喜びも辛さも、体感するから寄り添える!「とかげさん」がつくり出す夢の湧き出る場
子どもたちが主体的に生きる力を育むためのドリームマップ授業を提供する、「ゆめドリ」。
その「ゆめドリ」の活動はどんな人によって支えられているの?
「“個性キラリ”ゆめドリに関わる人たち!シリーズ」
第2回のゲストは、なんと17年間もドリームマップ授業に携わっている、柳澤洋子さん(通称:とかげさん)です!
(聞き手:関 真理菜(以下、「まりな」で表記) ドリマファシリテーター@大分)
まりな:とかげさん、今日はよろしくお願いします。
とかげさん:よろしくお願いします。
まりな:とかげさんとは、これまでに何度かお会いしていますね。
ドリマ歴は長い印象ですが、何年くらいドリームマップに関わっているんですか?
とかげさん:2004年の経済産業省の時(ドリームマップが起業家教育促進事業のプログラムとして採択された年)からだから、17年目ということになりますかね。
まりな:それは長い!
とかげさん:三輪ちゃん(理事)からは“生き字引”って言われてますけど(にっこり)
まりな:生き字引!確かに。
ドリマに関わったきっかけは何だったんですか。
とかげさん:もともとドリームマップを作った「エ・ム・ズ」という会社があって、私はそこの(別の)研修を受けてコーチングの勉強をしていたんですよね。
まりな:コーチングを学ばれていたんですか。
とかげさん:そうなんです。
ドリマ先生になるつもりはなかったんですが、その頃、その会社がつくったドリームマップが経済産業省に採択されて、全国に講師を派遣することになったんです。
それで、そこの研修の卒業生である私たちに依頼が来たんです。
まりな:へぇ!
コーチングの研修はもともとお仕事の関係で学ばれていたんですか?
とかげさん:それは違うの。
私はけっこう珍しくて、普通の主婦でいて、パートの仕事くらいだったけど、自分で「コーチング」って調べて行ったパターンなんです。
まりな:(主婦がコーチングを学ぶ、なんだかおもしろい展開!)
仕事で必要だったのではないんですね。
とかげさん:そうではなくて、世間知らずだったんですよね。
「そういうところで資格を取ったら、何かお仕事になるかな」と思っていたくらいの“普通の”主婦だったんですよ。
まりな:それはまた面白い!(その時点で“普通の”主婦ではない気がする!)
ドリームマップに関わるようになったのはそこからなんですね。
とかげさん:研修が終わって、資格を取っても、普通は仕事のあっせんはないじゃないですか。
初めは知り合いのつてで、文化教室のようなところでコーチングやったり。
そういうお仕事をちょこちょこやり始めたところで、たまたま、
「ドリームマップっていうのを全国の小中学校でやるので、その先生をやってもらえませんか」
って話が来て。
もう飛びつきますよね。
まりな:飛びついたんですね!(まさに、「ご縁」!)
とかげさん:ただ、当時まだ子どもがね。小学校2年生くらいだったから。
けっこう遠くのお仕事が多かったんですよ。
だから朝早くても、日帰りで行って帰って来れるところを何校か行かせてもらってました。
当時はたまたまそういうのがあったんです。
まりな:へぇ!
それからずっと仕事として続けているんですか?
とかげさん:経済産業省の仕事としては3年間あって、自分は自分で細々とコーチングの講座をやってました。
経済産業省の施策が終わって、1年くらいはなかったんですけど、その後、ドリームマップを自主的にやろうという方が何人かいて、そういう時にまた声をかけてもらって、っていう感じですかね。
「今度またドリームマップが名古屋や愛知の学校であるんですよ」と言われたら「はーい、行きます」っていう感じで行ってたんですよ。
まりな:へぇ!
研修を受けたきっかけのところに戻るんですが、そもそもなんでコーチングにしたんですか?
とかげさん:たまたま、テレビかなんかで見て、コーチというお仕事があるって知って。
あぁ、なんかやりがいのある仕事だなって思って。
そういうところに勉強に行けば就職ができると思って。
それくらい思い込んでた世間知らずの主婦でした。
まりな:ありですよ。なんだかんだ今に繋がってますもんね。
とかげ:そうなんです。
当時は社員の人について行って、その人達がやるドリームマップ授業を2回見て、「3回目から(ファシリテーションを)お願いします」っていう。
1回くらいはレクチャーもあったかな。
とにかく3回目にデビューだったのは覚えてる。
まりな:そんなデビューの仕方をしたんですね!(研修制度が整っている今と比べるとなかなか大変!)
