平和ボケできるありがたさ

※書きたいことがあって書いていますが、書いている途中で頭がこんがらがってきました。思っていることを言語化できないもどかしさでいっぱいになりながら書いています。読みにくい文章だと思いますがご了承ください。

連日、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻のニュースが流れてきます。
私は戦争を絶対悪だと考えているので、ロシア(というよりあの国のトップ)は100%間違ったことをしていると思うのですが、まじめに歴史や地政学を学ぶとそんな簡単な話でもないのかもしれません。

この戦争に関して、twitterでも様々な投稿を目にしますが、時折、ウクライナ在住の方(現地民、邦人含め)の投稿を目にします。
避難されている方の苦しみや恐怖、家や家族を失った方の悲しみ、ロシアに対する憤り…画面と自動翻訳機能を通してですが様々な感情が伝わってきます。
そして、実在するかどうかも分からない完全な赤の他人なのに
「何とか生き残ってほしい」と本心で思います。

でも、どれだけ現地の方のツイートを見ても、(tiktokでミサイルが飛んでくる実際の映像を見ても)、どこか実感が湧きません。それは恐らく私がミサイルや砲弾が飛んでこない東京の自宅という超安全圏でスマホを眺めているにすぎないからというのと、いわゆる「平和ボケ」なんだろうと思います。

だいぶ前に亡くなった私の祖父は戦争大好きおじいぃちゃんでした。
家のあらゆるところに戦闘機(第二次世界大戦中の日本の戦闘機)の模型が飾ってあったし、部屋の本棚は第二次世界大戦関連の本であふれていたし、ことあるごとに当時の話をしてくれました。
その影響で私も戦争に関する記念館に何度も行きました。
その中で最も心を動かされたのは、祖父に連れて行ってもらった鹿児島の知覧特攻平和祈念館です。いわゆる特攻隊(神風特別攻撃隊)に関する記念館ですが、特攻隊の方が家族にあてて書いた手紙を見たとき、内容を完全に理解しきれないまでも涙が出たのを覚えています。
出撃を明日に控えた特攻隊というのは、すなわち明日死ぬことが決まっている人間です。もし明日私が死ぬことが分かっていたら、取り乱して、おそらくそんな状況で家族に書く手紙は「死にたくない」という内容だと思います。というよりむしろ、手紙なんて書けないと思います。
自分がそういう状況に立たされたら、最後の一秒まで生にすがろうとするはずです。ところが、特攻記念館で目にした手紙の多くは、家族への感謝であふれ、生への執着は殆ど見られませんでした。当然、検閲の影響もあると思いますし、それが本心かは分かりません。当時の軍人は死んで祖国を守るのが当然だったと考えると、デュルケームのいうところの集団本位自殺のようなものだったのかもしれません。

少し話がそれましたが、おじいちゃんが何度も話していたのは「戦争は絶対にしてはいけない」ということでした。その影響で「パティシエ」「サッカー選手」「ケーキ屋さん」というキラキラした職業がならぶ小学校の文集の「私のゆめ」欄に「そうり大臣になって戦争のない世界を作る」と書いてしまったくらいです

でも、そんなおじぃちゃんの教育のお陰もあって、今でも戦争は絶対悪だと思います。
戦争について、色々なとらえ方ができると思いますが、少なくとも今回のケースは一方的な侵略戦争。病院や市街地への爆撃もあったとのことで、非戦闘員も標的にしているようです。安全圏から指示を出しているロシアのトップにも両国にどれだけの死者が出ているという情報は伝わっていると思いますが、おそらくそれを単に数字としかとらえていないのだろうと思います。人の死とはきわめて重たい出来事です。おそらくロシアのトップも自分の子や親が亡くなれば大きい喪失感を抱くと思います。でも、戦争となるとたくさんの重い命を単に「100人死亡」「1000人死亡」という数字でしかとらえていないのだろうと思います。だからこそ市街地に爆弾を落とすような真似ができるんだと思います。
正気の沙汰ではありません。

あの国のトップと戦争そのものに対する憤りを感じると同時に(というより、憤りを感じるからこそ)、戦争がない日本という国に生まれてよかったと思います。正直、日本のすべてを好きというわけではありません。社会システムの維持という点では老後への大きな不安もあります。でも、少なくとも憲法に戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を明記し、国として非核三原則を掲げる国に生まれたことは幸せだと思っています。
隣国との関係は穏やかとは言い切れませんが、少なくとも空からミサイルが降ってくる不安や他国が上陸してくる恐怖に脅かされながら生活を必要する必要がないことは本当に感謝すべきことだと思います。

決して第二次世界大戦を美化するつもりはありませんが、現代憲法が戦後に作られたことを考えると、あの戦争があったからこそ、あの戦争で多くの人間が命を落としたからこそ、現代日本は戦争をしない国になったんだと思います。言い方はおかしいと思いますが、戦死した方々に感謝しなければなりません。
また、昼夜問わず日本領土を他国の侵略から守っている自衛隊の方々も強力な抑止力として私たちの平穏な生活を守ってくれていることにも感謝しなければなりません。

色々なことを言いながら、一人の大学生というどこまでも矮小な存在にできることは殆ど何もありません。当然ロシアのトップの暴挙も止める力も、ウクライナで苦しんでいる方々を助ける力もありません。募金はさせていただきましたが、本当に雀の涙のような金額です。でもせめて、平和に暮らせることが当たり前のことではないと認識して、平穏な毎日に感謝しつつ、学生の本分たる勉強に力を注ごうと思います。



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