を拝読させていただき、逆に私から少し注文というか提案がいくつか思い浮かびまして、下記に箇条書きさせていただきます。

・小見出しをいくつも設けてもらっていますが、原稿全体のタイトルはありますでしょうか?

・こちらは提案なのですが、プロフィール欄にHPやSNSのアドレスなどを記載してもいいかなと思いました。(大した宣伝になるかわかりませんが、この本から幸田さんの活動を知りたいという人もいると思いますので。)

・ここからは原稿内容についての注文になるのですが、事務所を退所した後の声優活動についてのエピソードを載せてみてはどうかと思いました。幸田さんの特徴として「フリーランス声優」という面もあると思いますので、読者的にもそこの部分の話に興味がある人がいると思っています。(現在の内容ですと、事務所を退所した後はブロガーとしての話がメインとなるので、声優活動を終了してしまったようにも見えてしまいます。)事務所に所属していた時とフリーになった後での声優の仕事の変化(どのようにして仕事を取るのか、仕事の収入・種類はどのように変化したのか、職場の人との関係性の変化等々)がわかる話(書ける範囲でいいのですが具体的な話であるとよりいいと思います)があると面白いと思っています。

・また、ブロガーとしての活動についても、もう少し深堀した部分を読みたいという風に感じました。“でも毎日ブログを書いていたら思ってたよりは早く収益化できるようになった。”と書いていますが、なぜそのようになったのか幸田さんなりの自己分析(毎日投稿をしていたから、ブログの内容が興味を惹いたから)があったり、ブログの収入で海外旅行や生活できるまでになった転機があれば、これも書ける範囲でよろしいのですがその点についての具体的な話があるといいと思いました。

一般的な視点として、幸田さんは特徴のあるライフスタイルを選択していると思っていますので、当初の趣旨からズレた提案になっているかもしれませんが、幸田さんの原稿を拝読し読者としてもそこの部分を知りたい(興味ある)のではないかと考え、上記の提案をさせていただきました。

上記は私の一方的な要望ですので、採用してもらえるかどうかは幸田さんの方で判断してもらえればと思います。
もし、このままの内容でいきたいということであれば、送付していただいた第一稿のまま次の作業へと進めていきたいと思っています。(それでもこちらは問題ありません。)

ということで内容に関してもかなり細かくアドバイスをいただいた。そして優しみにあふれている。


こういうアドバイスをもらえるのは本当にありがたいことで、初めての手探り作業はやはり「これでいいんだろうか…?」という不安が強い。

だからこそ私は夢波サロンの方でもサロンメンバーにたくさんアドバイスをもらいながら一緒に原稿を書いていたんだけど、出版社の方にもこうした細かいアドバイスをいただけてよかった。


作品はやはり一人で作るよりも、こうしていろいろな人の意見が混ざって出来上がった方が絶対に良いものができると思っている。

そこでぶつかることもあるかもしれないけど、それはきっととても有意義な衝突だ。

アドバイスをもらってそれを反映させるたびに作品が磨かれていくのがすごくよくわかる。


声優の仕事もそうだけど、ディレクションしてもらって「じゃぁこう直そう」と次の芝居に移っていく作業は私はとても好き。

それは一人では生み出すことのできなかったもので、たくさんの心がつながって出来上がったものであるはずだから。


ということで2月中旬にして追筆作業に入るので締め切りに間に合うようにまたひぃひぃ言いながら原稿を書く。笑

そして2/27に第一稿修正バージョンを送付。今年はうるう年だったので2月は29日まであったけどそれでもかなりギリギリ…!

いただいたお返事がこちら。(一部抜粋)

こちらのリクエストを加筆していただいた第一稿を送付いただきありがとうございます。

私が知りたかった(気になった)ところを丁寧に書き加えていただいたところもありますが、内容も格段に良くなったと思います。

こちらの内容でゲラを作成し、校正作業へと進めていきたいと思っています。

こうして丁寧に向き合っていただいて、モチベーションを爆上げしてくれる言葉をかけてくれるの、本当にありがたい。


一人でやっていたら全然自信をもって提出できなかったはず。

サロンメンバーや水窓出版の方の言葉があって、「いいもの書けた!」と胸を張って提出することができた。


人と何かを作るのはやっぱり楽しい。

続きは第四回へ。

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幸田夢波
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