非イオン界面活性剤などによる水質汚染から健康被害に警笛!身近に潜む化学物質から身を守るには
界面活性剤とは
親油基と親水基とを持つ化合物で以下のように分類される。
・陰イオン界面活性剤
・陽イオン界面活性剤
・両性界面活性剤
・イオンに解離しない非イオン界面活性剤
利用された界面活性剤は、最終的には排水や廃棄物と共に環境に排出され、なかには生物に対して有害なものや、生物による分解がされないフォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)と呼ばれるものもある。
最も河川に流れているのはLASと呼ばれる陰イオン界面活性剤
・ドデシル硫酸ナトリウム
代表的な陰イオン性界面活性剤
タンパク質に対し極めて高い親和性を持ち変性させる
この作用により、膜に存在するタンパク質を可溶化できるため、生物の基礎研究試薬としても使用される
石けんやABS 及び LAS は、陰イオン界面活性剤に属し、シャンプーや洗濯洗剤としての洗浄力や泡立ちなどに優れている。
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)
かつては、合成洗剤の界面活性剤として 、分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム (ABS) が使われていたが、魚毒性、河川が泡だらけになるなど著しい環境問題が問題になり、LAS が使われるようになった。
さらに最近では、より毒性が弱いとされるポリオキシエチレンアルキルエーテルの非イオン界面活性剤の時代になった。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)
ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテルの製造・輸入量区分は100t以上
・ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル
AE、アルキル(アルコール)エトキシレート、アルキルポリエトキシレートという非イオン界面活性剤。
家庭用、工業用ともに最も多く使用されている
・2-アミノエタノール
モノエタノールアミン(MEA)は毒性、可燃性、腐食性を持ち乳化剤やパーマ液の1剤などにも使われ、毛髪への残留性が高い
【非イオン界面活性剤】
非イオン界面活性剤は年間 40 万トン以上が販売され、特に香粧・医薬分野が伸びている。
時代は陰イオンから非イオン界面活性剤へ
非イオン界面活性剤はAEや脂肪酸アルカノールアミド
代表的な非イオン界面活性剤「コカミドDEA」
台所用洗剤でも同様の陰イオン界面活性剤やAEや脂肪酸アルカノールア
ミドなどの非イオン界面活性剤が用いられている。
陽イオン界面活性剤はトリートメントやリンスにも使われ、石けんとは逆の電荷を持ち、逆性石けんとも言われ、マイナスに帯電している固体表面に吸着し、柔軟性、帯電防止性などを付与する。
両性界面活性剤は皮膚や目に対する刺激性が低く、洗浄力や泡立ちを向上させる補助剤として利用される。
非イオン界面活性剤は他の全ての界面活性剤と併用ができ、浸透性、乳化・分散性、洗浄性などに優れている。
水に溶けた際にイオン化しないため、水の硬度や電解質の影響を受けにくく使いやすい性質をもっており、近年使用量が増加傾向。
非イオン系界面活性剤はその構造により、エステル型、エーテル型、エステル・エーテル型及びその他に分類される。
一例を挙げると、AE や後述する NPEO はいずれも、販売量が多いエーテル型といわれる分類に属している。
【非イオン界面活性剤の総称】NPEOは、 ノニルフェノールをエチレンオキシドでエトキシル化して得られる
NPEO の生分解過程
NPEO の生分解は、短鎖化あるいは酸化のいずれの経路で進行するかを決定する。
有機物存在下では酸化が起こり、右側の進行をたどる。
有機物の無い時は左側の短鎖化の経路で分解を受けることになる。
なお、環境ホルモンである NP は、嫌気状態でのみ生成される。
環境ホルモンは女性ホルモン様の働きをするエストロゲンと似た作用をするので、ヒトの体のホルモンバランスを崩し自律神経を狂わせたり、或いはエストロゲンが分泌されている期間が長いほど乳がんを発症するリスクが高まるとも言われている。
