『みんなの夢AWARD11』 ファイナリストインタビュー 加藤路瑛さん
みんなの夢AWARD事務局です。
「みんなの夢AWARD11」のファイナリストインタビューをお届けします。
今回は、加藤路瑛さんです。
1、加藤路瑛さん 夢のミッション
感覚を才能に!五感にやさしい社会をつくる
感覚過敏は、周囲の音やニオイ、味覚、触覚など外部からの刺激が過剰に感じられ、激しい苦痛を伴って不快に感じられる状態のことをいいます。
刺激は、聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚などあらゆる感覚領域に対して起こり、その症状や度合いは人によってさまざまです。
感覚過敏の問題は五感に渡ります。
それぞれの解決に取り組みたいため、1つのサービスを打ち出すことはできません。
五感それぞれの悩みを解決する商品やサー ビスを小さく積み重ねていくことが重要だと思っています。
現在、感覚過敏を総合的に取り組む企業も機関もありません。
そのため「感覚に関する世界一の企業になること」が私の目標です。
最終的にはブレインテック分野でのテクノロジー解決を目指しており、
脳波の研究を小さくはじめました。
テクノロジーでの解決は時間がかかりますので、研究を続けながら、当面は日常生活での困りごとを解決する商品やサービスを企画し提供していきたいと考えています。
現在構想中のものは大きく 2つあります。
1つは、触覚が過敏で着られる服がなくて困っている人のために感覚過敏アパレルブランドの立ち上げを企画しています。
縫い目がなく、タグがないことを条件に、肌に痛みや不快感のない衣服を作りたいと考えています。
2つ目は、「五感にやさしい街づくり」を自治体や企業 の協力のもとに進めていきます。感覚過敏があると、音、照明、ニオイなどの刺激で体調が悪くな るため、外出にもたくさんの困難さを抱えています。
海外では、感覚過敏の方のために、照明や BGMを落とした時間帯を作る「クワイエットアワー」の導入や、感覚過敏で疲れたり発作が出た時 に避難できる「カームダウンスペース」が広がり初めていますが、日本での導入例が極めて少なく、 感覚過敏研究所で日本全国に「クワイエットアワー」や「クワイエットエリア」を広めて行きたい と思っています。
感覚は他人には見えないものですが、目に見えないバリアフリー社会を実現させます。この2つは事業内容の一部であり、感覚を取り扱う総合企業として多様なニーズと多様な困りごとに対応していきたいと考えています。
2、加藤路瑛さん インタビュー
ー「みんなの夢AWARD11」が終わって、今の心境をお聞かせください。
みんなの夢AWARDの二次審査に臨むところからプレゼンテーションの練習をしました。ファイナルまでの過程で、色んな人に見てもらい、応援してもらいましたので、正直に言うと、「グランプリを獲得したかった」という気持ちがあります。
残念ながらグランプリは逃しましたが、「みんなの夢AWARDに取り組むぞ!」を決めてから、自分自身がすごく成長しました。
グランプリを目指して、facebookライブなどで、色んな人にプレゼンテーションを見てもらいました。最初はファイナルで行ったようなプレゼンテーションではなく、自分のやりたいことを話すだけでした。回数を重ねていく中で自分の気持ちをどう伝えるかを考え、プレゼンテーションの内容がよくなっていきました。
みんなの夢AWARDファイナルの日、音声SNSのclubhouseで、私を応援してださるルームが立ち上がっていて、30人近くの方が応援してくれていました。
みんなの夢AWARDを通して、自分を応援してくれる人がこんなに沢山いたことを改めて実感しました。
以前から自分の活動を応援してくれている方が、みんなの夢AWARDのプレゼンテーションを見て感動したと、イラストを描いてくださいました。他にも色々な反響がありました。
私は、感覚過敏をみなさんと一緒に解決していきたいです。
沢山の方に応援していただけるのはとてもありがたいです。
ー「みんなの夢AWARD11」へ、エントリーしたきっかけをお聞かせください。
Twitterを通して、みんなの夢AWARDの存在を知りました。
私は、オリィ研究所の吉藤 健太朗さんのコミュニティに参加しています。
いつも私は、吉藤 健太朗さんのことを「オリィさん」と呼ばせていただいています。
みんなの夢AWARDの存在を知るのと同じタイミングで、オリィさんがみんなの夢AWARDに出場した時の話をしてくれました。
オリィさんが「挑戦したいことがある人にはお勧めする」と言っていたので、みんなの夢AWARDに興味を持ちました。
このことをきっかけに、みんなの夢AWARDのことを調べました。
すると、年齢制限がなく、自分も取り組めるのではないかと思い、
「みんなの夢AWARD11」にチャレンジすることを決めました。
ーエントリーからファイナルに進む過程で、加藤さんご自身やビジネスモデルに変化は生まれましたか?
