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「愛される人になるコツ」

感謝という言葉は、中国語で「シェイシェイ」とか「シエシエ」という。

字にすると「謝謝」と書く。
 

そういえば私は間違って「射射」と書いてしまったことがある。

射射ってなんだ…エロ漫画とかで男性が「うっ!!射射!!」とか言うのだろうか。なんて誤字だ…
 

一応調べてみたのだが、似たような中国語で「射爆了(シャーバオラ)」と言うものがある。

使い方としては、エロ漫画などで男性が「うっ!!もう射射ー!!…ふう…射爆了」という風な感じだ。

詳しくは調べてみてほしい。即射爆了我他媽射爆といった活用もありなかなか深い。
 

さて、射射…じゃなくて謝謝といえば、私が常日頃から感謝している人がいて、それは妻である。

妻とは大学生の頃からの付き合いで、いつだってどんな時だって私の出す無理難題に応えてくれた。

ということで今回は感謝の意を込めて、

私が過去に妻に借りたお金の額を整理していきたいと思う。
 

1、食費&雑費:毎月3万円くらい × 4年間

大学生の時、当時の彼女が私の家に居候を始めた。
 

なんでも実家の居心地が悪いんだとか。
 

同じ屋根の下に彼女がいる日常も悪くないと思い私はそれを快諾。すぐに一緒に暮らし始めた。
 

そんな時に大学のサークルの都合で、私は毎週金曜日に飲み会に参加しなくてはいけなくなった。
毎回4次会くらい…つまり基本的にオールで飲み会をするため、学生の私には手痛い出費となった。
 

酔い潰れて路上で倒れ、その間に財布から現金全部を盗まれてしまうなんてこともあった。

せめて100円残してくれれば自動販売機で酔い覚ましの水を買うことができたのだが、それすらできなくて公園のトイレの手洗い場の水を飲んだのは良い思い出だ。なんで水道で飲まなかったんだろう。
 

しかもアルバイトをよく寝坊でクビになっていたため収入も低く、頼りなのは親から毎月送られる仕送り6万円のみだった。
 

そんな時一緒に暮らしている彼女が、「あたし居候だし、なるべくお金出すよ」と言ってくれた。
 

なんて良い子なんだろう…まさかこれが彼女の地獄の始まりだと知らず。
 

彼女は当時やっていたセブンイレブンのバイトを変更し、家庭教師・ケーキ屋・日雇いティッシュ配りなどの複数業種をかけもちながら懸命に働いた。

奨学金の返済も200万円以上あるため、それも考慮するとほぼ毎日働かなければいけなかった。

一方私はロクにバイトもせず、毎晩明け方まで友達と通信ゲームをし、金曜日はオールで飲み会をして、早朝に帰ってきて彼女に家事を任せて布団に潜り込むといった毎日を送っていた。

彼女はバイトが忙しすぎてトイレ休憩すら取れず膀胱炎になってしまったというのに、私はぬくぬくと彼女の購入した食材で作られたご飯を食べていた。

彼女は彼女が購入した洗剤彼女が購入した食器を洗って彼女が購入した布巾で水を拭いていた。

彼女が我慢できず怒った時は、精一杯「ごめんなさい」を言うことでなんとかしていたのであった。
 

これが本当の「謝(シャ)ーマンキング」…
 

2、引っ越し代:3万円 + 新生活用の家電代:13万円

私と彼女は無事大学を卒業し、新社会人となった。

どうせこれからも一緒に暮らすだろうと思い込んでいると彼女から思わぬ提案があった。
 

「一緒に大学生活を送ってみて、あなたにはかなり失望しました。
でもなんだかんだ思い入れがあって別れることも抵抗があるし、仕方ないからあと1年同棲してみて、それから今後お付き合いを続けるか考えさせてください。
 

確かに…私がぐうたらなせいで年々彼女の態度が冷たくなっている気がしていた。

いい加減私も良いところを見せなくては!
 

「わかった。俺会社でエースになって多分年収1000万円くらいになるから、それでいっぱい恩返ししてやるよ。これからもよろしくな!
 

精一杯かっこうをつけてみた。後に嫁から、「この発言を聞いた瞬間別れようかと思った」と言われた。
 

続けて私は当時抱えていた課題と悩みを彼女に打ち明けた。

「次の俺たちの新居、照明とエアコン無いじゃん。やばいじゃん?