ノニルフェノール(NP)それは
内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)
NPEOはその起源物質
ノニルフェノールエトキシレート
AE と比べ引火点が高く耐熱安定性に優れ、湿潤。
乳化分散性に優れていて、液状で操作が容易。
AE(アルコールエトキシレート)
環境毒性が強いノニルフェノールエトキシレート(NPnEO)は原料にエチレンオキシド(EO) を付加重合させて得られる
非イオン界面活性剤のなかでは最も起泡性が強いが、陰イオン界面活性剤よりは弱く、NPnEOよりも生分解されやすい
非イオン界面活性剤の特徴及び用途
・動物や人に対する毒性が比較的低い、比較的安価に生産できる。
C12AE及びNPEOの生分解過程
非イオン界面活性剤の河川中での濃度と挙動
(アルキル基の炭素数が 12 の AE )
C12AE の生分解過程
2種類の経路が報告されている。分子量が大きな化合物であるが、時間の経過と共に小さな分子となっていくのがうかがえる。
調査結果
全ての地点で冬の濃度が夏よりも高かった。
理由は、夏の高水温のため、微生物の分解作用が旺盛になるから。
(冬はほとんど生分解されない)
これらについては、水環境中で微生物によって分解されることが知られている。
C12AE では NPEO と比較すると、はるかに分解しやすく、
特にC12AE では、夏に速やかに生分解されることがわかる。
こうした調査結果から、微生物によって生分解される菌の活用に成功すれば、河川に残留する環境ホルモンが減少する可能性が考えられる
PRTR 制度で対象物質となっているノニルフェノールは211 種の異性体が認められる。
水環境中から主に検出され「内分泌撹乱作用が強い」事が認められている、いわゆる環境ホルモン。
最終的にはノニルフェノールとなる
ノニルフェノール(NP)の平成 26 年(2014 年)の生産量は 6,000 トン
主に工業用の界面活性剤として用いられるノニルフェノールエトキシレート(NPEO)の原料として用いられている。
ノニオン性界面活性剤の一種であるノニルフェノールエトキシレート(ノニルフェノールとエチレンオキシドを反応させると得られる)やゴム用老化防止剤、酸化防止剤のTNPPの原料として用いられる
ノニルフェノール(NP)はプロピレンの三重合体であるノネンとフェノールの合成によって得られる
つまり、フェノールを分解できれば非イオン界面活性剤の残留性を減少させることができる
生分解性
界面活性剤は環境中に排出されると、微生物により分解(生分解)を受けて、最終的には炭酸ガスと水にまで分解されるが、完全に分解されるまでに時間を要するものがあるので、環境保全のためには生分解性がよいものを選ぶ
分解機能を持つことが知られている生物
多くのフェノール分解菌が知られている。
multicomponent monooxygenase : Pseudomonas, Acinetobacter, Azotobacter, Ralstonia 属など
single monooxygenase : Pseudomonas, Rhodococcus, Mycobacterium, Arthrobacter 属など
フェノール類の好気的生物分解
普段口にしている保存料にも使われる化学物質の環境ホルモン
フェノールと安息香酸の違いはph
安息香酸は微生物に対して増殖を抑制する効果があり、水によく溶け、 食品のpHが低いほど効力が増大する。
食品ではキャビア、マーガリン、清涼飲料水、シロップ、しょう油、菓子製造用の果汁などに使用されている
また、フェノールに似た安息香酸Naは、ビタミンCと反応するとベンゼンに変化する。
ベンゼンは発がん性がある
ベンゼンの発がん性の評価は、国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer : IARC)により実施 された(IARC,1982,1987b)。
その結論は、「ベンゼンの発がん性については、動物およびヒトにおいて十分な証拠が存在 する」であった。
また、疫学研究はベンゼン暴露と骨髄性白血病の因果関係を立証している。