ビジネスモデル自体には、変化はありません。
大きく変わったのは、私のプレゼンテーションです。
私はこれまで日本各地で講演をしてきましたが、今までは自分のやりたいことを話すだけでした。
今回、みんなの夢AWARDに出たことで、プレゼンテーションが変わりました。自分の気持ちを伝えて共感してもらう。そして、次の行動を取ってもらう。このような、新しいプレゼンテーションに取り組めました。このことで、新しい気づきや変化を得ることができました。
ーファイナリストサポートの中で、渡邉美樹代表理事からアドバイスを受ける機会がありました。アドバイスを受けての感想と、ビジネスモデルはどう変化したのかをお聞かせください。
渡邉美樹代表理事から頂いたアドバイスは、「マーケティングを入れて考える」というものでした。
感覚過敏は病気ではなく、症状です。よって、統計が取られていなく数字がないので、マーケティングの要素について、調べることを諦めていました。しかし、渡邉美樹代表理事からアドバイスをいただいて、もう一度調べてみようと思いました。
すると、発達障害の95%に感覚過敏があることがわかりました。発達障害に関する論文を読み、このことがわかりました。さらに、発達障害の現在の診断数を調べると、発達障害による感覚過敏は45万人いることがわかりました。
まだ、うつ病などによる感覚過敏の統計は、調べられていません。そのような意味で、まだまだ事業計画においては、甘いと感じています。数字による根拠を出せるように研究をしていきます。
ー「みんなの夢AWARD」のファイナルを終えて、何か進捗や変化はありましたか。
まだまだ正式に発表できないことがありますが、「みんなの夢AWARD11」へのエントリーする前から、様々な取り組みを進めていました。
それらにおいて、進展があります。
今回、「みんなの夢AWARD11」の協賛企業の皆様とも、一緒に感覚過敏の解決に取り組めたらと思っています。
感覚過敏の解決は、小さな取り組みを積み重ねていくことが大事です。なので、ビジネスモデルとしては想像しにくいものかもしれません。
「塵も積もれば山となる」とあるように、一つ一つの小さな課題をみなさんと解決していき、感覚過敏という課題を解決していきたいと思います。
ー今後1年間、事業がどのように進んでいくのかをお聞かせください。
今、感覚過敏の人に向けたアパレルブランドの準備をしています。
このアパレルブランドを立ち上げることで、感覚過敏の人がお洒落を楽しめるようにしたいです。
ーこれまで夢のミッションに取り組んできた中で、嬉しかった出来事をお聞かせください。
自分が開発してきた缶バッチや、コロナ禍でもマスクがつけられない人向けの商品を使った方から、手紙やイラストをいただくのが嬉しいです。
感覚過敏があって学校に行けるのかどうか不安だった方から、「学校に行けるようになった」とう手紙をもらったこともあり、すごく嬉しかったです。
SNSでも喜びの声を沢山いただいていています。
このような沢山の喜びの声をいただけるのが嬉しいです。
感覚過敏は目に見えないものなので、このことをみなさんに理解していただくことが今の課題です。
その課題を解決するために、感覚過敏を可視化する物を作って、啓蒙活動をしています。
周りから見たら、普通に見えるけど、辛さを抱えている人が多いので、ひと目でわかるものができたらと思っています。
ー夢のミッションに取り組んでいる中で、今一番ワクワクすることはなんですか?
自分がこれからどうなっていくのか。このことにすごくワクワクしています。
私自身も目に見えない感覚過敏の辛さを抱えていますので、その課題を解決した時、才能になった時、どんな社会になるのだろうと思うとワクワクします。
感覚過敏や障害に対する認識はネガティヴなものが多いですが、辛ささえなくなれば、それは才能になります。感覚過敏の方の才能が、社会の役に立てるような世界を目指しています。
また、感覚過敏は辛いので、買い物や食事を楽しむことができないです。感覚過敏の人も買い物や食事を楽しめる社会を創りたいです。
これらの実現に向けて、道を探りつつ、楽しんでいきたいです。
ー最後に「みんなの夢AWARD」へのエントリーをお勧めするなら、どんな人にお勧めしますか?
挑戦したい人、実現したいものを持っている人、みんなに勧めたいです。
自分の周りには、挑戦したい人、実現したいものを持っている人が沢山います。
私が国内最大級のクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」のパートナーになりました。パートナーになった理由は、私もまだまだ応援される立場ではありますが、自分も挑戦する人を応援したいと思ったからです。
挑戦したいもの、実現したいものを持っている人は、ぜひ、「みんなの夢AWARD」にチャレンジしていただきたいです。
【インタビュー後記】
「みんなの夢AWARD11」のファイナルの時は中学生だった加藤さん。
2021年4月からは高校生となって、ご自身の夢の実現に邁進されています。
『感覚の神様になりたい!』という言葉から始まった、
「みんなの夢AWARD11」のファイナルでのプレゼンテーションはとても印象に残るものでした。
インタビューでお話を聞いている中で、常に心の中がワクワク感でいっぱいで事業に取り組まれていることを感じました。
何より、ご自身の無限の可能性を信じていて、
そのことがワクワク感を生み出しているのだと思いました。
無限の可能性を持つ、加藤さんの活動をこれからも追ってまいります。