しーちゃんのゆめ
5月の連休中は、あーちゃんの家にお泊まりに来ました。
しかし、ママだけは土曜出勤のため、金曜日の夕方に帰宅し、また土曜日の夜に来る事になりました。
しーちゃんがあーちゃんの家に、一人でお泊りするのは4年ぶりです。
ママは少し心配そうでしたが、しーちゃん本人は全然大丈夫でした。
その日も、いつも通りに夕飯を食べ、お風呂に入って寝る準備をしました。
いつもと違うのは、あーちゃんと一緒に寝る事です。
部屋の電気を消してスタンドの明かりだけになると、しーちゃんがあーちゃんに言いました。
「しーちゃんね、ひろがるスカイ!プリキュアのゆめがみたいんだぁ~。でもね、みれないの・・・」
毛布にくるまって、もぞもぞ動くしーちゃんから、小さなため息が聞こえました。
すると、あーちゃんはいいことを思い出しました。
「どうして見れないのかな?お願いしたら見れるんじゃない?」
「ええ~っ、おねがいしたらみれるの?」
「そう、おまじないをして、お願いすればいいんだよ」
「おまじないって?」
「それはね、見たい夢の写真とか絵を枕の下に置いて寝るの」
しーちゃんは、聞きながら頷いています。
しかし、
「ひろがるスカイ!プリキュアのぬりえしかないよ。まくらのしたにおいたらきたなくなっちゃうー!」
「そっか、それなら紙に書いてお願いすればいいよ」
「うん!そうする!」
しーちゃんとあーちゃんは起きあがり、リビングに行きました。
あーちゃんは白い紙とボールペンを持ってくると、『ひろがるスカイ!プリキュアのゆめがみれますように』と書きました。
それから寝室に戻り、しーちゃんはそれを枕の下に入れると、目を閉じました。
しかし、
「ドキドキしてねむれない!」
と、しーちゃんが言い出しました。
「ああ、どうしよう!ほんとにひろがるスカイ!プリキュアのゆめ、みれるかな?ひろがるスカイ!プリキュアにあえるかな?ああ、ドキドキする。そうだ!とちゅうでめがさめたらどうしよう・・・あーちゃん、どうしたらいい?」
「大丈夫。そんな時は、直ぐに目を閉じて、『続きが見たーい』と思いながらもう一度寝ると見れるから」
「あーちゃんも、そうやったらみれた?」
「うん。見れたよ」
「そっかあ、わかった!」
「トントンしてあげるから、おやすみ。」
「うん。おやすみ」
翌朝・・・・
「あーちゃん、ひろがるスカイ!プリキュアのゆめ、みれなかったよ・・」
「しーちゃんが忘れているだけだよ。『ひろがるスカイ!プリキュア最高!』って寝言を言ってたよ。夢って、覚えてないことの方が多いからね」
「そっかあ」
しーちゃんはにっこり笑って、枕の下のメモ書きを取り出しました。
また何度でも、ひろがるスカイ!プリキュアの楽しい夢が見れるといいね。
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