個人的2024年ベストアーティスト

2024年は新しい音楽の年だった。私は21歳であるが、今年好きになったアーティストのほとんどが私と同年代であり衝撃を受けた。私世代のアクティブな人たちが、音楽を変えていっている。本当に嬉しい。
ライブで出会ったアーティスト、音源で出会ったアーティストを思い出と振り返る。
 

雪国
Twitterを見ていて様々なアーティストが「雪国」を呟いているのを見て雪国の存在を知る。バンドだと知ったのは夏も暑く酷い日だった気がする。pothosというアルバムを聴いて衝撃を受けた。pothosが植物であることを京さんのツイートで知ったのだが、実は曲名をずっとtoposだと勘違いしていた(詩学において場所を意味する際に使われる語である)。語感が似ていたために勘違いしたが、雪国の音楽は「場所」を的確に指す部分が多くあり、個人的にtoposでも違和感がなかったのが勘違いが長引いた原因である。
個人的に好きなのは「東京」という曲だ。Spotifyでアーティストページを開くと一番上に表示されるため、多くの人が東京を気に入っているのだろう。私もそのひとりだ。私は音楽が好きで、様々なジャンルをたくさん聴くけれど、ギターは弾けない。コード進行がとかメロがとか下手なこと書けないので、本当に好きだと思った  とだけ書き示しておく。ボーカルの京さんの歌声がとても良い。強く芯のある声なのに優しさと静寂を持っている。実家へ帰る際の電車に乗る時は大体雪国を聴いている。電車の音との相性が良い。


sidenerds

同じくTwitterで知った。衝撃を受けた。私は女性ボーカルのアーティストをあまり好んで聴かないのだが、ボーカルの声が良すぎた。抜ける高音と柔らかい歌い方が、sidenerdsの音楽に合いすぎている。
「わたし」という曲が好きだ。歌詞の「ジェネリックどこかのだれか」というキャッチーな言葉は、その裏腹な重みがとても良い。学校からの帰り道、自転車に乗りながらよく歌う。いつも涙してしまう。
作詞作曲は誰だと調べると、ねぎしのはんだった。彼女のことはトップシークレットマンで知っていた。 トップシークレットマンの音楽とはだいぶ系統が違うが、こんなに優しい音を知っているのだと知り嬉しかったし、こんな音楽を作るとは知らず本当に感激した。音楽を作っていてくれてありがとう。
上手くいかない日の虚しさや焦燥感を、こんなにも音楽で感じることがあるのかと思うくらい素敵なバンドだ。
11月5日に渋谷Milkywayで開催されたライブにsidenerdsも出演しており、下手のスピーカーの前で聴いた。演奏中何度もねぎしのはんと目が合い、ライブ後物販では「下手にいたよね」と言ってもらえた。少し泣いていたのがバレたのかもしれない。


皆川溺
今年の春先に出会ったアーティスト。2006年生まれで、16歳の頃から活動していると知り、どこまでポテンシャルのある人なんだと驚愕した。そんな皆川溺は、実際見てみると飄々としていて、閃光ライオットのインタビューでもふざけている。しかし音楽は熱に溢れ、特に生音は凄みがある。
6月21日に下北沢SPREADで開催された夏の手に捕まってで初めて演奏している姿を見た。文字通り、熱に溢れる演奏だった。床にちりばめられたエフェクターの数々と、その姿の飾らなさが皆川溺らしいなと思った。
11月5日のBIRTH vol.12では格段に演奏技術が上がっていたように感じた。MCはほとんどなく曲間はずっと爆音で繋がっている。現場まで足を運んだ人しか知ることが出来ない皆川溺の音だ。本当に格好良かった。声を掛け、当日のチケットにサインを書いてもらった。手も声も震えてしまっていたから、変な人だと思われたかもしれない。
「カーテン」は、その明るくスキップをしてしまうようなメロディと皆川の弾む声が合わさり、どこかへ向かっているような気がしてくるのである。8月に投稿されたMVでは、自転車を走らせ山奥の店で中華そばを食べる皆川。一瞬の逃避行をしているようにも見える。一人旅がしたくなった。

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