インド料理店の軒先に置いてあったタンドールの思い出話を聞いていたら、タダでくれた件
私は昨年から南信州のとあるキャンプ場の手伝いをしておりまして、緊急事態宣言下でなければ毎週のようにそこに通い、優雅なアウトドアライフを楽しんでいます。今はまた緊急事態宣言の中で引きこもり生活を余儀なくされていますが。
そのキャンプ場の主と仲間達がまた私を含め「料理の変態」が勢揃いしていまして、アメリカの本格的なBBQ機材を導入し、重さが80kgもある機関車みたいな形のグリルで大きな肉の塊を10時間くらいかけて焼いていたり、スペインから輸入した焼き台で焚き火で巨大なパエリアを炊いていたりと、見た人がアッと驚く為五郎な料理を作っています。
そのキャンプ場についてはまた別の機会にご紹介したいのですが、今回はタイトルにあるようにタンドールの話です。
話は今年の春頃に遡りますが、カレー仲間といろいろなお店巡りをしていた中でとある人気店の軒先にもう役目を終えたのであろうタンドールが鎮座していました。このお店はカレーの美味しさもさることながら、巨大なナンが自慢のお店で、日本人向けに特化したインネパ屋さんとは一味も二味も違う感じがするので、家からはちょっと遠いのですが、複数回食べに行っているお店でした。
仲間と以前から「自分のタンドール欲しいよね。」という半分だけ冗談みたいな話をしていたのですが、「実際、置く場所が問題ですよねー。」なんて諦めた感じで終わるのが常でした。
でも、ちょっと待てよと。
キャンプ場なら置けるやないか。
外に置いてあるタンドールって、今後どうするんだろう?
ということで、会計を済ませた後にオーナーに話しかけました。
「このタンドール良いっすねー♪」
横70cm×縦90cmで重さはなんと230kgもあります。
窯の中は使い込まれてかなり傷んでましたが、オーナーはまだ使えるよと。
「まだお店が無い頃に、これをキッチンカーに積んで回ってたんです。10年間使いました。もう新しいの買ったから飾りで置いてるけど、思い出がたくさんあります。」
その話でぶわっと涙ぐんでしまいましたので、まさか譲ってくれとも言えない空気の中でオーナーが「使うならタダで持って行って良いよ♪」
と言ってくれたから、さあ大変。
キャンプ場の主に設置の許可を打診し、オーナーと連絡先も交換。トントン拍子で無償譲渡と設置許可が出ました。
後日、キャンプ場の主とBBQ店の主とともにお店に行ってタンドールを回収。オーナーと4人掛かりで大変でしたが、何とかオデッセイに載せました(笑)
いざ南信州へと旅立ち、キャンプ場に設置。
業務用タンドールのあるキャンプ場って、日本初でしょうか?
それから、左官の心得のある仲間の方が耐火セメントで窯の内壁を修理してくれましたので、再び現役のタンドールとして復活です。
耐火セメントのネズミ色は何だか失敗したかなと思いきや、火を入れると良い感じになりました。
ナンもタンドリーチキンもきれいに焼けました。
こちらはバターチキンカレー♪
以前書いたように、本来のバターチキンカレーはタンドリーチキンにカレーソースを絡めたものですので、それを忠実に再現しました。
それにしても、改めてタンドールの調理窯としての実力はすごいです。下のハッチと上の蓋を開ければ簡単に炭に火が着くし、閉めれば保温しつつ鎮火し、開け締めで調節も可能ですから本当によくできています。
タンドール料理、あと何があるかな?
実は焼き芋がめちゃくちゃ美味いとか♪
秋の味覚をタンドールでというのも楽しそうですね。偶然と人との出会いが導いたタンドールの旅立ち。これからはキャンプ場でまたお客さんを楽しませます!