![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82210530/rectangle_large_type_2_4684e6f953e5bd25990f6589f0454638.jpeg?width=1200)
小さな出版社がネイルブランドを立ち上げた話 vol.2 「事件発生と決意編」
vol.1はこちらからお読みいただけます。
事件発生
vol.1でも記載した通り、ネイルポリッシュが作れることも分かり、そして色々探し回った結果、製造会社様もきまりました。ここまではなんだかんだ上手く進んでいるように見えたので、私も浮かれていたのかもしれません。そんな時に事件が発生しました。問題はスケジュールです。
実はもともと、12月のクリスマスに合わせての納品は難しいと言われていました。それはもうどこの会社様も同じだったので、1月に他のイベントのノベルティとして製作することにしようと、変更をしていました。そのためSNSでも「1月に発売!!」と告知し、イベントを設計していました。そんな時に、ある会話がきっかけで、1月すらも間に合わないことが発覚したのです。
(以下、製造会社様とのMTG)
担当者の方(以下「担」)「スケジュールは1月の中旬を予定ですね。カラーは3色でよろしいでしょうか」
私「はい!それでお願いします。」
担「仕様はノベルティ仕様でお間違いないですね」
私「ノベルティ仕様…?一応ノベルティに配布するものではあるのですが、ネイルポリッシュはかなり美しいものに仕上げたいです!!」
担「・・・・。」
私「えっと…。ネイルポリッシュの質のイメージは、透明感があって、速乾で、アレンジもできて、ぷるんとした感じのものにしたいのですが…。」
担「そうなると…、納期が難しいかもしれません」
私「え…!なんでですか?」
担「基本的にノベルティに配布する用のポリッシュと、販売用のポリッシュは大きく異なります。具体的にはポリッシュ自体のクオリティ、質が後者の方が高くなります。それに合わせて、納期や単価も上がってきます」
私「な…なるほど。ちなみに…納期はいつ頃になるのでしょうか…!」
担「通常ですと、お話をいただいてから4~6ヶ月はかかります。繁忙期はそれ以上かかることもございます」
私「…!!い…一度持ち帰ります」
とのことでした。
私が初期の段階でちゃんと伝えていなかったことからのミス。販売時期が予定していた12月から1月に伸びただけではなく、早くて3 月から4月の納品になるとのこと。1月に販売するぞ!!と意気込んで準備していた私にとってはかなりショックなものでした。(私は何か「これ!」というものが見つかったら、尋常じゃないほどの熱量をかけてしまうタイプ。この日に発売する!!がずれてしまうのは、タイプ的にかなりショックなことになります)
「ノベルティ仕様にすれば、1月には間に合うけど…。満足できないものは出したくない…」
一日まるっと落ち込んで、まるっと考えた結果、ある決断をしました。
自分にとって、会社にとって大きな決断
本気でネイルブランドを立ち上げたい。
落ち込んだ後に出てきた回答はこれでした。ネイルの企画を考えたり、イメージを固めていく中で、ノベルティという小さなものにとどまらず、全力でネイルポリッシュを製作し届けていきたいという気持ちが強まっていたからです。
やるなら全力で、心の底からいいと信じれるものを作りたい。納期が遅くなるならそれに合わせてコンセプトも練って、カラーバリエーションも増やして、施策を仕込んでいったら素敵なんじゃないか…!
やってみたい…!
ただ、お金も時間もかかる。
当時は本業として、別の会社でOLをしていたため、実際にやりきることができるのか、たくさんお金をかけて本当に回収できるのか…そんな不安気持ちがありました。
でも…
私は今まで生きてきて何か決断をするときは、毎回この言葉を自分に投げかけます。座右の銘とも言っても過言ではないかも。
「やらないで後悔するより、やって後悔する方がいい」
今回もこの一言で決断しました。やらなければ何も生まないけれど、やったら成功する可能性はある。ならやるしかない!!
そう考え出した途端、昨日の落ち込んでいた気持ちが嘘のようにワクワクしてきました。
(これは当時のインスタの投稿)
化粧品業界について勉強の日々
本格的にブランドを立ち上げることになった私は、一気に忙しくなりました。まずは化粧品業界ってどんなものか、ということ、そしてどんなふうに商品を作っていけば良いか、どんなふうに売る努力をして行けばいいか…
ひとりで会社をやっているため、最初から最後まで自分で勉強する必要がありました。
そこからアマゾンで化粧品業界や、ラグジュアリーブランド、小売業界に関する本を購入し、マーカーと読書ノート片手に読み込みました。
システム的には出版業界と大きな差分があるわけではないけれど、斜陽産業と言われている業界とは大きな違うポイントがありました。
それは、私の強みが強みではなくなるということ。
私はもともとSNSが得意で、出版社設立後はSNSマーケティングを駆使して、事業を波に乗せていました。
それはSNSを使用して本をうる、という文化がまだあまり根付いていなかったこと、またSNSをできる人が少なかったからこそ強みになりえたものでした。
けれど、化粧品業界は「SNSはできて当たり前」という世界。様々な企業がSNSを駆使しお客さんを取り合い、その中でいかに勝ち抜くか…という業界でした。
約2ヶ月、大量の本を読み込み、様々な体験記や記事を読んで感じたこと。
それは、「ブルーモーメントはなにで勝っていくか?」を見つける必要がある…ということでした。
この問いは、ブランドをリリースした今でも大きなものです。
ここの問いに答えられず苦しむことになるのは、また数ヶ月後のお話…
ーーーーーーーーーーーーーー
運命の調色…朝から晩までネイルを塗り塗り…デザインなど
🌸続きのvol.3は来週木曜日(7月14日)公開予定です🌸
楽しみにしていただけると嬉しいです!
◼️出版社ブルーモーメントとは
2020年夏、女子大学生竹井夢子が設立。
「自分らしさを肯定し」、自分「らしく輝く」。
そんな生き方を伝えたい。
本、言葉には、それを伝える力があると思います。
出版社ブルーモーメントは本を通してひとりひとりが「らしく輝く」、その背中を押したいという想いを胸に活動しています。
「ブルーモーメント」とは夜明け前と日没後の空がブルーに染まる瞬間。
あらゆる気象条件が揃ったときにだけ現れる奇跡的な美。
そんな美しい本を、本を読む美しい時間を届けたい。
社名にはそんな想いが込められています。