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いいよいいよ許せないことは許さないままで

「コイツ愚痴ばっかなんですよ〜」
数ヶ月前の職場の飲み会で言われた一言が忘れられない。

言ったのは同僚の女性。
他の課の上司が私と交流をしようと隣の席に来てくれたときに、彼女が私を紹介するような口ぶりでこう言ったのだ。
酔っていたであろう上司も、周りの人達も、もちろん私も、反応に困って一瞬黙り込んでしまった。

契約がどうなるかわからない状況だったり、当時の上司と合わなかったり、その頃の私はとんでもなく不安定な状況だった。
だから愚痴は確かに、彼女に話したことがあったので嘘ではないのだけど、だけど、!!

なにその最低の紹介〜〜〜〜????
ていうか
お前も!よく愚痴言うてるよな〜〜〜〜?!??!

なんならその場にいた年下の社員の悪口を、私と二人のときに言い出だしたのは彼女のほうだ。
ただ恐ろしいことに、彼女は自分が愚痴や悪口を言ったことを忘れている。
私からしたら信じられないけど、きっと不思議なくらいにきれいさっぱりと。
きっとこの発言も彼女は覚えていない。
酔っていたからとか関係なく、普段から彼女は自分の言ったことを覚えていないことが多い。

彼女はそれまで職場でもよく話をしたり、プライベートでも遊びに行くくらい交流があった人だった。物怖じせずいつも堂々としていて、姉御肌気質の彼女を頼もしく感じるときもあった。
ただ、親しくなるとともにどんどん違和感が強くなってくる。
人の話を遮って勝手に解釈し、アドバイスや説教をするところ。
隙あらば肩書きや交友関係でマウントを取ってくるところ。
私の親しい人やコミュニティに関して否定的なことばかり言うところ。
発言に一貫性がなく、言うことがころころ変わる、というか言ったことを覚えてすらいない。
あとシンプルに口が軽い。
これは今の職場の人達が結構そんな感じ、口が軽い。

そういった面に気づき始めてから、彼女に、というか職場の人に、愚痴どころかプライベートな話もしないようにしていた。はずだった。
けど、まあ、遅かったわ〜〜〜〜〜!!!
一回でも「今、こういう状況でしんどいんだよね…」って言ったからには、もう、彼女の中で「私がいつも愚痴を聞いてあげてる、アドバイスをしてあげてる子」として認識されてしまうんだな、と勉強になった。ヤな勉強だこと。

冒頭の一言があってから、彼女とは少しずつ距離を置かせてもらっている。
彼女も私に思うところがあったのか、割とスムーズに疎遠になれた。
きっと今頃、彼女は色んな人に私のあることないこと吹聴していることだろう。

私はますます、職場の人にプライベートなことや、内面的なことを話すことをしなくなった。
だけど、それでいいのかもしれない。職場だし。

彼女を見ていると姉を思い出す。
偉そうで、恩着せがましく、いつも人を馬鹿にしていた姉。一回り年下の私に対抗心を燃やして、両親や私の友人、恋人にまで私の悪口を言っていた姉。
20歳のときに喧嘩して以来口を利いていない姉。
もうこんな人間とは関わりたくないなぁと思いながら生きてきたけど、姉と会わなくて済んでいるぶん、姿形を変えて姉のようなモンスターが不意に現れることがある。

そんな姉や上記の彼女をゆうに上回る、本当にめちゃくちゃなモンスターエステティシャンに出会ったのだけど、その話はまたいつか。



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