ブッククラブ〈Language Beyond〉 #28—アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』(第1部)
次回のブッククラブでは、アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』に挑戦してみたいと思います(長いのでとりあえず第1部のみとしました)。未読でも、一部分のみ読んだだけでも参加OK。思ったことを自由にお話ししましょう!
○開催日時 2023年3月26日(日)16:30〜18:00(jitsi meetでオンライン開催)
○課題本 アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』(第1部)
○推薦した理由 20世紀ロシアの難解な小説なのに、なぜか2022年の読書界ではわりと大きな話題になりました。読者からの感想が、[第九回日本翻訳大賞の読者推薦文]などで読むことができますが、どうやら現代日本の読者と深く通じるものがあるらしい。この小説が現代でも読者を魅了しつづける理由を一緒に探ってみませんか。なお、本書の翻訳者の一人は、このブッククラブ主宰者でもあります(が、今回は読者が主役の会なので、できるだけ聞き役に徹します!)。
開催メモ(担当:工藤順)
本の著者であったり訳者であることは、「読む」という経験に関していえば、意外と損をすることかもしれません。何しろ、自分だけは本の中身をもう知ってしまっており、文章に対して新鮮な付き合い方がもうできなくなってしまっているのですから。
2022年6月末に『チェヴェングール』を出してから、幸いなことにいろいろなところから声をかけていただいて、何度かトークイベントというやつをやってきました。しかし、自分のしゃべる内容に自分で飽きてしまうというのが実際にはあるのですね。(もちろん、その都度なんとかいい話をしようと精一杯努力しているのです、しているのですけれど……)
そんな時はやっぱりブッククラブです。いや〜今回も面白かった。何がいいって、やっぱりなかなか自分では想像しなかった観点からさまざまな話がぽんぽんと出ることですね。『チェヴェングール』は現代日本から文脈がかなり遠いし、普通に内容が難しいので、訳者からいろいろ補助線を出さないと難しいかな、と思っていましたが、そんなことは全然なかったです。
当日の話に出た内容をキーワード的に拾っていくと→地べたから見た「革命」/貧しさ/小説という形でしか書けない内部からの視点/土着性/寓話的/具体と抽象の絶妙なバランス/時間・空間のあいまいさ/心の外なのか中なのか(自分が自分の中に収まりきらない)/リアリティの線が複数ある/ちぐはぐな世界/悪夢のような/作為と不作為・作為と自然/フォークロア的/リアルな人物と戯画的な人物のムラ/日本にとっての満洲という経験(世界を秩序立てていたものが壊れる)/安部公房『終わりし道の標べに』/自然が人を見ているような視点
本当にいろいろなテーマが出て、脳が忙しい90分強となりました。どれも「なるほどな〜」と思わせるコメントばかりでした。今回参加してくれ、それぞれの生活線から『チェヴェングール』に取り組み、そしていろいろな新鮮な視点を与えてくださったみなさん、ありがとうございました!
ブッククラブ「Language Beyond」とは?
このブッククラブのやり方や大切にすることなどについて、以下の投稿をお読みください。
https://note.com/yumemirukenri/n/n7023e2729e01
参加するには
ウェブ会議アプリJitsi Meetで開催します(会員登録は不要、スマホなどから参加の場合はアプリを使用します)。はじめてブッククラブに参加をされる方は、下記フォームからメールアドレスをお知らせください。当日に会議URLをメールでご連絡します。
みなさまのご参加をお待ちしています!