2780 コメ兵ホールディングス 決算分析
11/14に発表された証券コード 2780 コメ兵ホールディングスの2Qの決算分析を行いましたので分析内容について記載していきます。
1.事業内容
業種:小売業
名古屋を本拠に中古ブランド品販売トップ。法人向けオークションも積極的に行っている。
2.2Q業績内容
株探より通期予想と四半期推移を確認していきます。
〇通期予想
売上・利益ともに過去最高予想で、高い成長率を継続。
〇四半期業績_進捗率
売上50% (過去平均44%)
営業利益45% (過去平均32%)
経常利益45% (過去平均31%)
純利益44% (過去平均31%)
進捗率が良いので現状上方修正が期待されている。月次の数字も良いので売上は上方修正の可能性は高い。
株価は今年になってから上昇しているので、月次と進捗率から好決算が織り込みされているので注意は必要。
3.決算内容
セグメントは3つあるがブランド・ファッション事業が売上割合96%、営業利益割合97%でメインあるため、ブランド・ファッション事業のみ見ていく。
〇ビジネスモデル
個人買取or法人仕入で商品を集め、小売(店舗・EC)or法人(オークション)で販売を行う。
以下の点が重要
①良い商品をたくさん買取・仕入れできること
②在庫をためないこと。古くなると価値が下がり、減損となる。
③安く買取・仕入れして、高く売る(粗利益率が良くなる)
・個人買取、法人仕入れについて
個人買取の方が粗利益率は良い。
法人仕入れを活用している主な理由としては、店舗の魅力を維持するため。個人買取だけでは充足することができない人気商品を店舗在庫として確保するために、法人仕入(オークションや新品仕入等)で補っている。
・小売販売、法人販売について
小売販売の方が粗利益率は良い。
粗利益率に差が出る主な理由としては、
①小売販売の方が高く売れる傾向であるため。
②法人販売はオークションの手数料が発生するため。
法人販売をする理由としては、
①個人買取では、小売向きでない商品(たとえばデザインが古い等)やすでに多く在庫を抱えている商品、相場リスクの高い商品等も一定数仕入れることになる。
これらの商品は仕入れ後に、法人販売向けの商品として振り分けて主にBtoBオークション(自社・他社開催)で販売することにより在庫リスクを抱えないようにしている。
②店頭やECで1年以上滞留している在庫も、法人販売を活用することで、在庫の鮮度維持・効率化につなげている。
〇売上の内訳
・小売比率
小売:法人=50:50
→法人の割合が増えると売上高の伸び、利益率が悪くなる
・海外比率
10.3% 売上54億
→国内だけではいつか成長の限界を向かえるので、今後売上が伸びるか注目。
・国内免税比率
12.0% 国別でみると中国がトップで43.4%
→中国からの訪日観光客はコロナ前の水準まで、まだまだ戻っていないため今年訪日観光客が増えるなら企業側が想定していない成長が期待できる。
〇KPI
・買取客単価
今期はどの月も前年比でプラスであり、直近は右肩上がりになっている。
→単価が高い商品は高い価格で販売するので売上成長につながる。
・総流通量(GMV)、個人買取額
どちらも成長しているので事業規模が順調に拡大している。
・店舗数の推移
全店201店舗
2Q累計で17店舗出店で目標の30〜40出店達成見込み
→順調に増加している。
・在庫回転率、交叉比率
横ばいか少し改善傾向なので在庫コントロールをうまくやっている。
→大幅な棚卸資産評価損のリスク低い。
〇季節性について
・売上高、利益ともにやや下期偏重。
・第3四半期(クリスマス・年末商戦)は、小売が一番伸びやすいタイミングで、小売比率の上昇により、利益が出やすいクォーター。
・第2四半期、第4四半期は在庫の見直しで、法人販売比率が高まるため、利益率は低くなる傾向。
※相場変動により、商材構成比が変化することも利益率に影響を及ぼし、季節性を上回る場合もある
〇株主還元
配当性向20%を目指す方針。
〇懸念点
店舗数増加に伴う固定費の増加、社員数増加に伴う人件費の増加が来期に費用としてのしかかる。また来期も店舗数増加や採用を行うので採用費もかかるため利益率が低下する可能性が高い。
売上は今後も成長は期待できるが、利益の成長は鈍化しそうなので、今後利益率に注目したい。
4.まとめ
コメ兵ホールディングスの決算評価
今後の期待★★★★★
月次が好調、業績成長をしている企業で記事作成時はPER10で株価は下落して調整していたので、リスクが少なく、中国からのインバウンド需要など材料もあるため上値も狙えそうということで星5個としました。
※このnoteは情報提供のみを目的として提供しているものであり、特定の銘柄への推奨等を目的としたものではありません。 また、情報に基づいて生じる一切の損害についても責任を負担しません。 最終的な投資の意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。
以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!