そこからずっと学校ドリマに関わっているんですか。
とかげさん:もちろん、年に2回くらいの年もあったけど、総合するとこれまでに150校くらいになってました。
まりな:おぉー!それだけ長く続けられたのは、どうしてですか。
とかげさん:辞める理由がなかったんですよね。
その後、自分で他の仕事を始めても、ドリマ授業に合わせてスケジュールを組めたから、行けない状況になることはなかったし。
行きたかったから、そういうお話があれば、他の物事を優先してでも行ってましたね。
まりな:なるほど。
コーチングもドリームマップもつながる部分があると思うんですけど、それらに関わる魅力はなんですか。
とかげさん:ドリームマップのベースになってるのは、コーチングの基本姿勢だと思うんですよね。
「聴く」、「待つ」、「受け止める」とか。
そういう考え方を学んで、「こういう風にすると人の心って開くんだ」とか「癒されるんだ」とか、「自分の能力がもっと出せるんだ」ということを言葉の力で出せると知ったのはすごく大きかったですよね。
私にとってはすごく新鮮だったし、その考え方があったから、今の自分があるというか。
一人の主婦だったけど、今それだけじゃない生活ができているのは、やっぱりコーチングを学んだからだと思うんですよね。
まりな:(感動。)
主婦のころからコーチングを生かした仕事をしたいという気持ちがあったんですか。
とかげさん:きっかけは、子どもが小学校に入って、それがすごく寂しくて。私が子離れしないといけないなぁっていう。
最初のきっかけはそのくらいのものです。
「何かお仕事しないといけないな、お仕事するなら何がいいんだろう。」
「あ、コーチングっていうお仕事があるんだ。」
「じゃあ、コーチングを名古屋で探そう。」
「あ、ここなら通えるし、何とかへそくりから出せる。」みたいな。
ほんとに単純だったんです。
まりな:そうなんですね。(子離れからコーチングを学ぶ展開に興奮!)
講座を学んだ後にすぐに生かす機会があったわけですよね。実際にやってみてどうでしたか。
とかげさん:そうですね。やっぱり、人前でしゃべることが楽しいなと思いました。
やっぱり子どもの反応ってすごくダイレクトだし、子どもたちの表情の変化もそうだし、そういう魅力があるから、今も続けてると思うんですよね。
まりな:人の変化が見られるって面白いですよね。
とかげさん:人の話を最後まで聴くとか、普通のことなんですけどね。
まりな:でも、「聴く」って、やってみると難しいなと思います。
普段ちゃんと聞いてないことあるなぁと思いますね。
とかげさん:あとは、「自分の価値観で決めない」とか、「いったん受け止める(あなたはそう思っているんですね)」っていうこととか。頭ごなしに「それ違うでしょ」と否定しない。
でも、普段会話していると主婦の会話ってそうなんですよね。
みんな自分が言いたいことしか言わないし、何かあると、「だめだよ、そんなこと」とかね。
まりな:主婦だけじゃないと思います。
とかげさん:日常に戻ってみると、本当に言いたい放題なんだなっていうことがすごくわかって。
私も普段は、子どもや夫に対してしてないですけど、やっぱりここぞという局面があるじゃないですか。
ここはちゃんと話を聴かないといけないという時。そういうところでは(学んだことが)役立っているんじゃないかなと思います。
まりな:すごいですね。仕事だけじゃなくて、生活全体に役立っているんですね。
とかげさん:そういう意味では、ドリームマップのクレドも「待つ・聴く・受け止める」を含めて、全ての人間関係において大切だと思います。
まりな:そうですね。(改めて心に刻みたい。)
もう一つ聞きたいのですが、とかげさん自身はドリームマップをつくっているんですか。
とかげさん:何年かに1回はつくっていますね。実は、明日つくるんですよね。
まりな:え、そうなんですか!タイムリーですね!
とかげさん:自分自身がドリームマップを作ることで、つくる楽しさも、つくる辛さも体感できると思うんですよ。
まりな:へぇ。辛さって、どういうところで感じますか。
とかげさん:やっぱり、私も未来に対して不安がないと言ったら噓になるんですよね。
体のことや仕事のこと、親のこと、実際に不安はたくさんあります。
そういう時にすべて明るい未来を描いても、
「こんなことできるんだろうか」とか、
「自分には無理だろう」とか、
そういう思いが押し寄せてくることはある。
でも、そういう時にも、思い切って描く。
それって、きっと子どももきっと体感しているんじゃないかなって思うんですよね。
「こんな授業やだな」って思っている子もいるんだろうなと私は思っています。
(ドリームマップを作ることで)自分自身も不安や辛さと向き合える。
でも発表してみんなから拍手をもらうと頑張ろうと思えるし、ドリームマップを見ると元気になる。
それを何年かに1回は体験したいな、と。
まりな:なるほど。最近のドリームマップにはどんなことを描いているんですか?
とかげさん:(娘さんとの写真、地域活動としてコーチングを学ぶ機会を提供している写真、趣味のゴルフやドリームマップの活動など、ドリームマップに描いた夢を説明しながら)
「自由自在にマルチタスクに謳歌する」
って描いてますね。
最初のころは自分がドリームマップを17年後も続けていると思わなかったわけだから、この先も(ゆめドリが)続いてほしいっていう想いはありますね。
まりな:素敵です。今日はとかげさんの想いを聴くことができてよかったです。
ありがとうございました!
とかげさん:ありがとうございました!
私も改めて話して、自分が「そういう想いでいるんだな」ってわかってよかったです。
インタビューを終えて・・・
ドリームマップを作るときの喜びだけではなく、その辛さも体験したことのある、とかげさん。
全クラスが一斉に取り組む学校ドリマでも、夢を描くことに前向きになれない子どもたちがいるのも事実です。
そんな子どもたちが「少しでも描いてみよう」と、取り組む気持ちになれるのは、同じ気持ちを理解してくれる、とかげさんのようなドリマ先生がつくる、安心の場があるからではないでしょうか。
このインタビュー翌日は、ワンデードリームマップに参加して自身のドリームマップをつくるという、とかげさん。
夢が湧き出す、素敵な時間になりますように!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?