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日本の負の遺産を清算/巨額の政府の借金 3 円増刷政策の仕組み
4240文字
日銀の黒田総裁の任期もあと約1年です。2023年4月まで。
この10年間、530.2兆円も円を増刷して効果ゼロどころか、弊害が拡大しています。
庶民の収入は憲政史上最大の落ち込み、今年は値上げラッシュ、消費税が5%⇒10%と相まって、貧富の格差拡大は過去最大になりました。
今回は4/17 付 ツイッターの内容とともに、
前回ふれた円増刷政策(金融緩和)の仕組みについて説明し、
消費税の減税・廃止提案をします。
内容はすべて、個人的な検討結果ですのでご了解ください。
1. 4/17 付 ツイッターより 異次元緩和の弊害が顕在化
■ 異次元緩和の530兆円の増刷での弊害が顕在化
まず、極端な円安となって表れている。
他弊害目白押し、下記参照。
■ 消費税減税・廃止で、消費と経済を活性化すること
■ デフレから若干のインフレへ政策転換すること
ー--
添付資料:ツイッター内容 4/17付け分
Dreamerさん・相互フォロー(@kLooURY5dD02IxE)さん / Twitter
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ー--
2.弊害の実態
(1) 状況
■ 増刷されたお金 530兆円は、赤字の補填に使われただけ、
いわゆるバラマキに終始した。
■ イノベーションとか新しい産業、技術者育成、庶民の給与アップな
どの、経済活性化は行われなかった。
■ そのため、経済成長率ゼロどころか、庶民の年収は憲政史上最大の落
ち込みとなった。
消費税アップ(5→10%)、収入減に加え、今年は商品の値上げラッ
シュで、庶民の生活は困窮を極める。
⇒ 人災ではないのか?
(2) 何故こんなになってしまったのか?
■ 独裁者的性格、妄想癖があり、異次元緩和すれば絶対大丈夫だとの
思い込みがあったのではないか?
参考資料
■ その場しのぎで問題先送りが続いて、根本的解決は行われなかっ
た。
■ いわゆるお友達内閣、利権がらみの交友にて、周りから疑問が発せ
られることがなかった。
■ 不都合を、嘘、隠蔽、捏造によって隠し通したため、多くの国民は
深刻な事態に気付かなかった。
3. 金融のメカニズム
(1) 円増刷政策(金融緩和)の仕組みの図表を添付します。
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(2) 項目の説明(上図参照)と問題点について
<新規発行分> 政府発行
1⃣ 国家予算 : 歳入と歳出があり、
2⃣ 赤字国債 2022年度は歳入の不足分を赤字国債36.9兆円
3⃣ 国債歳出分 発行して穴埋めした。
歳出では、既発行分の国債の償還や利払いで
24.3兆円の支払いがあった。
注)国債に関し、歳入が36.9兆円、
歳出が24.3兆円のため、
国債の運営では実質12.6兆円だけが補填額で
ある。
2⃣ー1 新規発行国債資金 :2⃣ 赤字国債分の、資金の流れを示す
(市場から予算歳入分へ)
2⃣ー2 新規発行国債 :2⃣ 赤字国債の証券の流れを示す
<既発行分> 日銀買取り
4⃣ 既発行分国債 :市場(主に銀行と生保)の既発行国債を
償還期限前に日銀が買い取る証券の流れを示す
5⃣ 日銀が保有している国債(証券):日銀が市場から買い取った国債
6⃣ 国債買い取り資金 の残高は
7⃣ 日銀当座預金口座 516兆円(2021年末)
8⃣ 日銀当座預金口座残高
注)日本の国債発行残高1074兆円。
約半分(48%)が日銀保有である
注)政府と日銀は親会社と子会社の関係
で、貸し借りは融通が利くので、
問題ないという説あり。
問題点
しかし、日銀は増刷した円で国債を買うが、銀行への支
払資金は「日銀当座預金口座」に滞留させられている。
市場の銀行や生保の運営資金に回ると、増刷金額分だけ
市場に資金が増えて高インフレになってしまう。
そのため、「日銀当座預金口座」には541.6兆円の
資金が滞留している。
この541.6兆円は本来、銀行や生保の運営資金で
ある。
得られるべき運営資金が入らないので、資金不足になり
手数料を多くしたり、システムエラーが多発したり、
銀行の統廃合を繰り返す、という弊害が顕在化してい
る。
究極的には、銀行の倒産もあり得ると思われる。
9⃣ 日銀当座預金口座から市場への資金の流れ
: 高インフレ防止のため、通常より多めの利
息を付けるなどして、資金の市場への流れ
を止めている
🔟 市場の国債残高 : 証券として553兆円分ある。2021年末。
<市場の現金総額>
⓫ 市場の日銀紙幣(貨幣)金額: 167.4兆円ある 。2021年末。
問題点
7⃣日銀当座預金口座に516兆円(2021年
末)滞留している。
市場の現金約167兆円に比較して、途方もな
く大きい金額である。市場現金の約3倍。
高インフレ圧力として存在し続ける。
このペースが後10年続けば、日銀当座預金口
座には1032兆円の滞留資金が貯まることに
なる。
どこかで銀行破綻が起きるので日銀当座預金口
座の貯まる資金が増えないようにする、減少さ
せる必要がある。
対策には、次が考えられる。
a 円増刷を止めて行く
b 日銀当座預金口座から市場へ、多くの適
切な金額の資金を流してゆく。インフレ
を伴う。
c 他
ー----
現在、何も対策が講じられていない。
最近、米国金利高に対し、日銀の黒田総裁
は、国債の指値オペにより低金利政策を継続
(つまり円増刷政策の続行)しています。
上記対策、a~c を可能にするには、
d 経済成長をして、国の借金(巡り巡っ
て、日銀の当座預金口座の残高に計上さ
れている)の、対GDP比率を下げる。
国の経済規模が大きくなれば、弊害は減
ぜられる。
e 経済成長に伴う適切なインフレを起こし
て、借金を目減りさせる。
f 他
ー----
種々の対策が講じられない、対策効果がない場
合、
最悪、国債デフォルテ、財政破綻、銀行倒産、
ハイパーインフレ、デノミなどが発生する可能師
があります。
⓬ 国民分 : 少額のため省略します
・・・・・ ということで、事態はかなり深刻な状態です。
4. 対策提案
現在、国でも少しずつですが、対策の方向に向かているようですが、なかなかはっきりしません。
ここでは、すでに任意に発表されている、私が良いと思う対策案について記述します。
■ 消費税を減税・廃止する
3章で述べたように、すぐにも円増刷政策を止めなければ、弊害が加速
度的に顕在化すると思われます。
現在すでに、極度の悪い円安状態に陥っています。
消費税の減税・廃止によって、消費や経済を活性化させ、庶民の収
入増加などにより、
「経済成長+良いインフレ」へと政策転換をして、
日本沈没をまぬがれて、さらには成長軌道に乗せることが出来るの
ではないか、という考えからです。
5. 今回のまとめ
国債発行と資金の流れのメカニズムがやや複雑で、
問題点の把握や特定が難しく、
また、まとめるのにも苦労しました。
多分、多くの人は、何が問題なのか?
不都合や弊害の所在がピンとこない、などで、
危機意識のやりどころ不明、といった状態ではないかと推察します。
問題点は「日銀当座預金口座」の異常な残高増加にあるとしましたが
このような論評はあまりないようです。
自分なりに、本質的な問題点と考えましたので、
そのようなまとめとしました。
今後の日程
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ー----
長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。