1話 小学校入学
初めての制服は、着方がわからなかった。
肩ひものついたスカートなんて着た事がなかった。
ブラウスにスカート。そしてジャケット。
みんなが同じ服を着ている。
保育園のようにスモックと体操服だけ同じではなくて、全部同じ。
そして、時間通りにみんなが動く。
一人一人に椅子と机が与えられていて、座る場所も決まっている。
私は場所が決まっていることに安心した。
入学式はあまり覚えていない。
一学年4クラス。私は3組になった。
3組の担任は大学を卒業したばかりの新任の先生だった。
子供ながらに、他のクラスの先生よりも若い事が分かった。
1組は学年主任も兼ねているベテラン先生だった。
2組は男先生。
4組はベテラン先生よりは若い先生。
一クラスは保育園時の約2倍以上の人数。それが4クラス。
六学年全部を合わせると、千人には届かないぐらいの人数が居た。
私は私が通った学校の事しか知らないので、そんなものと思っていた。
けど、意外に大きな学校の部類だったらしい。
田舎の学校だけれども、いくつかの学校が合併したために巨大になっていったようだ。
学校までは片道約2キロ。徒歩で30分以上。
私が住んでいる場所は校区内の端っこだった。
雪国なので、冬になり雪道になると片道1時間以上かかることもあった。
今になって思うと……よく歩いたなと思う。
小学校の校舎は白かった。
後から聞いた話だが、私が入学した時に建て替えたばかりだったらしい。
ただ一部は旧校舎として黒い……茶色い校舎が残っていた。
私が通っていた新校舎も今では建て替えられて、存在しない。
小学校は、たった一つだけ特徴があった。
サッカーが強かった。……スポーツは詳しくないけど、全国大会でそれなりの成績を残すレベルという事だった。
サッカーのためだけに、この学校にやって来た子供もいたという。
……と、いう事を大人になってから知った。
今はどうなのかは知らない。
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