車中泊で最も役に立ったコンパクトカーの洗面設備
車中泊なのだから車の中で寝るためのベッドは必須の設備だ。
しかしその次はと聞かれれば私は洗面設備と答える。
コンパクトカーであろうが軽自動車であろうがお勧めは洗面設備だ。
いつでもどこでも気兼ねなく洗面が可能
コンパクトカーで車中泊旅を始めた頃、洗面は道の駅などのトイレの入口にある洗面所でするものだと思い込んでいた。
しかし私が車中泊旅を始めたのがコロナ禍が始まってからということもあり、道の駅などの洗面所を使うことには抵抗があった。
しかもどこの道の駅も手洗いが沢山あり綺麗で充実しているとは限らなかった。
自前の洗面設備
考えてみればキャンピングカーには当然のように付いている洗面設備だ。
車中泊しても必ずと言っていいほど1台はキャンピングカーが止まっていた。
「あの人たちはトイレの洗面所で歯を磨いたりしなくていいんだ」と考えると、他の何より羨ましく思えて仕方なかった。
車中泊現場によってはとても歯を磨こうとは思えないところも稀ではなかった。
特に私は道の駅だけで車中泊をしたのではなく、登山口や公園駐車場などでも車中泊をしていたからだ。
時には朝の洗面は諦め10時オープンの日帰り温泉で洗面をしたこともある。
そこで考えたのが自前の洗面設備だ。
洗面設備で必要なものを考えた。
給水と洗面器と排水だ。
キャンピングカーの場合は給水栓や洗面器、排水タンクも備え付けになっているが、コンパクトカーや軽自動車では車に洗面設備を備え付けるのはとても無理だ。
そこで考えたのがバルブ付きの給水タンクと洗面器の代用になるもの、そして排水タンクを車に積んで、使いたい時に仮設の洗面設備を作ることだった。
最初は12Lタンクを使っていたが、何度か使っている内にそのタンクが邪魔になり、水の量ももっと少なくてもいいことが分かってきた。
そこで買ったのがダイソーの1.8Lのウォータージャグだ。
洗面器は使わなくなった収納の引き出しだ。
排水タンクは大きめのペットボトルだ。
洗面設備の使い方
車中泊に持って行く水は出かける日程によっても異なるが、1回の洗面で必要な水は一般的なペットボトル(350ml)1本分だ。
もちろん水はできる限り節約して使うが、1.8Lのウォータージャグなら5回分はあるということになる。
もしなくなっても水を補給するところは日本中どこにでもある。
マップで名水と検索するだけだ。
最初はリアのハッチバックドアを開けて洗面をしていたが、冬の寒い日や人目が気になる時は車内で洗面を済ますようになった。
ハッチバックを開けて外で洗面する場合は普通に顔を洗うが、車内で顔を洗う場合は水で濡らしたタオル地のハンカチを絞って顔を拭くことにした。
歯を磨いて口をゆすぐ場合はペットボトルを利用していたが、最近は紙コップも使う。
洗面器に溜まった排水は上合を使って1.5Lのペットボトルに移し替える。
車内で洗面をする場合に最も気を付けているのは水の飛び跳ねだ。
ポータブル電源のようなものも積んでいるからだ。
山の中で洗面するときは、ゴミの不法投棄と勘違いされない時に限りハッチバックを開けて外で洗面をしている。
自前の洗面にして変わった車中泊
道の駅で洗面をしていた時は、できるだけ早く起床してまだ誰もが使う前に洗面を済まそうとしたり、人の出入りが多い時には歯を磨くことも諦めていたりしていた。
少し我慢して温泉で歯を磨いたりしていたのだ。
しかし自前の洗面を使うようになってからは、いつでもどこでも洗面をすることができるので随分と気が楽になった。
車内で弁当を食べる前に手を洗うのも、いちいち外に出ることはない。
朝の洗面もベッドを片付けたあと充電式のシェーバーで鬚を剃り、車内で歯を磨き、濡らしたタオルで顔を拭く。
少しだけ髪を濡らして運転席へ移動し、エアコンの吹き出し口をひとつだけ開けて風量を上げ、ドライヤー代わりにして髪を整える。
家の洗面所とは違うが、キャンピングカーと比較してもさほど大きくは違わないのではと思ったりしているのだ。
決してキャンピングカーが買えない僻みなどではない。
道の駅の洗面と比較して衛生的にも悪くはない。
人に迷惑をかけることもなく、人に気を使うこともない。
例え山の中のトイレのないような登山口で車中泊をしても洗面をすることができる。
私の愛車は日産ノートE12だ。
車中泊旅で遠距離を走ればリッター当たり20Kmは走れるほど省エネで、軽トラベースのキャンピングカーと比較しても運転の疲労感は少ないだろう。
車内で料理をしたり家のようにくつろぐにはキャンピングカーに利があるが、長距離を走る車中泊旅ならコンパクトカーも負けてはいない。
車内で料理などをしないひとり車中泊旅ならキャンピングカーよりコンパクトカーや軽自動車の方が有利だ。
燃費が良く運転しやすくどこへでも行けるからだ。
そして仮設にせよベッドと洗面設備を自前で持っているのだから、私にとってもうこれ以上の車中泊車はないと言っても過言ではない。