自然発酵でピクルスを作った話
初めて実際に作ったのは去年の話で、今年は漬け終わったタイミングでのnoteになるんですが、私、実は生のキュウリが嫌いです。サンドイッチに挟んであるキュウリを除いた後にパンに染みてる汁の香りさえ苦手で、同じ瓜系のスイカやメロンも好んでは食べないくらいなんですが、ピクルスだと大好きなんです。
しかし、どうもピクルスに使う酢の匂いが無ければもっと良いなと思っていて、これはワインビネガーやリンゴ酢を使えば解決する話でもなくて、私はきっとあまり酢が好きではないのでしょう。酢が嫌いだから酸味が嫌いなわけではなくて、要はその感じ方なのだと思います。
そんな中で、実は欧米でのオーセンティックなピクルスは酢を使わないと聞きました。そう言えばザワークラウトなんかは思いっきり乳酸発酵ですし、酸っぱくなった日本の漬物やキムチなんかも、乳酸発酵ですよね。
さて、作り方なんですが、4%の塩水とスパイス、ハーブ、ニンニクなんかを入れるだけなんですが、何より正しく乳酸発酵するかどうかが問題なわけですよ。
乳酸発酵は空気がない環境を作らないといけないから、密封できる容器を用意し、しっかり洗剤で洗って、煮沸消毒とかアルコール消毒することがまず第一なんです。
今回使用するキュウリはこちらです。
奈良県の農家さんから通販で買いました。この手のキュウリはお店にはあんまり売ってないですよね。
漬け汁4L分のレシピと言うと、上4つはだいたい大さじ1で適当なんですが、
ブラックペッパー
マスタードシード
コリアンダーシード
ディルシード
ローリエ10枚
赤唐辛子種抜き10本
葉ディル 好きなだけ
クローブ5個
カルダモン5個
オールスパイス5個
塩160g
こんなとこですかね。
参考になるのかわかりませんが。
これを全部鍋に入れて、よく香りが出るまで煮ます。
これを冷ましたら、よく洗ったキュウリを容器に入れて、汁を注ぎます。
正しく乳酸発酵してほしいので、容器の満タンまで漬け汁を入れるんですが、炭酸ガスと一緒に汁が漏れてきますので、受け皿を容器の下に敷きましょう。
上の白い蓋はキュウリが浮いてこないように押さえるシリコンの落し蓋です。
この季節だと3日もすれば、前述のとおり発酵時の炭酸ガスのせいで汁がどんどん漏れてきます。
でも、これすごく美味しそうな匂いがします。
そして、この季節なら1週間〜10日間くらいですかね。
ちょっとこれ大丈夫なのかな?ってくらい白く濁ったらもう食べ頃です。
そのまま漬物みたいに食べても良いし、肉肉しい系のサンドイッチやハンバーガーの良いアクセントになりますよねー。
乳酸発酵の酸味ってどうしてこんなにまろやかなのでしょう?スパイスだけでなく発酵由来の香りも最高です。
冒頭の方でも述べましたが、思うに、人間は酸味は欲しても酢はあんまり好きじゃないのではないかと思えて来ました。酸味は必要だから仕方なく使ってる。レモンとか柑橘系の酸味も良いけど、その香りが邪魔な時もあります。そう言えば、昔ながらの梅干しとかタマリンドの酸味も酢のようなツンって感じで尖ってないですし。まー、これは私が勝手に思ってるだけかもしれないですけどね。ワインビネガーなんかは酢だけど柔らかいし。でもリンゴ酢はけっこうツンと来ますよね。
さて、ここからはおまけですが、ハラペーニョをたくさんもらったので、これは塩水とニンニクだけで漬けてみました。
辛みの強い唐辛子でもちゃんと発酵するんですね。
ほど良い酸味で辛さも幾分丸くなって良い感じでした。