だから…俺照明買うからさ(5000円のLED × 3個)…
 

お前エアコン買ってくれ(本体100000円 + 工事費30000円)

あと俺金無いから代わりに引っ越し代払ってくれ(30000円)」
 

少しの沈黙の後、彼女は笑顔で「いいよ」と言ってくれた。目は笑顔ではなかった。
 

ちなみに私は会社でエースになるどころか半年で退職した。
 

3、クリスマスケーキ代(毎年)

カップルの一大イベントといえばやはり「クリスマス」であろう。

特に彼女が大好きなのが「クリスマスケーキ」だ。本当に女はスイーツとオムライスが好きだぜ全く。(偏見)

私はこれといって興味が無かったので、毎年ケーキは彼女が買っている。

食べると案外美味しいので、毎年無料でクリスマスケーキが食べられて私は幸せです。
 

4、ギャンブル代:15万円

ここまで本文を読んで下さっているあなたからしたら信じられないことだと思うが、ついに私は彼女と結婚した。

そして新婚さんになったのも束の間、妻のお父さんから驚きの命令を下された。
 

「早く結婚式を開け」
 

お父さん曰く、若造はチンタラしてるとめんどくさがって結婚式を開かないからさっさと開けとのことだった。偏見にも程がある。
 

結婚式とは具体的にどんなものだろうと思いゼクシィを読んでみると、なんと平均で300万円もの費用がかかるというではないか。
 

妻は貯蓄が多少あったが、私はというとすぐに会社を辞めてしまうわ薄給だわで口座残高は悲惨なものであった。
逆立ちしても300万円なんて額は賄えなかった。
 

私は必死に考えた。この状況を打開する方法は無いか…

そんな時に閃いたのだ。
 

そうだ、ビットコイン買おう

 

どうか私のことをクソ人間と思わないで欲しい。本当にこれしか手が無かったのだ。頼むからブラウザバックしないでくれ。
 

しかし先ほど書いたが、私の貯金はほとんど無く、そんな低額でビットコインを買ったところでちょっとしか稼ぐことができない、そのため…

私は嫁に頭を下げた。
 

「ビットコインを買いたいので15万円貸してください」


 

絶対貸したくなかっただろう。

だが結婚したばかりで空気を悪くしたくなかったのだろう…妻はしぶしぶ15万円を私の口座に振り込んでくれた。

ちなみにその後ビットコインはしっかり上昇し、300万は無理だったけれども、私たちは無事小さな結婚式を開くことができたのであった。15万円もしっかり返した。

もし減っていたら光の速さで離婚されていただろう…ありがとうビットコイン…。
※税金の処理はしっかりやっていますのでご安心ください
 

5、新生活用の引っ越し代:8万円 + エアコン4台:30万円 + ドラム式洗濯機:30万円 + ルンバ:10万円 + その他家具:10万円 + ローン

私と妻は一軒家を買うことを決意した。

やはり大人の贅沢といえば一軒家。胸が熱くなる。お金無いから中古しか買えないけど。
 

しかし毎度のことながら問題があり、私はこの時もう会社員ではなくなっていた。
働くことに疲れたのである。
かっこよく言えばフリーランスに転身したのだ。

フリーランスといえば必ず付き纏う、「お金が借りられない問題」の登場である。

そんな時はやっぱり妻の出番。
 
 

「俺の代わりに2500万円のローンを組んで家を買ってください!!」
 

とお願いした。

ここまで付き合いが長いともう慣れっこの妻は「かしこまり」と言い、2500万円の借金を背負ってくれた。やはり持つべきものは妻である。
 

調子に乗った私はさらに

「お金無いから引っ越し代とエアコン代と、憧れのドラム式洗濯機とルンバとソファを買ってください!!!!」

とお願いした。

妻は舌打ちしながら「お前絶対返せよ」と言って全額支払ってくれた。

アタシ…しゃーせだよ…💓(その後しっかり搾り取られた)
 

6、猫:25万円 × 2 +猫のトイレやエサ代

「俺猫飼いてえ」と言ったら飼ってくれた。ありがたい。

「1匹じゃ足りねえからもう一匹欲しいわ」と言ったらしぶしぶ飼ってくれた。大変ありがたい。

檻やエサ・トイレも買ってくれたので、今度ちゃおちゅーるでも買ってやろうと思う。
 

7、土地:160万円

「俺絶対金持ちになるから160万円貸してくれ」

と言った時は、妻も今までで一番嫌な顔をした。
 

どうしても不動産投資がしたかったのだが、私の持ち金が少ないため妻に借りるしか無かったのだ。

「お前絶対耳揃えて全額返せよ」と言い、私に160万円という大金を貸してくれた。

だがスマン…購入した物件の修理に400万円借金してしまったから妻に返せるのは10年くらいになりそうだ…その代わり必ず幸せにすっからよ。赦せ。(赦されない)
 

未来へ

 
改めてこのように今までの借金を書き連ねていくと、

自分がびっくりするくらいのクズでびっくりした…。
 

本当に妻にはいつも迷惑をかけてしまっているなと痛感した。

たまにはありがとうの一言でもかけようかな。
 

でも感謝の言葉って

いざ口にするとなんだかちょっと照れくさい

だからそんな時は中国語で言おう。

「射射💓」

  

劇終


テキスト:西山はるか
編集:きくちかずとし


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