「いま寄り添うためのことば」一覧

それぞれの方に、普通でない日常を送ることが降ってきた中で、たくさんの方から「いま寄り添うためのことば」に賛同いただき、寄稿していただきました。まずは、参加してくださったみなさん、そして関心を寄せてくださったみなさんに心から感謝を申し上げます。

新型コロナウイルスにまつわる状況を念頭から除外してもなお、いまの社会には人と人とがお互いに「寄り添う」ことが必要だと考えています。それは別のことばで言えば〈ケア〉ということになるかもしれません。私たちにはお互いの顔や息づかい、感情──つまり、存在を、感じることがあまりに少なくなってしまいました。そして政治なるものが分断を煽り、直接的な接触がタブーとされる〈新しい日常〉のなかで、この「いま寄り添うためのことば」企画は、「寄り添う」ことの形を、自分たちなりの〈ケア〉の形を考え直し、問い直す良い機会になったとわたしなりに考えています。

「寄り添う」ことについて、発起人であるわたしは、まず一義的には「やさしさ」を含むものと考えていました。今回の企画に寄せられた作品にはしかし、様々な感情が織りこまれていました。「やさしさ」だけが「寄り添う」ことであると考えていたわたし自身の頭の硬さを問い直されるという意味で、刺激的な機会でもありました。

今後も、佐々木樹さんのモンタージュ作品などの寄稿が予定されていますので、どうぞお楽しみに。また新しい「寄り添うためのことば」をお届けできる日まで、少し変わってしまった日々の感触をしっかりと確かめながら、「寄り添う」ことを一緒に考えつづけていければ嬉しいです。(工藤順)

——

創作

1 八木ひろ子「海辺の世界の物語」
https://note.com/yumemirukenri/n/nca92eedcf929

7 もう一つの椅子「犠牲」
https://note.com/yumemirukenri/n/n561388bf6e7a

8 井口政基「告白しうる真実」
https://note.com/yumemirukenri/n/n438e21cf8f6c

9 奥主榮「僕は迷子」
https://note.com/yumemirukenri/n/nf416cd8a737c

10 移動祝祭日『中庭』第1話「401号室」
https://note.com/yumemirukenri/n/n9cf25e186f79

11 あおきりょう「この怒りを奪うな」
https://note.com/yumemirukenri/n/nf0783e288def

12 砂漠で生きる「日曜日のコント」
https://note.com/yumemirukenri/n/nc9454e3d326e

14 杉浦朋美「Juntos」
https://note.com/yumemirukenri/n/nc2a559318c44

16 佐々木美佳「ゆりかご、光りの墓」
https://note.com/yumemirukenri/n/n59f439770dc9

18 ふじたみさと「外の空気をすいこむ」
https://note.com/yumemirukenri/n/ne1d73da1deb4

翻訳

2 パーヴェル・フロレンスキー(訳:工藤順)「1937年、ソロフキ。最後の手紙」
https://note.com/yumemirukenri/n/ne0bca6a8fb14

5 W・B・イェイツ(訳・佐取優太)「窓のそばにあるムクドリのねぐら」
https://note.com/yumemirukenri/n/nc619c5df19e2

13 イォシフ・ブロツキー(訳:工藤順)「(無題)」
https://note.com/yumemirukenri/n/n78bac6ca4aa3

音楽

3 “Easier” by Grizzly Bear
https://note.com/yumemirukenri/n/ne6857fe62270

4 原マスミ「海で暮らす」
https://note.com/yumemirukenri/n/nbebaf7ea72ef

6 “Used To Be Lonely” by Whitney
https://note.com/yumemirukenri/n/n2a9baa4be0d9

17 rain
https://note.com/yumemirukenri/n/naee19e93f40d

19 Lou Reed “Vanishing Act”
https://note.com/yumemirukenri/n/n4ae446d8da8a

その他

15 幽霊と光冠——最近見つけた寄り添うことば
https://note.com/yumemirukenri/n/n0f97537de55f