「矢印になるコピー」を自分なりに考えてみた。
コピーは行動を促す矢印だ。
って、尊敬するUXライターの宮崎直人先生が言ってた。
事実をエモく言い直しただけのコピーは、ただのナルシストらしい。
私自身、自己満のコピーを見るだけで、共感性羞恥心を覚える。
機能的ライティングと情緒的ライティングの書き分けは必要だ。
あからさまに情緒的ライティングにこだわりすぎたコピーは、ユーザーの熱を冷ます。
じゃあ、自分なりに冷めるコピーとは何か?色んなコピーを見ながら、好きな言葉、寒気がした言葉を分析してみた。
何の商品のコピーかが伝わらないコピーは好きじゃない。
私は、自分の感覚を磨くとき、好きな言葉よりも嫌いな言葉の感覚を身に着けた方が研ぎ澄まされると思っている。
「0歳から100歳までの広告コピー」を見ながら、好きなコピーは「赤」、嫌いなコピーに「青」の付箋を貼ってみた。
この本は、何の商品のコピーかが記載されている。
私が「青」の付箋を貼ったコピーは、すべて「何の商品かを見ないとメッセージが伝わらないコピー」だった。
情景が浮かんでこない、抽象×抽象の言葉を並べて、綺麗事が書かれている、「プロのコピーライターでもこんなクサイ文章書くんや」ってちょっと驚いた。
(もちろん、どんな綺麗ごとであっても、一つの作品を作り上げるっていう能力は心から尊敬している)
逆に好きなコピーは、「未知の気づき×情景がイメージできるコピー」。
新たな気づきでユーザーの心をつかみ、端的でリズミカルな文章でその心を離さない。
読む時間は一瞬でも、ずっと心に留まる。そしてその理由は、エモさだけではなく、エモさを通してユーザーメリットを正確に伝えられているからなんだと思う。
エモさで端的に矢印を創る。こんな高いテクニックは他にない。
一周回ってルミネの広告は偉大
常々言っている通り、そう思うとルミネの広告は最強である。
強い女が立ち上がる姿。強い女が恋に落ちる瞬間。強い女が幸せに満ち溢れる瞬間。それを、写真とコピーの相乗効果で短い文章で表している。
それだけじゃない。
広告を見るだけで「用ないけど、ルミネに行ってみようかな」
それだけじゃない。
「服買うつもりなかったけど、ちょっといい服買ってみようかな」
「ちょっと高いけど、お気に入りのアクセサリー見つけようかな」
しっかり購買意欲まで高められて、ルミネの思うつぼである。
そして小松奈々ちゃんの目力も説得力がマシマシ。
我々が普段作るメディアはコピー力だけ、というわけにはいかない。
エモさではなく、情報の正確性・シンプルさ・あえて質素な言葉を使う・
そして、それが妥協ではなく、それが一番良いという感覚を身に着けないといけないのだと思う。
かっこいいだけが正義じゃない。
あくまで最適な矢印を創るために、ひたすらサイトを作り続ける。
あー楽し。