思いもよらない自由
(犀の角の経40-6を読んで)
ここには「人の気づかぬ自由」とある。
それは、世間とは関係のない自由。
私たちには思いもよらない自由。
夢にも知らない。
思ってもみたことがない。
常識をはるかに超えていて、
世間的立場に生きているわたしたちには、
考えもおよばないこと。
全く別世界の自由。
世間的立場を根本的に変更しなければ、
180度転換しなければ、
味わうことのできない自由。
すべての捉われから解放された自由。
前のガーターで、
「好きなままに生きる自由」
「本当にしたいことをする自由」
と言われたけど、
それは世間の立場から見たら、
わがままで、でたらめで、
常識はずれだと言われるでしょう。
到底、世間の人には理解できない自由。
だから、世間の人を相手にしていては、
絶対に得ることのできない自由。
親鸞聖人が、
「悪をも怖るべからず、弥陀の本願を妨ぐるほどの悪なきが故に」
とおっしゃった、悪も怖れない自由。
理解できないけれど、
そういう世界があるということだけはわかる。
全く嘘偽りだらけの世間を超えたところに・・・
その自由を体現している自覚者が、
現にこの世界におられる。
私たち世間に捉われてあくせく生きている人々の間に、
おられるということ。
それが救いです。
わたしたちを少しでも解放しようと
働いてくれる。
そういうものに触れていたい。