初心者のクライミングシューズ選び

はじめに結論を書くと、現在の私見では初心者(というよりも2級まで)は靴の性能にこだわって買うというのは、ナンセンスであると考える。理由は、以下の三点からである。
1. 性能よりも大切なものがある
2. 現在の自分のレベルで本当にそれは必要なのか
3. 自分のポテンシャルを見つめ直す

ただ、この様な結論だけでは不親切なので、実際に買う際には何を重視するべきなのかも3つの観点から述べる。
1. フィット感
2. ソールの硬さ
3. デザイン
付け足し
複数の靴を持つことが望ましい(人による)

それでは詳しく説明していこう✌︎('ω')✌︎
まず、最初になぜ初心者が靴の性能にこだわって買う事がナンセンスなのかを説明する。
1. 性能よりも大切なものがある
最近のクライミングシューズは、各社から色々なタイプの靴が出されている。しかしながら、靴の性能を見ると大した差は生まれていないのが現状である。なぜそのような事を言えるのかというと、ソール部分のゴムというものはほぼどの会社も役4〜5種類の中から採用されておりそのメーカーが独自に開発して作ったという事は、かなり稀である。この時点で察しの良い方はわかるともうが、靴の性能の1/3を占めるであろうソール部分の違いは大してなく初心者が履き比べてわかるようなものではないのである。それでは、靴にはどのような違いがあって皆選んでいるかについて話が少し外れるが話していく。
靴を選ぶ際の決め手は主に、フィット感・ソール部分・デザインで決めている人が多いのではないだろうか?これらに関しては、また後で詳しく述べるのでここでは簡単に説明する。フィット感は、自分の足に合った型をした靴であるか事。ソール部分は、硬いか柔らかいなどの靴の特性のことである。「先程と言ってることが違うじゃないか!」という批判を受けそうであるが、その批判は最後まで読んでからにしていただきたい。デザインは、その靴が自分にとってかっこいいかどうかである。

2. 現在の自分のレベルで本当にそれは必要な要求なのか
ここから少し、毒舌気味に書くが堪えて読んでいただきたいm(_ _)m
初心者問わず、登れなかった際に聞こえてくる声が「靴が滑って登れなかった」、「この靴はヒールがかかりにくいからな」などの靴の性能によって登ることができなかっというようなものである。確かに、すでにソールがすり減っていたりシャンク(靴型の芯となるもの)がよれきっていたりするなど、本来の靴としての性能が失われている状態でこの言葉を発しているのならそれは、理解できる。または、本当に繊細なタッチで登れるかどうかが変わるというような課題ならそれはなんら問題ないと感じる。しかし、こういう声が聞こえるときはだいたい、自分の技術でどうこうできるものがほとんどである。故に靴のせいなどではなく、自分の技術不足がシューズ本来の性能を落としていると言っても過言ではない。ここで靴を買う人は、もう一度立ち止り考え直して欲しい。あなたが欲している機能は、本当に今必要であるのか。技術面でカバーする事はできないのだろうか?求めているシューズ性能と技術は果たして釣り合っているのだろうか?

自分のポテンシャルを見つめ直す
ここで、過去に先ほどのような言葉を言ったことがある人は考えてもらいたい(著者含め)。本当に靴のせいなのだろうか?自分の技術のせいで登れないのに、靴のせいにすることにより安心を得ようとはしていないだろうか?
すぐ上を見れば、クロックスや普通の運動靴で4Q-2Qを登る人、なんなら足を使わずにキャンパーで自分が登れない課題をウォーミングアップがてらに登る人もいる。だから、靴を性能で選ぶなとは言わないが足の置き方や体の動かし方、ホールドの持ち方を自分にとって最適な形にすることによっていくらでも登れるようになるのである。先程の問いかけに似てしまうが今自分が出来ること、できない事をしっかりと理解しているだろうか?

初心者は靴を性能で買うなと書いてきたが、それでは一体何を基準に靴を買うべきなのかを述べていく。
フィット感
個人的にはこれが最も重要ではないのかと考えている。フィット感だけでは、詳しいことがわからないと思うので細かく解説していく。ここでいうフィット感とは、足全体を通して自分の足形に合っているかどうか。また、各部位(ヒール、トゥー)を使った動きでヒールカップのズレや爪先の先まで中身が詰まっている感じがするかどうかである。先ほど説明した「足全体を通して自分の足形に合っているか」だが、例えば足の甲が高い、足の横幅が広い、爪先の形がギリシャタイプetc...などのその人によって足の形は異なる。そのため、足の形が全く違う靴を無理して履き続けることによって怪我の原因になったり本来の力をフルに活かしにくくしてしまう。つまりヒールやトゥーをかけるときに、力が逃げてしまう事やしっかりと足の力が効かし辛くなってしまうのである。
故に、このフィット感はソールのゴムの性能の比較するよりも大切であると考える。

