【はなさかじいさん】日本昔話

みんな知ってる日本昔話 「はなさかじいさん」の動く絵本! 親子で楽しもう!

[本文]
むかしむかしの おはなしです。
おじいさんと おばあさん、
そして いぬのポチが なかよく くらしていました。

あるひ ポチが ふしぎなこえで なきました。
「ここほれ、わんわん」
じめんを ほってみると ぴかぴかの こばんが ざっくざく!

「おばあさん、たいへんだ」
「まあまあ、こんやは ごちそうに しましょう」
おばあさんは おいしい ごはんを たっぷりつくり
むらのみんなに わけてあげました。

「ぬぬう、うらやましい」
となりの いじわるじいさんが やってきて
ポチを むりやり つれていきました。
「さあ はやく なくんだ」
そういうと、ポチを ばしんと たたきました。

「きゃいん」
ポチが いたくて なくと、
いじわるじいさんは じめんを ほりました。
「な、なんじゃあ これは!」
そこには、へびや けむしが ぞろぞろ。
「この やくたたず!」
いじわるじいさんは ポチを ごちんと なぐりました。
かわいそうに、ポチは しんでしまいました。

やさしい おじいさんと おばあさんは かなしみました。
「なんて かわいそうな ポチ」
「さみしくないように おはかに きを うえましょう」
きは ぐんぐん おおきくなりました。

あるひ ゆめのなかに ポチが でてきました。
「あのきを うすにして おもちを つくってほしいわん」
「そういえば ポチは おもちが だいすきだったねえ」
ふたりは いわれたとおりに しました。

ぺったん、ぺったん。
「おやまあ、こばんが でてきたよ!」
おもちは きんいろの こばんに かわりました。
「うぬぬぬ、きにくわん!」
いじわるじいさんは
こっそりと うすを もやして しまいます。

おじいさんと おばあさんは
なきながら はいを あつめました。
ふわり ふわり……
かぜにのって はいが とび、
かれた えだに はなが つきました。

「かれきに はなを さかせよう」
おじいさんは きにのぼって はいを まきました。
あたり いちめんが ぴんくいろに そまります。
「なんて きれいな さくらじゃ!」
ちょうど とおりかかった おとのさまが
おじいさんと おばあさんに ごほうびをくれました。

くやしくなった いじわるじいさんが いいました。
「さくらを さかせたのは わたしです」
「ええい、うそつきめ!」
おとのさまは おこりました。
いじわるじいさんは
ろうやに とじこめられて しまいました。


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