【活動報告】多機能型事業所ビジネスアカデミーさんに訪問しました
NPO法人夢の宝箱の土濃塚達也代表理事は2024年3月5日、埼玉県にある【多機能型事業所ビジネスアカデミー】さんを訪問し、今後の取組に向けた情報交換を行いました。
きっかけ-ユースを取り巻く「就労」と「自立」の問題
社会的養護を必要とする子どもたち(以下、ユース)は児童福祉法のもと原則として18歳になると自立が求められますが、時間や約束を厳守する意識が薄かったり、不規則な生活になりがちな方もいることから、就職先の早期退職などの就労問題につながってしまうこともあります。
そこで、自立訓練と就労移行支援の2つの学びをワンストップで実施する多機能型事業所ビジネスアカデミーさんを手本とし、ユースたちを取り巻く問題を打破できないかと考え、このほど夢の宝箱より訪問を依頼。
お忙しい中快く受け入れていただき、今回の対談が実現しました。
生活力向上と一般企業就職を目指す支援
多機能型事業所ビジネスアカデミーさんの自立訓練では生活能力の維持・向上に必要なトレーニングを、また就労移行支援では一般企業等への就労を目指したさまざまな支援を、各2年を期限とし実施しています。
自立訓練について、内容の一部を紹介していただきました。
・いつ始めれば期日までに終わる?逆算の「時間タスク管理」
・職場で使えるクッション言葉などの紹介「職場での会話」
・予算内を考え買い出しから始める「クッキーを作ろう」
など…
統括マネージャーの加藤さんは「たとえば講座で学ぶビジネスマナーは、一般的に入社の際学ぶものと別段変わりありません。『障害者用のビジネスマナー』というものはないと思っています」と話されました。
創意工夫は忘れずに
充実したプログラム内容のほか、楽しく、安心して学べることを第一に考えているといいます。
講座のタイトルを工夫したり、教科学習ではない社会に通じる学びを体験的に構成するなど、利用する方々の尊厳を守り、信じて向き合うことを忘れないようにしているそうです。
またビジネスライクな施設の外観について、「障害者福祉施設を意識せずに、堂々と気持ちよく通所できることを大切にしています」と込められた思いを教えていただきました。
夢の宝箱の土濃塚からは、家庭環境などの背景から障害者手帳を持つことに難色を示すユースたちの現状と、手帳などを持たない「グレーゾーン」の若者の就労支援と自立訓練を行う必要性について伝え、意見交換を行いました。
「私たちも(この場所のように)グレーゾーンの若者を引き上げられる居場所を作っていきたい。
今後も何か連携ができたら嬉しい」と話しました。
終始和やかな雰囲気で進行した初訪問は、1時間半ほどで締めくくられました。
幅広い社会ニーズに応えるために今後も協力体制を取っていきたいと思っています。
加藤さん、小関さんをはじめ、多機能型事業所ビジネスアカデミーの皆さま、お忙しい中本当にありがとうございました!
※多機能型事業所とは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのうち、生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型の事業のうち2つ以上の事業を一体的に行う事業所のこと
◆取材・編集
中村愛 - Ai Nakamura
青山学院大学経済学部卒業。新卒で医療福祉施設のM&A担当として新規施設の開所に携わる。その後児童福祉施設の支援員、タウンニュース編集記者を経て福祉業界に特化したフリーライターに。NPO法人夢の宝箱の広報担当。
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