ソールの硬さ
これは、ケースバイケースなので強く「こうである!」と言い切れないのだが、もし初心者が初めて靴を買うのであれば最初はソールの硬さが柔らかいものを買うのがいいと考えている。なぜかというと、その方が足の裏で踏んでいる感覚がとても強く伝わりやすく上達の手助けになるからである。初心者の人を見ていると多くの人は、足の存在を忘れがちで上半身のみで課題をやっている感じがある。そのため、スメアリングやボテ、小さいフットホールドに苦手意識が強く出てしまい足の置き方の技術、しっかりと踏めているかの感覚がどんどんダメになっていくという負のスパイラルに陥ってしまう。もちろん、外岩やビスホールド(要するに小さかったり、厚みがないホールド)では、硬いソールのものが欲しくなることがあると思うがそれは、そういうホールドが出た時に買えばいいと思う。
長くなってしまったが、まとめると足の裏の感覚(しっかりと体重を預けられるほど、そのホールドを踏めているのか)を養うためにも最初は柔らかいソールの靴を選ぶべきである。

デザイン

個人的には、靴のフィット感の次もしくは同等の重要性であると思う。理由は2つある。
1つ目、自分がダサいと思う靴もしくは、嫌いな色の靴を履いてもモチベーションを上げることは難しいからである。クライミングというスポーツは、どれだけ弱かろうと強くなろうと痛みというものが必ず付き纏う。そんな中で、多少なりともやりたいと思わせてくれるようなモチベーションがあるのは、今後やっていくかどうかにも関わってくるほど重要である。もちろん上級者であれば、靴以外にモチベーションを上げる方法はたくさん出てくる。しかし、初心者という出来ることや触れる課題が少ない人たちにとって、クライミングの真髄に楽しみを見出すことは難しい。だからこそ、自分のカッコいい靴でモチベーションを上げる必要があるのだ。
2つ目の理由は、ファッション性である。クライミングで個性を発揮する際、あなたは何で主張するだろうか?多くの方は服(特にtシャツ)や靴だと答えるだろう。もうお分かりですね。個性を発揮するにはこの二つしかなくさらに、いつも身につけているのは靴だけなのである。顔なじみのジムでは、「忘れ物で〇〇の〇〇があるけど、これ履いているのはサイズ的にもあの人だな」となるぐらいには認知されるのである。
ちなみに、私は靴のデザインというよりかはメーカのロゴを最も重要視しておりTENAYAというメーカを履き続けて4年目になる。スポンサーになってくれ、、、

付け足し
複数の靴を持つことが望ましい(人による)
これは、多汗症の方に特に聞いて貰いたい!私は、多汗症というほど手のひらや足の裏に汗をかくわけではないが一般の人に比べたら明らかにたくさん汗をかく。そういう人が靴を一足しか持っていないと、特に夏場はひどいことになる。どのようなことが起きるかというと、週に3回ジムに行くとした場合靴が常に足汗によって湿っている状態になってしまう。不快感もあるのだが、それ以上に靴の中で足が滑ったり小さいビスが踏めなくなるなど、踏んだり蹴ったりになりまともにクライミングをすることができなくなってしまう。また、今のような梅雨の時期では外で乾かすことができないので室内で乾燥することになる。しかしながら、全く乾かずむしろジメジメしているせいでカビが生えてしまうこともある。私自身、1度この時期にカビを生やしたことがある。皮膚病にならないためにも、足汗がひどい人は安い靴でもいいので2〜3足ほど持っておくことが良い。今は、「そんなことありえないでしょ」と思っている人もいずれわかると思うので、その時はまたこの記事を見に来てください( ✌︎'ω')✌︎

まとめ

いかがでしたでしょうか?どこに注目もしくは、こだわって靴を買うべきなのかわかったでしょうか?靴をどこで買えばいいのかわからない。という声もよく聞くがコメントでもそのようなことを言っている方がいたら、またそれについても記事にしていきたいと思う。
最後に今私が履いている靴と私がなぜ今の靴を買ったのかについても軽く述べていく。
今履いている靴は、TENAYA(テナヤ )というメーカのムンダカという靴を履いている。
何故この靴を履いているのかというと、会社のロゴやカラーが私の好みにドンピシャだからである。靴のフィット感も良好で3足連続で履いている。それだけこの靴が自分には合っていると思うし履いていてストレスが少ない。しかし、この靴にも難点があるそれはヒールカップである。この靴のヒールカップが悪いというわけではないのだが、私のカカトの厚さとヒールカップの幅に少し隙間があるせいでどうしてもヒールをねじ込んだり、ヒールに思いっきり力を入れる場面だと逃げてしまうことがある。しかし、それ以外のフィット感やトゥーの効き具合は完璧なのでヒールに関しては妥協している。全てがぴったりと自分に合う靴というのは、そうそう見つけることができない。というよりも、そんなものがある人の方が少ないと思うので、一定の妥協というのは必要でありそこを他の方で補ってあげるという方法もある。
自分語りが少し長くなってしまったが、今回の記事はいかがでしたでしょうか?個人によって、靴の選び方は変わってくると思うので100%正しいとは思わないがいい筋を行っていると個人的には思っている。


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