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「ノンタイトルZ」から見えた「組織論」

トップダウンかボトムアップかについてお話しします。状況によって、どちらが適しているかは変わるものと考えています。

ノンタイトルZについて

最近、興味深い動画を見ましたのでご紹介します。それは「ノンタイトルZ」というYouTubeの動画です。現在(2025年2月2日時点)、特別版として3話ほど公開されています。

この番組では、3人~5人のメンバーが2チームに分かれ、事業プランを提案します。今回は3人で、リーダーが事前に決まっており、メンバーの選定から始まる形式でした。このチーム構成が、トップダウンとボトムアップの違いを示している点が興味深いです。

1つ目のチームは、30歳前後の起業家が集まったグループ。メンバー同士がフラットな関係で、意見を出し合いながら議論を深めていくスタイルでした。

一方、2つ目のチームは、40代の起業家、30代の起業経験者、そして20代の未経験者で構成されており、リーダーが指示を出しながら進めるトップダウン型。

トップダウン型のチームでも、リーダーがメンバーの適性を見極め、適切な指示を出していました。そのため、一方的に命令するのではなく、メンバーの意見を尊重しながら進める形。これを見て改めて感じたのは、ボトムアップも一定程度必要だということ。

もし、誰も自主的に動かず、考える人がいない場合はトップダウンが適しています。しかし、メンバーが考える力を持っているなら、ボトムアップの方が良い場合もあります。30歳前後のチームは、それぞれの能力を活かしながら進めていたので、ボトムアップ型が機能していました。

トップダウンで気をつけるべきこと

ただし、トップダウンの際も注意すべき点があります。リーダーは、メンバーの意見を聞き、現場感を持つことが重要。現場を把握せずに戦略を決めると、後で問題が生じる可能性があります。

例えば、リーダーが独自に戦略を立てても、メンバーが共感しなければ、やる気を失い、結果として離脱してしまうことも。

新しい取り組みを始める際には、まず相手を知ることが大切。多くの人が30分~1時間の面談で把握しようとしますが、それでは不十分。最初の段階では、現場に長くいることで肌感覚をつかみ、深く理解することが求められます。

現場との乖離があると、戦略が空回りし、メンバーの信頼を失うこともあります。そのため、トップダウンでもボトムアップでも、必ずメンバーの意見を聞くことが重要です。意見が多様になることで、納得感のある結論を導きやすくなります。

一方、少人数のグループなら、メンバー全員で完結する形もあり得ます。今回のように3人で構成されている場合、それ以上メンバーを増やす必要はないかもしれません。

また、自分のアイデアに自信を持つことは大切ですが、他者の意見を受け入れる姿勢も必要。ブラッシュアップにつながる意見であれば良いですが、価値観の違いによる衝突は、不要なコミュニケーションコストを生むこともあります。

トップダウンの利点

トップダウンの利点として、リーダーが優秀であれば、自分の知らない世界を教えてくれることがあります。ボトムアップ型では、個々のレベルの範囲内でプランが生まれますが、リーダーが広い視野を持っていれば、より大きな目標に到達しやすくなります。

例えば、年商100億円を目指す企業では、10億円規模の経営者だけで計画を立てるのは難しいかもしれません。一方、100億円規模の経営経験があるリーダーが指揮を執れば、より現実的な戦略が描ける可能性があります。

ただし、ボトムアップ型でも新しい発想が生まれることはあります。どちらのアプローチが適しているかは、状況によって異なります。そのため、トップダウンとボトムアップのバランスを意識し、柔軟に対応することが重要です。


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