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何とか耐えた3年間

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令和6年4月に京都精華大学芸術学部へ進学する手塚茉結子さん。この上島町で過ごし、弓削高校で学び、ゆめしま未来塾で成長した3年間がどんな日々だったか、そしてその先にどのような未来を描いているか、聞きました!

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弓削高校を進学先に選んだ理由は何ですか?

 学習指導が整ってるかなと思ったからです。職員室の横にいつも机を置いていて、いつでも個別対応できますということを聞いていました。本州からのアクセスが良かったことも理由の1つです。初めて学校見学に来たときに松原海岸をすごく気に入って、この景色の中で生活したいと思いました。

実際に進学してみて、どう感じましたか?

 正直なところ、厳しい現実もありました。まず、文化が違うことに衝撃を受けました。例えば、体育の授業で集団行動というものがあり、初めての体験に衝撃を受けました。
 県外生として暮らしてみて大変だったことは、学校から求められることが、町内から入学した人も、県外から入学した人も、変わらないということです。例えば、一人暮らしで朝起きるのが辛くて、遅刻してしまうことがあっても、一人暮らしであることは関係なく、平等に注意されることです。そのため、朝、親に電話してもらったり、自分自身で気持ちを強く持つように意識していました。

 少人数である弓削高校にも、メリットとデメリットがあります。
 メリットは、生徒の理解度を確かめながら授業を進める先生が多かったことです。
 デメリットは、人数が少ないからこそ、全体の行動についての指導が多いことです。一人の行動が異なってしまうと、それに引っ張られて全体の雰囲気が乱れてしまうことが多いからです。

 その他については、学校の校則について教員を交えて、学年関係なく話し合う、生徒総会がすごく画期的であると感じました。そもそも愛媛県は校則が厳しいという傾向を感じるので、愛媛県内の他の高校と比べると、生徒のことを考えた仕組みになっていると感じました。また、高校生活においては、自分を受け入れてくれて、協力してくれるような友達に出会えて、良かったと思っています。
 生活面のことで言うと、現在は、島親の制度が充実していて、夕食は島親さんが作ってくれて、お弁当か、島親さんとの会食を選ぶことができ、県外生同士のコミュニケーションをする場にもなっていて、ありがたいと感じています。

1年生の時、休み時間でのおしゃべり(左)

弓削高校・上島町・ゆめしま未来塾で過ごした3年間は手塚さんにとってどんな時間になりましたか?

 大きな学びになりました。人間関係を一から作っていく過程や、地域のつながりを感じる中で、田舎暮らしをすることは思っていたよりも難しいと感じました。高校生活で言うと、歯を食いしばって登校するような時期もあれば、楽しくて自然に学校に通える時期もありました。塾は、3年間を通して、生活や勉強の支えになりました。

一番頑張ったことは何ですか?そこからどんな学び・気づきがありましたか?

 一番向き合ったなと感じていることは、勉強です。中学生の頃は不登校の時期があって、学習に遅れがあったので、高校の勉強と並行して、その遅れを取り戻すことがとても大変でした。その勉強の過程で、自分は今まで過去の自分を覆そうと必死になっていましたが、それによって、過去の自分は消えるわけではないので、将来のための勉強をしたほうが良いと気づきました。

塾で黙々と勉強に励む手塚さん

進路についてはいつ頃からどのように考えはじめ、どう決めましたか?

 中学校の頃は美術部に入っていて、絵を描くことが好きでした。2年生の終わり頃に、面白いかなと思って、芸術系の大学への進学を考え始めました。絵の技術がなくても受験できる仕組みと、入学してから専攻が分かれるカリキュラムがいいなと思い、大学を選びました。

弓削高校やゆめしま未来塾からの進路サポートでよかったことは何ですか?

 高校の先生は、公募推薦のときに小論文の指導を個別に対応してくれました。
 塾では、総合型選抜の時に、高校にはいない美術の先生と会わせていただいたり、美大予備校を紹介してくださいました。また、試験対策として作品を作ってプレゼンをする時に、公営塾の講師にコメントをいただきました。自己推薦書を作成するときは、一から指導していただきました。

塾で友達と勉強(一番手前)

大学ではどんなことに挑戦してみたいですか?

 水木しげるの漫画を全て読破したいです。また、大学が京都にあるので京都のお寺を巡りたいです。大学では、写真の勉強をしたいと思っています。

最後に、今、高校進学について悩んでいる中学生のみなさんへ、手塚さんからのエールをお願いします!

 地域みらい留学を通して進学する高校は、ローカルルールも強く、文化も異なるので、あくまでもチャレンジだと思って入学を検討することが大切なことです。辛かったときに離れられる場所を見つけられるように、入学する前に親と相談することも必要です。
 現地の人と打ち解ける心や態度は、身につけられるといいですね。自分から動かないと、周りは動いてくれないし、相談事なども自分から伝えないと理解してもらえないことがあると思います。

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