アルバムセラピー
D.カーネギーの有名な著書、『道は開ける』にも、過去の失敗から学ぶこと、自己を発見することの大切さが説かれています。
アルバムや、それを見て語る言葉や感情は、まさにその人が主観で選び取った重要な過去の記録で、これこそが思い出です。
人は思い出でできていますから、アルバムを見ながら自分の思い出を掘り起こしていけば、失敗を成功の糧として捉えなおす機会になり前を向けたり、本当の自分はどう思っていたのかを振り返って自己を発見することができたりするのです。
●成功の定義と“優しい講座”
アルバムセラピーは、夢ふぉと創業から10年ぐらいの頃にとあるきっかけから生まれました。
当時、女性経営者の数は多くありませんでした。そんな中、神戸で女性起業塾を立ち上げるという女性から、そこで講座を1つ持って欲しいという旨の依頼を受けました。
いろいろな経営のことを学ぶ講座がある中で、私は女性起業家の先輩として、どんな講座をしてお役に立とうかと考えていました。
稲盛和夫さんの、儲かるから、売れるから、のような不純な動機で起業しても、3年で70%、10年もすれば10%も残らない。動機善なり私心なかりしか。
というお言葉、これを思い出しました。
私はこの言葉に、非常に共感していました。
できれば、皆には幸せに、成功してもらいたいという思いがありました。私は大好きなおばあちゃんのことを伝え残したい、そして人のお役に立ちたい、という動機から起業し、それで食べていけることが、幸せで、成功だと感じていました。
成功というのは、時価総額の高さや売り上げ、規模で決まるのではなく、自らが幸せだと思えることだと、そう定義して、そんな成功に導いて上げられるような…自分にとって幸せなこと、大好きなこと、本当にやりたい・やってあげたいことを発見できるような講座を作ろうと思ったのです。
そうして生まれた講座が、のちにアルバムセラピーとなりました。
生まれてから今までの写真をなるべくたくさん持ってきてもらい、テーマにそって写真を選んで、その写真を見ながら、感情をたくさん引き出して語る。そんな内容で、ひとりひとりにとっての「大好き」を発見できる、塾で一番人気の講座にまでなりました。
「私はやっぱりお花のそばにいたとき一番笑顔でした」とか、
「ペットの傍にいるときが幸せでした。」とか、
「研究室にこもっていた時が夢中になれました。」とか、他にも、
「大好きなものは見つからなかったけど親に対する感謝が沸きました」なんて感想もありました。
教え込む型の教育と違って、どんな効果が出ても、どんな気持ちが湧いてもいい。そこに正解を作らない。その人自身の素直な心の動きを、全肯定してあげられるような、優しい講座が完成しました。