坐禅しま専科!?
こんにち葉、
夢野ナオ(夢野メタ)です。
すぐに読める読み物です。
いつもこのブログをお読みいただき、
誠にありがとうございます。
◝(⑅•ᴗ•⑅)◜
拙著、自叙伝「全身不随入門講座(施設篇)」から抜粋。
登場する人名や場所名は仮名にしてあります。
男性職員の九島さん(仮名)と竹山さん(仮名)が、
当施設に入社されたのは去年2020年の7月頃でした。
本日は竹山さんとのことをイロイロ書こうと思います。
齢53歳、背は小柄ながらも、
きっちりパーマをあてたヘアスタイルに、
鼻筋がとおり強い目ヂカラ、
元893の若頭でもしていたかのような風貌で、
廊下の向こうから小生のいる部屋まで太い声が聞こえてきて、
怖い人かなと思いました。
小生が入浴のとき興味のある映画の話になると、
竹山さんは哀川翔や松方弘樹とかの仁義モノが好物だと話されました。
竹山さんは長年空手を修業されているらしく、
暇なときは自宅の納屋で、
サンドバックや畳を蹴っているそうです。
友人から柳生心眼流柔術の手解きも受けているとのことでした。
竹山さんが武道を研鑽してゆく中で、
見過ごすことの出来ない世界に出会ったと云う。
それが「禅」でした。
仏教の禅宗という呼びかたをよく聞きますが、
調べたところ禅宗という宗派名は無いようです。
臨済宗、曹洞宗、黄檗宗(おうばくしゅう)、
主にこの三つを指すようです。
武道の極意を掴むために坐禅をしたいそうですが、
顔を合わせるたびに「夢野君も坐禅やるやろ?」と訊いてきます。
これは、坐禅に興味は無いかい? ということではなく、
君も是非坐禅をやりなさい! という有無を言わさぬ意味なのです。
といっても小生の場合は、
和テイストの小綺麗な石庭などと向かい合うわけでもなく、
全身不随で施設のベッドに寝たきりなので、
LED照明を設置した薄汚れた白い天井を、
半眼で見つめ続けるほかありません。
面壁の極地ですね。
観ようによっては朧げながら、
南ヨーロッパの白亜の街並みが広がっている半島のようでもありますけどね。
いずれ再生医療の進展により身体が自由に動けるようになったら、
京都を探訪がてら古刹をめぐるのもよいかもしれぬと、
早速坐禅を体験出来る風光明媚なお寺を、
今のうちからネット検索。
参加費は一回500~千円程度が多く、
なかには無料とかもあるようですね。
そうやって夢を膨らませていると、
数日前の夜勤で竹内さんが嬉しそうに言ってきました。
というのも心眼流の道場仲間に最近興味のあることはと訊かれたそうで、
つい「最近は坐禅三昧やよ」とうそぶいたらしいのです。
今度自宅で一緒に坐禅を組むそうです。
竹山さんはそれっきり小生には、
坐禅の勧誘はしてこなくなりました。
小生はほっとして胸を撫でおろし、
肩の荷が下りたというかある種の安堵を得たのですが、
それはそれで一抹の寂しさを覚えるといいますか、
もっとがんがん誘ってこんかーい!
と、なぜだか攻めの姿勢に転ずるのでした。
続く。果てしなく続く……。
拙著、自叙伝「全身不随入門講座(施設篇)」から抜粋。
登場する人名や場所名は仮名にしてあります。
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