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梅雨の一日!

今日は朝から雨が降っている。
いつもなら6時ごろ妻がウォーキングに行こうと誘いに来る。
妻は母屋、私は納屋で暮らしているからだ。
さすがに今日の降りようでは誘いに来ないだろうと思ったから、久しぶりに着替えもせずベッドでゴロゴロしていた。


落ち着くようになった窓の外の雨の風景!

定年退職して5年が過ぎ家にこもることが多くなった。
これまでなら家にいると、少なからず頭の隅に罪悪感が湧いてきた。
いつもいる納屋の窓からはこの付近の主要道路である県道と国道が見える。
7時ごろから車が増えるのは通勤の時間だからだ。
仕事をしている人は通勤しなければならないが、私は家で遊んでいるという罪悪感だ。

雨の日の罪悪感

特に定年退職した当時のもやもやした感情の中には、この家で遊んでいるという罪悪感が含まれていたことは否めない。

私が建築関係の仕事をしていたこともあり、天気には人以上に敏感だったからなのかも知れない。
雨の日は晴れよりも問題が発生しやすいからだ。

建築現場では足元も滑りやすく事故のリスクも高くなる。
事故だけではない。
現場に運び込む資材などが濡れることでクレームの種も増えることは間違いない。

憂鬱な感情からの問題が起きないよう、人間関係にも気を配らなければならない。

雨の日の罪悪感は現場で仕事をしている人の気持ちになってしまうからだ。
雨が降ると無意識の内にそんな感情になってしまうのが習慣になっていたのだろう。

だからこうして家でのんきに過ごすことが悪いことでもしているように感じたに違いない。

晴れの日の罪悪感

晴れの日は晴れの日で、家の中で過ごすというだけで無意識の罪悪感に駆られていたようだ。
農家で育ったからなのか、休みの日であっても雨が降らなければ田畑で仕事をするという掟のような日常が当たり前だったからだ。
子供のころ遅くまで寝ていたら「寝ているのはお前だけだ」と言われ叱られた。
「もう誰もが田畑で仕事をしている」といった理由で叱られて育ったのだ。

晴れた日の輪郭の見えない罪悪感は、家の中にいてはいけないという教えで育った弊害と言ってもいい。

だからこの歳になっても晴れた日は家の中にいると落ち着かないことがある。

当時は田畑のない友達が羨ましかった。
少なからずそのような環境や経験が、現在の私の心に影響を与えていると思ている。

本来の感情でいられる幸せ

しかしその感情を逆手に取ればやっと天気を気にすることなく家で過ごすことが出来るようになったと言えるだろう。

特に今日のようにしとしとと降る雨の日は心も落ち着く。
退職して経過した年数が現役当時の感情をやっと忘れさせてくれたようだ。
歳をとって子どものころの感情に近付いてきたのだろうかとも思える。
雨というだけで外に出る理由がなくなるという記憶が情緒の安定を促しているようだ。

情緒を安定させるもう一つの理由は雨の音だ。
ピチャッピチャッと降る雨の音に心が癒される訳ではない。

私の納屋で過ごす日常音を、雨の音が消してくれるのだ。
田舎とはいえ近くに家もあれば横の道を歩く人もいる。
平日の朝から音楽趣味の音を漏らすのには気も引ける。

しかし雨音のマスキング効果は絶大だ。
雨の日はそんな音の心配をしなくてよくなるから思いっきりインドア趣味、いやインドアの日常を楽しむことができるという訳だ。

情緒も安定し、誰にも気を遣うこともなく過ごせる日常は雨の日の特権と言えるものだ。

屋内で過ごす癒しの趣味

日常的にやっているNoteやドラムはもはや趣味ではない。
収益がないというだけで私にとっては仕事そのものだ。

それに比べ読書や音楽鑑賞は趣味だ。
日常ではないからだ。

今日もコーヒー豆を挽き熱いコーヒーを入れた。
いつも音楽をやる時に使っているヤマハのモニタースピーカーではなく、充電式の安価なスピーカーのスイッチを入れる。
このスピーカーなら、太陽光で発電したポータブル電源で充電しているから電気代がかからない。

ボリュームも音楽をやる時とは違い、何とか聞こえる程度まで絞る。
ややもすれば耳鳴りの方が大きいくらいだ。
音源は主にノートPCのYouTubeでバッハかヘンデルを検索する。

私なりに最も読書に集中できるのがバロック音楽だ。

ロフトに上がり、これ以上ないほどだらしない格好でソファーに腰を下ろし本を開く。
本を読んでいると、たまにノートPCから飛んでいるBluetoothが途切れて音が消えることがある。
バロックが消えて雨音だけになったとしても読書の環境に影響はない。

それよりもヘンデルのオンブラ・マイ・フが聞こえた時の方が本を閉じて音楽を優先してしまうくらいだ。

こうして平和過ぎるくらいの雨の一日が過ぎていく。

#雨の日 #落ち着く日 #日常 #老後 #第二の人生 #定年退職 #人生 #天気と感情


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