運がリセットされた定年退職
人生には大きな分岐点が何度かある。
その分岐点とは結婚や就職や転職などだ。
これらをなぜ人生の分岐点と言えるのか考えたことがある。
もちろん分岐点というくらいだから、これを境に人生が大きく変わっていく。
その最も大きな要因が人脈だ。
その分岐点の人脈によって、人生がいい方にも悪い方にも変わっていく。
定年退職という分岐点がそれまでの分岐点と違うのは運が完全にリセットされることだ。
人生最後の分岐点が定年退職
人生最初の分岐点が就職だとするなら、最初に入社した会社で作られる人脈によって人生が大きく左右される。
自分の人生にとっていい影響を与えてくれる人とのご縁があったのか、それともその反対だったのか思い出してみるのもいいだろう。
良くなかったから転職という分岐点をもう一度経験したという人も少なくないだろう。
結婚や出産も同じことだ。
これによって家族が作られ人生を共にするが、時にはその分岐点が人生にとって良い結果を生まず離婚や再婚という選択をする人も多いだろう。
つまり人生を左右する大きな人脈の変化こそが分岐点で、その最後の分岐点が定年退職だということだ。
1. 定年退職とはどんな分岐点なのか
人生の分岐点とは人脈の変化だと書いたが、定年退職はいい人脈にしろ悪い人脈にしろその全てを失くす分岐点だと思っておいてよさそうだ。
長年仕事で培った人脈はそのほぼすべてを失くすのが定年退職だ。
仕事をしていたからこそ頼られていたにすぎない。
相手にしてみれば頼りがいがあったから付き合っていてくれていただけなのだ。
つまりは人脈のリセットだ。
人脈が運を呼ぶと考えればその運もリセットされることになるのだろう。
定年退職とはそんな人から頼られる価値を失くしてしまったといっていい。
定年退職の前と後では180度環境が変わると言ってもいい。
華やかさとは裏腹に静かで寂しい世界に入って行く感じだ。
定年退職は自由を得る分岐点でもある。
多くのものを失くした代償に得る時間の自由も定年退職の特徴だ。
縛られていたものから一気に解き放たれるから、どこに飛び立とうとどの道を歩こうと誰に咎められることはない。
2. 最後だから見定める分岐点にしたい
最初に就職をした時の分岐点と定年退職の分岐点が違うのは人生経験だ。
何も分からず就職をして諸先輩の言いなりのまま人生を過ごした頃とは違い、多くの知識や経験を持って分岐点に突入するのが定年退職だ。
責任や会社の看板こそ失うが、そうかといって長年かかって築き上げた知識や経験まで失う訳ではない。
現役のような華やかさを取り戻そうと思うなら新しい人脈を築けばいいのだ。
リストラや倒産のように思いもしないまま人生の分岐点を迎えるわけではなく、定年退職する時期は予測できるので考え方次第でその先の道を前もって見定めることも可能だ。
定年退職後にやりたいことや将来の人生設計が具体的に描けていれば、定年退職までに準備をしておくとスムーズに第二の人生を踏み出せるだろう。
私の知人で銀行を早期退職して不動産屋を始めた人もいるが、その方は第二の人生で不動産屋をやるのが夢だったようだ。
銀行に勤めている間に宅建士の資格取得していたと教えて下さった。
最後の人生設計を具体的に描けていた見本のような人だ。
3. 運を味方につける分岐点にするには
第二の人生の道を見定めて自分にとって有利な分岐点にしようと思うなら、第二の人生でやりたいことを早くに決めておく必要がある。
やりたいことさえ決まっていればそれに見合った人脈を現役中から意識しておけばいいのだ。
人脈がよければ努力以上の結果を招いてくれることは既に経験済みだ。
人生の運とは自分の努力で半分、あとの半分は人が運んでくれるものだと考えておいた方が賢明だ。
つまりいい人脈こそいい運をもたらすと思うことだ。
そしてそれらの小さな運の積み重ねが自分の人生を豊かにしてくれると思いたい。
逆に運を失う行動はしないように心掛けることも必要だ。
もう会社を辞めるのだからと軽率な言動や、天敵のような人だからとそっけない態度を取ることは運を失うことに繋がりかねない。
これも同じ地域で何度か転職をしたお蔭で身についた私の術だ。
運は人が見ていないような狭い隙間にも落ちていることがあることを知っていれば、自ら運を遠ざけることはないだろう。
最初に書いたように人脈も人生の運だ。
しかし定年退職したならリセットされた運を引きずらないことだ。
何も言わなくても、誰かがいい再就職話を持って来るだろうなどと期待してはいけない。
運はリセットされたのだから。
定年退職後はコツコツと小さな運を拾い集めることから始めるべきなのだろう。
期待をせずにだ。
こうして今日も自分を戒めている。
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