最近元彼の事をよく思い出す
元彼といっても付き合った期間はたった一週間なんだけど。
でも友達だった期間は約三年ほど。
私から変な事言い出さなかったら、まだ友達でいられたかもしれないと何度考えたことか。
専門学校で同じクラスになって、初めての授業でペアになってから、ずっと好きな人だった。
好きな人って、恋愛的な意味じゃなくて、「人間として」って意味ね。
初めて会話した時に感じた気持ち、今でも覚えてる。
中高生時代は周りに打ち明けてこなかった好きなアイドルグループの話をしたら、彼も好きだと判明した事とか、色々好きなものに共通点があるとか、話を最後まで聞いてくれる所とか、私の兄と身長が同じな事とか(私はブラコンである)、
何より彼の醸し出す雰囲気が、他の男性とは圧倒的に違った。
彼は中心的なグループのバカ騒ぎでゲラゲラ笑ったり下ネタで盛り上がったり、女の子に積極的に声をかけて一緒に遊んだりするような、私が怯えるタイプではなかった。
彼は私が挨拶をすると必ず返してくれたし、彼からも声をかけてくれたし、変な絡み方をしても乗ってくれるし、でも必ず一緒に居なくたっていいし、とても良い距離感の友達だった。
専門学校に通うため田舎から上京してきた私にとって、彼はもう一人の兄のような安心感のある存在でもあった。
二人でよく遊びにも行った。
彼は映画が好きなので私も観たいアニメの映画が上映されたらよく一緒に観に行った。コナンは二年一緒に観た。
川崎も横浜も、行く場所全部彼と歩いた。
食いしん坊な私に「なに食べたい?」といつも聞いてくれて、希望のお店に連れていってくれた。聞く前にひと口くれるのも良かった。
行ってみたい所があったら毎回彼を誘って行った。
二十歳の誕生日にお酒につきあってくれたのも彼だ。
さりげなく車道側を歩いていたり、私がいない方の肩にバッグをかけていたり、エスカレーターは先に譲ってくれた。
何かと遅刻する私をいつも寛大な心で許してくれた。
普通さ、遊びに行って目的を終えたら解散するじゃん。なのに私たち、ぷらぷらウィンドウショッピングしたりカフェ入ったり、何だかんだ夜になっちゃった〜で解散するパターンだったよね 笑
帰りは寂しがり屋なのバレてていつも改札まで見送ってくれた。
そんな私たちだから、専門学校の同級生は
「え?二人って付き合ってないの?」
「いつになったら付き合うの?」
とかなんとか。
それを聞かされる度に、何で性別が違う二人が遊んでるってだけで恋愛になると思ってるの?と怒っていた。
周りから恋人だと毎度勘違いされる事によって、よりその考えが強固なものになっていた気がする。
専門学校を卒業してから、私の周りはもう結婚した同級生が居たり
「ウチらに彼氏とか出来るわけね〜!」
「二次元しか勝たん!笑」
とか言っていた子にも恋人が出来ていたり、縁のないことだと思っていた話が身近で起きていた。
私と彼の仲を知っている友達に会って「まだ付き合ってないの?」のくだりをやった後日。
人生で一度も恋人が居たことが無い事に多少の焦りと不安を感じてたのもあって、言っちゃったんだよね。
また友達に言われたんだけどさ〜、何で付き合ってないんだろうね〜
ずるい言い方だね。
そんなの、
「じゃあ、付き合う?」
としか返しようがないよね、収拾つかないよね。
それで、付き合うことになった訳だけど。
私にとって恋人という存在はもっとロマンチックなものだったから、友達から恋人になる覚悟が足りてなくて、
まあそんなの急に変われる訳ないし、そんな意識しなくたって、今まで周りからは恋人同士に見えていたんだし、
でも恋人って、お互いの事好きで、優先順位って割と高めで、?
とぐるぐる、ぐるぐる考えがまとまらなくて。
私の理想の恋人像と、彼との関係が全くリンクしなくて、やっぱり彼は恋人という存在には違うなって。
恋愛の理想が高いっていうのがよくなかった。
彼は付き合っている間、ちゃんと私のこと好きでいてくれていたらしい。
申し訳なかったな。
自分から持ちかけた事だったのに。
彼は友情から恋愛感情を持ってくれたというのに。
後から知ったんだけど、みんな平等に優しいんだと思ってたら、どうやら違ったらしいね。
誕生日プレゼント欲しい物超えてくるのも、
おいしくて幸せなら良かったよってごはん奢ってくれるのも、
言わなくても私のこと分かってるのも。
彼のこと、好きになれたらよかったのに。
恋愛感情は持てなかった、でも人間として本当に大好きだった。
もう自分から連絡先消したし会えることも無いんだけど、後悔してるからこれからも思い出すんだろうな。
やっぱり私に恋愛は無理、とか思わずにちゃんと向き合えばよかったな。
理想とか置いといて、自分のペースでいいって、その時気付けたらよかったな。
元気でいてね。
私のことなんか忘れてね。
あなたと同じくらい想ってくれる人と出会ってね。
幸せでいてね。