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ライレッセの医学への貢献
ライレッセは、医学にも、特に解剖学に、多大な貢献をしていました。
1685年、医師ビドロー(Goverd Bidloo 1649-1713)は、画期的な医学書『人体解剖図』(Anatomia humani Corporis )(Dutch:Ontleding des menschhelyken lichaams)を出版しました。
その本にはライレッセが依頼されて描いた銅版画が何と105枚もありました。ところが、残念なことに1698年、ビドローやライレッセに無断で、イギリス人のWilliam Cowper に剽窃されてしまいました。(“Anatomy of the Humane Bodies”)
おそらくその後も多数の海賊本が出されたことと思われます。
幸いなことに、日本の神戸市立博物館には、ホヴェルト/ビドロー著ヘラルド・デ・ライレッセ原画と題された『人体解剖図』(1728年、ユトレヒト刊、オランダ語版)が現存しています。その中には、ライレッセの描いた美しい人体解剖図が掲載されているそうです。
そのほか Kulmus”Johan Adamus “Ontleekundige Taffelen” が、国際日本文化研究センター (野間文庫)にもあります。
海賊版が多数、つくられたようですが、いずれにしてもライレッセの美しい銅版画が掲載されていたようです。
おそらく杉田玄白、前野良沢が目にしたオランダ語の原本にもライレッセの美しい銅版画が掲載されていたことと思われます。(ここでは、そこまで調べるゆとりがありませんが)それが、実際の解剖に立ち会えた時に、ライレッセの銅版画の美しさが彼らを翻訳へと向かわせたのではないでしょうか。
これは、私が模写したもの。ライレッセのこの図を見て、その美しさに手を止めることができませんでした。