英国で移民に混じって勉強してみた話 1

もう10年近く前のこと、
夫にくっついてイギリスのヨークシャーの都市に2年住んだ。

海外に住むことは、私にとって、
あまり嬉しくないことだった。
だからこそ、この滞在が自動的に意味のあるものになるシステムを考えた。

子供が2人いたが、
私と一緒にいたのでは、英語は身につかないと思い、2人とも保育園と小学校を手配。

これで子供は大丈夫。勝手に英語だけでも習得するはず。

あとは私だ。とりあえず、語学。
語学学校にいこう。
とはいえ、学生さんが通うような本気の学校は避けたい。一応主婦だし、子供のお迎えもあるし、高額投資もできないし、あんまり勉強必死でやりたくない。
楽しそうな英会話スクールへ行こう!
イメージは、セレブな駐在の奥様が通うオシャレな学校。お友達とか作ってお茶とかしたい!

ネットで検索した。

なかった…ロンドンならいざしらず、
田舎にはなかった。

引越したあとも探したが、やっぱりなかった。
あるはずもない。駐在妻なんかいなかった。

そんなこんなで、やっと探した、なんかの公な機関がからんでいそうな語学学校へ行くことにした。

私はテストを受けた。

先生は年配のおばさん2人で、私の英語力の判断に困っているっぽかった。
1人がやってきては、
いつ来たの?
とか、なんで来たの?とか聞いては奥にゆき、
ヒソヒソ相談していた。
この前は他のEUの国に住んでた?と聞かれたが、あいにく住んでいなかった。

先生達はすごく気の毒そうに私を見た。
授業料高くなるの、と。
授業料はもちろん調べ済みだった。年間で10万円ほどだから高いとは思っていなかったので、
大丈夫だと答えたら先生達は安堵してくれた。

私はなんとか英語力を認めてもらえたようで、上の方のクラスに入れてもらえたが、先生達がクラス分けに困っていた理由もすぐにわかった。

クラスメイトは5人くらいのイラン人と、歴史的経緯で多くの移民がいるイエメン人のご婦人が数人、韓国人のおじさんとフランスの女の子が1人づつ。あとアフリカ系と見える女性と、ポーランド人数人。けっこう多い。
このメンバーで週3回半日英語を勉強するのだ。

わたしの隣に座ったイラン人の奥さんが話しかけてくれた。

何年イギリスに住んでる?
と。
先月イギリスに来ました。
と答えた。
そして、皆さんは?と聞くと、近くにいた人達が教えてくれた。

10年、15年、私は7年。

びっくりした。
長っ!みんな、住みすぎちゃう?と思っていると、みんながベラベラ英語で話し始めたのだ。
普通にベラベラだったので、わたしは焦った。

なぜこの人たちが英語学校にいるのかわからなかったが、そこは、移民のための就業に必要な資格取得のための英語学校だったのだ。

奥様の英会話スクールと真逆といえるが、
結果的に、貴重な経験をできて楽しかった。

ちなみに、なぜ先生方が私の英語力判定に困っていたかというと、
喋れないのにやたら筆記テストができる、日本人の悲しいギャップのせいであったと思われる。

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