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決算好調なのに株価下落!? M&A総研HDの事例から学ぶ株価変動の理由と対処法

こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。

2024年7月30日に M & A 総研ホールディングス(9552)の2024年9月第3四半期決算が発表されました。

M & A 総研ホールディングスについて知りたい方は記事はこちらもどうぞ。

業績は、売上高は前年比101.5%プラス、営業利益は94.4%プラスで文句なしの内容です。しかし、翌日の7月31日の株価は9.72%の下落率でした。

決算の内容が良くても、株価が大きく下落することはよくあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?一般的によくあることを解説し、今回の M & A総研の事例ではどんなことが要因であるか考えてみましょう。

決算がよくても株価が下がる理由

決算がよくても株価が下がる理由はつぎのようなものがあります。

①材料織り込み済み
②市場が決算以上の業績を期待している
③前年比では成長していても前期比では成長が鈍化していない

順番に解説します。

①材料織り込み済み

前回の決算の内容がよいことで株価が上昇していた場合、今回発表された業績も同じように業績がよかった場合は想定通りだったと判断され、これまでの利益を確定するために売られることがあります。特に第3四半期に多くの企業で上方修正の発表があります。第1、第2四半期の進捗率が当初の業績予想より良ければ、年度も終盤になり、業績の予想がはっきりしてくる第3四半期に上方修正を発表することはよくあるからです。そのため、すでに織り込み済みとして売られることも多いです。このパターンはすでに来期の予想を市場が識りたがってきるため株価も方向感がないことが多いです。

②市場が決算以上の業績を期待している

上方修正の発表をこれまで何度も繰り返している場合、市場はさらなるサプライズを期待するようになります。その期待に届かないことで売られることがあります。

例えば、昨年、業績が順調で、第2四半期に上方修正をしていた企業で、今期の第1四半期も好調だった場合、第2四半期で昨年同様上方修正があるかもと期待がかかるのです。しかし、第2四半期の業績自体がよくても上方修正の発表がなかった場合、市場はがっかりして株価が下がるようなケースがあります。

③前年比では成長していても前期比では成長が鈍化していない

決算短信は、前年同期比で業績が比較されるのですぐ見抜けませんが、今期の売上高から前期の売上高、今期の営業利益から前期の営業利益をそれぞれマイナスすることで確認することができます。これで成長が鈍化していると判断されますので売られます。

ただし、季節性のある銘柄は例外です。季節性とは、ビジネス特有の繁忙期です。例えばライフドリンクカンパニー(2585)はお茶や水の飲料メーカーですので、夏の暑い時期の売上が比較的大きくなります。このような特徴がある場合は当てはまりません。

以上が一般的によくある理由です。

では、M & A 総研の株価下落の要因はなんでしょうか?

M & A 総研はなぜ株価が下落したのか?

個人的には、①の業績織り込み済み、または②の市場の期待かと思います。

まず、2023年9月期本決算で発表した2024年9月期の業績予想と、2024年9月期第1四半期決算がサプライズ決算となり株価は急上昇し、2023年11月初旬から3月上旬までは株価が上昇トレンドでした。しかし、3月に社長の株式売り出し発表をきっかけに一気に状況が変わり、現在まで下落トレンドが続いています。そして、今回の第3四半期決算を迎え、問題のない良い決算でしたが、株価は下落しました。おそらく、今回の決算も良い決算であるというのは市場も想定していたと思います。

そして、市場は上方修正も期待していたかと思うのです。というのも2023年は、第3四半期決算時に上方修正を発表し、2022年は第2四半期と第3四半期に2回の上方修正を発表しています。それなのに、今回は進捗率が良いのにも関わらず上方修正の発表をしなかったということも、市場の期待に答えられていないと感じました。

決算通過する場合の持ち株の対処法

決算発表後は株価が大きく動きます。このようなケースにどのように対応すれば良いのでしょうか?

1つは、大きく下落することが不安な場合は全て売却するか、または200株以上保有していれば半分は残すようにします。

もう1つは一定の水準まで下がったな売りの逆指値に注文が発動するようにしておくことです。

私自身はこれまではポジションを減らすなどをして対応していましたが、最近は決算前にポジションを減らすことはせず、そのまま保有を継続しています。経験上感じることは、「慣れ」だと思います。大きく株価が動いて資産が減ることに不安やストレスがありましたのでポジションを減らしていましたが、最近では全くストレスがないわけではありませんが、株価が大きく動くことにも慣れてきましたので、特にポジションを減らすようなことはしなくなりました。

大きく株価が下落してどうしていいかわからず、そのままにしてしまうということだけは避けてくださいね。いずれ株価が戻るかもというのは誰にも分かりません。 必ず上記のように対策を取っておきましょう。

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