投資家が知っておきたい株主価値とは?魅力ある割安成長株の探し方
こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。
株式投資で銘柄の探し方はいくつかありますが、基本的には会社四季報に目を通して、
・業績がよい(売上・営業利益ともに毎年成長している)
・PERが割安
・チャートの形が上向き
この3点がクリアしているかを、最初にチェックして候補株を選んでいます。
株式投資は、本来の価値より割安な状態で買って、その価値にまで上昇したところで売却するのが基本です。その割安度を確認するために、PERがよく使われます。PERは業績面で見た割安度合が分かる指標ですが、そのほかに、株主価値を計算することで、割安度がより分かります。つまり、株主価値を計算する方法が分かれば、よりよい銘柄を探すことができるチャンスも広がります。株主価値の計算方法を解説します。
株主価値とは?
株主価値とは、将来に渡って業績が成長することを前提に、その企業が持つ資産面も含めてどのくらい割安かが分かる指標です。PERとの違いは、PERが業績面で見た割安度合を確認する指標であるのに対して、株主価値は、業績だけでなく資産面も含めているというのが違いです。また、株主価値は、企業がM&Aをするときの買収価格とも言えます。
計算式は、
営業利益×70%×10年…①
流動資産-流動負債+投資用有価証券…②
①+②=株主価値
となります。
①が業績が将来(10年)に渡って成長することを前提とした数値です。営業利益の70%となっているのは法人税が引かれるためです。
②は、現在の企業の資産がいくらであるかを表しています。
事例を使ってみてみましょう。
上の画像は、中央自動車工業(8117)という企業の株主価値を計算したシートです。2023年3月期の決算短信を見ながら計算しています。
上から順番に、
将来価値 営業利益83.6億円×70%×10年=585.2億円…①(黄色のライン)
資産価値 流動資産237億円-流動負債60.3億円+投資用有価証券132.7億円=309.4億円…②(黄緑のライン)
①+②=894.6億円(水色のライン)
894.6億円が、中央自動車工業の株主価値となります。
同社の20年5月30日現在の時価総額は、633億円(ピンクのライン)です。
時価総額は、
5月30日現在の終値3160円×発行株式数20,020千株≒633億円
で算出しています。
つまり、本来は、894.6億円の価値があるのに対して、現在633億円で市場からは評価されているということです。つまり、同社の適正株価は、
株主価値894.6億円÷発行株式数20,02千株≒4469円(緑のライン)
4469円が適正株価ということになります。
同社の業績は2021年から2024年で年率平均18%成長しています。株主価値で考えても割安、かつPER15倍でも5304円(茶色のライン)
ですので、資産面から見ても業績面から見ても、十分割安と考えることができます。
まとめ
・株主価値は、本来の企業価値の価格。M&Aでの買収価格。業績面と資産面で見た割安度合が分かるので、銘柄選択の幅が広がる。
・現在の株価が、株主価値より低い場合は、本来の株価でないことを表している。
・計算式は、営業利益×70%×10年+(流動資産-流動負債+投資用有価証券)
超初心者向けの無料メルマガをやっています。四季報の読み方の動画講座や、用語集など他プレゼントつきです。登録お待ちしています。
無料メルマガ 「株好きFPかたやま りえの楽しい株WORLD」
以下のメルマガでは、自分軸で投資したい方に向けて、銘柄の選び方、取引タイミング、定量分析、定性分析の他、私の取引をお伝えしています。本記事で取り上げた画像のスプレッドシートも共有しています。こちらも、ご興味ある方はのぞいてみてくださいね。
有料メルマガ「株好きFPかたやま りえの株式投資ときどきマネーの話」
※本記事の銘柄は、推奨銘柄ではありませんのでご自身で判断お願いします。
*参考資料
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?