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☆番外☆ ごめんなさい

 夢を見た。
 愛しの君会長様の夢。

 知らない街並みに、知らない子が私に話しかけていた。

「紹介したい人がいるの」

 私は彼女を知らないのだけれども、夢の中では『知っている人』として対応していた。

「誰に会わせたいの?」
「ノアちゃんが知っている人だよ」

 その子はニコニコと私に言う。この子の言う事は、よく分からないと思いながらついて行く。

「ずっと会いたかったでしょ?」

 ついて行った先で、私は会長様に出会った。
 言葉が出ない。何と言っていいのか分からない。

 会長様も同じく、何も言わない。

「もう、せっかく会えたんだから、感激の再会ぐらいしなよ」

 その子は私たちの周りをくるりと回って、背中を押す。
 押されて一歩前には出るが、それ以上は近づけない。

「じゃぁ。後は二人でご自由に」
 二人きりになっても、何も言えない。
 なんで?どうして?
 頭の中でぐるぐると言葉だけが回った。

「ごめんなさい」

 不意に私の口から飛び出したのは謝罪の言葉だった。
 自分でも何に謝っているのか分からない。

「うん」

 会長様はただそれだけしか答えなかった。
 分からない。どうしたらいいのか。
 分からないままに歩き出す。
 私は街を案内しながら、先を歩く。振り返ると、会長様がついてきていた。

 ひととおり案内し終えると、また無言になってしまう。

「終わった?」
 先ほどの子が、再び目の前に現れた。
 私たちは、その子の登場で「またね」と別れた。

 ごめんなさい。
 私はずっと謝り続ける。

「ずっと、傍にいる」
 あの夜の約束を守れなくて、ごめんなさい。

 




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