大きなタマネギの下で。

大きなタマネギの下で…を聴いた。
久しぶりに聴いた。

大きなタマネギの下で…この歌は本当にいい歌だと思う。究極的にピュアでなければ決して書けない歌だと思う。
残酷なまでに少年の失恋、傷心の気持ちが描写されている。

ふと、息子のこと考えた。

彼は今年の春に中学校に入学する。
早いもので、もう生まれてから13年たつ。
中学生になるとは言え、まだまだ幼さの残る彼も、もうじき恋をするのだろう…と思った。
恋多き少年だった父を持つ彼は、間違いなく、もうすぐ初恋をするはずである。

どんな娘に恋をするのだろうか?
どんな瞬間に、自分が恋に落ちたと気づくのだろうか?
恋焦がれて、自分を見失ったりするのだろうか?
傷ついたりもするのだろうか?
生まれて初めて感じる切ない気持ちに、涙を流すのだろうか?
切なくて死んでしまいたいなどと思うのだろうか?
考えていると、自分の少年時代を思い出し、なんとも切ない気持ちになった。

我が子が痛がったり悲しんだりする姿は、決して見たくはないのが親の常である。彼は私が44歳の時に初めての子で生まれてきたということもあり、私にはいっそうその気持ちが強い。

しかし、私は思った。
彼の初恋は、あくまで切なく叶わぬ恋であって欲しい。傷つくということがどう言うことなのかを感じて欲しい。自分の想いが伝わらない苦しさを知って欲しい。
 そして、沢山沢山沢山恋をして、沢山沢山沢山失恋をして、どんな言葉で人は傷つくのか、どんな時に幸せを感じるのか、優しさということの本質とはなにかを学んで欲しい。
そして、誰よりも素敵な男になって欲しい。

おそらく、私の息子もきっともうじき恋をして、あるいは失恋をして…涙を流すだろう。間違いなく。
しかし、父の私にそれら一切を話してくれることなはないだろう。
それでいい。
父もそうだったから。

本当は聞きたいけど。

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