ベンゼンは壊れにくい性質であり、体内で造血する器官に悪さをして骨髄に影響して白血病となる
子どもたちも知らずに口にしている
身近な学童、青年においてフェノールに似た安息香酸の推定摂取量が高かった
清涼飲料水を通して少なからず口にしている
清涼飲料水中に安息香酸とアスコルビン酸(ビタミンC)が共存する場合には微量のベンゼンが生成する可能性がある。
日本国内では、安息香酸はキャビア、マーガリン、清涼飲料水、シロップ及び醤油、菓子の果実ペースト(果汁)に使用できる。
酸化防止剤がビタミンCになっている
市販の清涼飲料水中には、酸化防止剤としてビタミンCが添加されているが、これは工業的に作られたものであり、体内でのビタミンC活性はない。
安息香酸が醤油に含まれており、ビタミンCなどの酸化防止剤と合わさるとベンゼンを生成するということは…
食品添加物である安息香酸(保存料)とL-アスコルビン酸(酸化防止剤、酸味料、栄養強化剤)を含む清涼飲料水や栄養ドリンクで、ある条件下で安息香酸とアスコルビン酸が反応することにより、発癌性のあるベンゼンが遊離することがわかった。
発がん物質であるベンゼンの検出は2006年夏に相次いで国から公表された。
厚生労働省の対応
厚生労働省では「ベンゼンが検出された清涼飲料水を飲んでも大丈夫ですか。」の問いに対して「ヒトのベンゼンの摂取源の大半が環境由来(大気)であるということから、環境由来のリスクに比較して食品由来のリスクは低く、食品からの摂取に多少の増大があったとしてもリスクの増大への寄与は少ないものと考えられています。」としています
つまり現段階では、あまり因果関係は認められていない。
ベンゼンの生成については現時点での化学でも解明されていないが、その生成過程にはヒドロキシラジカル(活性酸素)が関わっていると考えられている。
そのため、対策としては体内で活性酸素の生成を抑制することが重要となる。
手軽に買える清涼飲料水に潜むリスク
活性酸素(・OH)ヒドロキシラジカルがベンゼン生成に関与している事が考えられる
酸化防止剤やビタミンCの役割をするL-アスコルビン酸と遷移金属イオンの関与により生成した・OH等の活性酸素が安息香酸と反応することがベンゼン生成をもたらしている。
従って活性酸素の生成をできる限り小さくすることが重要になるが、飲料中での活性酸素生成として、過酸化水素生成の実態について多くの報告がある。
・緑茶等でのポリフェノール(カテキン類)による過酸化水素生成
緑茶、紅茶、コーヒー等の飲料は、フラボノイドやフェノール酸骨格を有するポリフェノールを多く含み、体内で抗酸化作用を発揮すると謳っているが一方で、紅茶やコーヒーなどの飲料が変異原性を示し、カタラーゼ添加で変異原性が消失するとの報告がある。
日本では、過酸化水素は食品添加物(漂白剤・殺菌剤)として用いられるが、過酸化水素は弱いながらも発がん性を示すもので、残留してはならない。
実験では飲料で過酸化水素濃度が上昇している。
清涼飲料水には茶系、コーヒー、果実飲料、ミネラルウォーターまで酸化防止剤としてL-アスコルビン酸が添加されている場合が多い。
しかし、酸化される過程で過酸化水素やその前駆体であるスーパーオキシドといった活性酸素を生成することがわかっている。
以上の事から、こうした身近に潜む非イオン界面活性剤を取り込んでしまうリスクから身を守るには、体内においてヒドロキシラジカル等の活性酸素を抑制する事が重要である。
特に飲料における段階での抑制を心がけたい。
具体例を挙げれば水素水の摂取などで酸化(活性酸素)を抑制する事ができる。
個人レベルでは体内酵素を素粒子レベルで活性化させることができれば、こうした界面活性剤に対しての対策は講じる事ができるが、環境問題として考えた場合には、各戸毎に水道の蛇口に化学物質の除去機能を搭載させる事。
水道管に化学物質の除去機能を取り付ける
非イオン界面活性剤やPFAS(フッ素化学物質の総称)といった化学物質に活性化鉱水のタネ水を取り付ければ、磁性体である水は化学物質が除去された形で蛇口から還元されて出てくる。
微量な有害化学物質を取り除くことができれば、水質汚染による健康被害は防げる。
後に公害になって、健康被害が出る前に国民がこの事に気づいていくべき。